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投資法人みらい、WBFホテル淀屋橋南をオフィスにコンバージョン!従来の逆パターンは定着するのか?



 

三井物産系の「投資法人みらい」は、616日に公表した20204月期決算説明資料で、同社が201811月に取得していたホテルWBF淀屋橋南のオフィスへのコンバージョンプランを公表しました。

WBF淀屋橋南は、大阪を代表するビジネス街の淀屋橋近くに所在する築浅のバジェット型ホテルですが、2019年8月以降の日韓関係の悪化を中心としたインバウンド客の減少や、新規ホテルの過剰供給が懸念されていた大阪都心部のマーケットにおいて効果的な差別化戦略を取れなかった事などの理由から稼働率が伸び悩んでいました。

「投資法人みらい」は、物件のテナントである「WBFホテル&リゾーツ」との間で営業強化策を協議しつつ、テナントの変更や他のアセットタイプへの用途変更を含む抜本的な再建策を検討してましたが、新型コロナウイルスの影響によりWBFホテルが民事再生法の適応を申請した事から賃貸借契約を解約する事になりました。

【出展元】
投資法人みらい

 

大阪都心のマー ケット稼働率は99%前後で推移、成約賃料水準も上昇傾向


 


大阪都心部では、2018年以降はオフィスの新規供給が限定的であり、旺盛な需要に支えられてマー ケット稼働率は99%前後で推移し成約賃料水準も上昇傾向が続いていました。新型コロナウイルス感染症の影響はあるものの、全体としてオフィス床の不足は続く見通しです。

一方、政府の緊急事態宣言以降、換気やレイアウトの工夫、オンライン会議への 参加、テレワーク環境の整備等の観点からオフィスニーズに変化が生じています。 ポストコロナにおけるオフィス選定基準としてBCPへの配慮がより重要となるものと思われています。その様な中、淀屋橋エリアはオフィス街ながら、BCP/テレワークに対応するサテライト・サー ビスオフィスはまだ少ない状況です。

 

BCP/テレワーク対応のサテライト・サー ビスオフィスは少ない



その為、投資法人みらいは、WBFホテルをオフィスにコンバージョンする事でホテルよりも高い営業純利益(NOI)を目指す計画を打ち出しました。

 

バジェット型ホテルをサービス・オフィスにコンバージョン!

 


新名称はMiiX(ミックス)淀屋橋。独自ノウハウを有するイデラ キャピタルのリーシングマネジメントチームが総合プロデュースを担当し、「サービスオフィスとセットアップオフィスの ミックス」や、「入居者同士のビジネスチャンス のミックス」と言った様々なミックスを提供する施設であり、本投資法人(MIRAI)とイデラ キャピ タルマネジメント(IDERA)のそれぞれの強 みを活かして本物件の不動産価値のミックス アップ(MIX UP)を目指しています。

 

 

 

「セットアップ型サービスオフィス」としての特徴


◼ サービスオフィスの利便性、セットアップオフィスのデザイン性、一般オフィス ビルの信頼性、それぞれの「良いとこどり」を実現した付加価値の高いオフィス

◼ 1~9階を以下のコンセプトでリニューアル


  • 1階:  エントランス/受付はデザイン性と利便性を備えたアメニティ機能を集結
  • 2階:  今後増加するオンラインミーティングのニーズを想定し、複数の会議室を用意

3~6階: 12m²/16m²の小規模区画を前提としたセットアップオフィス
7~9階: 24m²の大規模区画を前提としたセットアップオフィス

 

 

プロジェクト概要/収支計画

 

 


<想定スケジュール>

◼ リニューアル工事:2020年7月着工、2021年1月完了予定
◼ リーシング:2020年夏頃開始予定、竣工1年以内に稼働率90%超を目指す

<前提条件>

賃貸可能面積:304坪
賃料単価月坪:49,145円
想定稼働率:90%
賃貸事業費用:ホテル時代の過去実績及び他の保有オフィス事例、今回計画しているサービス内容を参考に試算

 

ホテルからオフィスへ、今までの逆パターン



大阪都心部ではインバウンド需要の高まりを受け、長年塩漬けだった土地や老朽化したオフィスビルが次々とバジェット型ホテルに建て替えられて行きました。良く小さな土地でも投資利回りが良い為、猫も杓子も大阪都心でバジェット型ホテル事業に乗り出しました。また、すぐに需要が見込めるとして老朽オフィスビルをホテルにコンバージョンする動きも見られました。

しかし、同じ様な価格水準、サービス内容のホテルばかり建設された結果、ローエンド価格帯のホテルは供給過剰になり、一方、富裕層向けのラグジュアリーホテルは不足したまま、という需要と供給とのアンマッチが顕著化し、WBFホテルが属するローエンド市場はのレッドオーシャン化が進んでいました。

今回のホテル⇒オフィスへのコンバージョンが成功すれば、後に続く事業主が出てくる可能性はありますが、全体の動きからすると限定的なケースになると思います。

コロナ禍が終息しインバウンド需要が回復する局面が「訪れるまでの間」に、「雨後の竹の子ホテル」は振るいにかけられ多くが脱落すると思いますが、ちゃんと差別化出来て、存在感を発揮したホテルは力強く生き残る事でしょう。

 

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