工作機械最大手のDMG森精機は2020年6月10日付けのニュースリリースで、JR奈良駅前に奈良商品開発センタを新設すると発表しました。同社創業の地である奈良に、新たにデジタル・トランスフォーメーション(DX)構築と先進技術のための開発拠点として、2022年春頃に建物が竣工しました。
同社は、7月1日付で本社を名古屋市から奈良市に移転し、奈良と東京の二本社制導入し、8月に開所式を行う予定です。【出展元】
→DMG森精機 奈良商品開発センター新設のお知らせ
奈良商品開発センター
奈良商品開発センタはJR奈良駅徒歩1分の交通至便な隣地に設けられます。約3600㎡の敷地に地上6階建てビルを建設し、従業員約300人を収容する予定です。
DMG MORIグループ最大の最先端研究開発センタとなり、5Gを使った デジタル通信技術、AI、クラウドコンピューティング、デジタルツインなどのテクノロジーを用いたデジタル化 およびコネクティビティを含むDX構築を行います。
さらに、工作機械の要素技術、次世代複合加工機、 Additive Manufacturing機、自動化システム、ビジョンカメラを使った非接触計測システム、次世代の切りくず・ クーラント・ミスト処理装置などの工作機械および周辺装置とそれらに搭載される制御ソフトウェア他、最先端のイノベーティブな開発実験を行います。
新ビルは、オフィスフロアの他に、1階、2階に機械・要素技術開発の実験センタ、6階に300席の カンファレンスセンタ、レストラン、カフェを配置します。京都・大阪・奈良の学生インターンシップの受け入れに加えて、電気、通信、エレクトロニクス、組込ソフト、コネクティビティ、ロボティクス、センサー分野からの経験者採用や同分野の技術者との交流を推進する拠点となります。
建物のデザインは建築家の隈 研吾氏に委託。 メインエントランスはDMG森精機の先進の金属加工技術により、有機的な木目柄に切削されたアルミ材を用い、ヒューマンスケールで温かみのあるオフィスで、古都奈良と調和する建築をコンセプトとしています。
計画概要
計画名称 | DMG森精機 奈良商品開発センター新築工事 |
所在地 | 奈良県奈良市三条本町1002番2他 |
交通 | JR「奈良」駅徒歩1分 |
階数 | 地上6階、地下1階 |
高さ | 39.95m |
構造 | |
杭・基礎 | |
主用途 | 事務所 |
総戸数 | |
敷地面積 | 3624.65㎡ |
建築面積 | 2401.44㎡ |
延床面積 | 12732.39㎡ |
容積対象面積 | |
建築主 | DMG森精機 |
設計者 | 服部建築事務所 建築デザイン 隈研吾氏が担当 |
施工者 | 淺沼組 |
着工 | 2020年秋(予定) |
竣工 | 2022年春(予定) |
備考 | 工期16ヶ月を予定 1階(機械開発) 2階(要素技術開発)、 3階~5階(オフィスフロア) 6階(カンファレンスセンタ、レストラン、カフェ |
所在地:奈良県奈良市三条本町1002番2他
2022年8月の様子
現地の様子です。前回の撮影が2022年2月だったので、約6ヶ月振りの取材です。
アップで見た様子です。隈研吾建築都市設計事務所がデザイン監修を担当しており、同氏らしい外観デザインが特徴的です。
真正面から見た様子です。JR奈良駅前にこんな立派なオフィスビルが出来るとは・・感無量です。
北東側から見た様子です。大樹を連想させる外観がかなりカッコイイ。
基壇部の様子です。メインエントランス付近の尖った軒と植栽が良い感じです。
メインエントランス付近の様子
ガラス張りで浮遊感のある造りです。
南側には公開敷地と一体となったコリドーがあります。
公開敷地の様子です。工作機械メーカーらしく、大きな搬入口がありました。
南西側から見た様子です。
西側から見た様子です。
建物が竣工したDMG森精機 奈良商品開発センター。完成予想パースよりも遙かにカッコイビルが完成して感動しました。JR奈良駅周辺には、まだまだ低利用な場所が多いので、この様なオフィスビルがもっと出来る事を期待したいですね。
2022年2月の様子
現地の様子です。前回の撮影が2021年8月だったので、約6ヶ月振りの取材です。
久しぶりに取材してみるとビルの外観はほぼ完成状態になっていて驚きました!
頂部付近にはDMG MIRIのロゴマークが取り付けられました。
メインエントランス付近のデザインが目を引きます。
メインエントランス付近を横から見るとこんな感じです。
近くで見上げた様子です。巨大な『木の箱』が持ち上がった様な大胆な構造をしています。
足下周りの様子です。取材時には外構工事が行われていました。
南側壁面の様子です。外観デザインは隈研吾氏らしく木質感のあるルーバーがランダムに配置されています。
アップで見るとこんな感じです。
南西側から見た様子です。
最後は北西から見た様子です。
2021年8月の様子
現地の様子です。前回の撮影が2021年5月だったので、約3ヶ月年振りの取材です。
北西側から見た様子です。鉄骨建方が進み、既に計画上の最高部に到達していました!
南側から見た様子です。奈良にしてはかなりの規模のオフィスビルである事が解ります。
開いていたゲートから見た内部の様子です。ビルの南東角に設けられるアトリウム空間が見て取れます。
南西側から見た様子です。
最後は北西側から見た様子です。
2021年5月の様子
現地の様子です。前回の撮影が2020年6月だったので、約1年振りの取材です。
北西側から見た様子です。久しぶりに現地を訪れてみると鉄骨建方が進んでおり、躯体が上に向かって伸び始めていました!
南側から見た様子です。これといったオフィスビルが無いJR奈良駅前では圧倒的な規模のオフィスビルとなります。
南東側から見た様子です。このあたりにメインエントランスとピロティが設けられます。
最後は北東側から見た様子です。
2020年6月の様子
現地の様子です。写真右奥の赤色の三角コーンの所までが奈良商品開発センタの計画地です。
東側から見た様子です。赤色の三角コーンの左側が計画地です。
南西側から見た様子です。
北西側から見た様子です。
JR奈良駅との距離感はこんな感じです。50mも離れていません。
最後はJR奈良駅前の様子です。写真左のスーパーホテルの後ろ側に奈良商品開発センターが建設されます。
奈良は世界級の大都市圏である京阪神圏の主要都市の一つで、災害も少なく、高学歴人材も多く、圧倒的な歴史文化もあり、土地は安く、地盤は硬い。本社を戻すのは当然の帰結でしょう。
ただ、企業の拠点としては滋賀にも遅れをとっている現状が。奈良は、さらに企業の事業所拠点の誘致を。
さらに、ゆくゆくは国家機関の半分ほどを奈良へ戻させないと。プレートの狭間で地震津波の多発地帯、おまけに活火山に囲まれてる関東に集中させては、日本はいつか必ず滅びる。そのことは1300年の歴史を誇る奈良は知っている。
名古屋に本社を移した時は関西衰退の証だ、と名古屋の人間がはしゃいでいたと記憶しているが、名古屋から出るとなると華麗にスルー。
ま、名古屋なんてその程度という話ではあるわけだが。
DMG森精機、奈良に本社 東京の拠点と2本社制
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFD225UL0S2A320C2000000/
名古屋の本社機能を奈良に戻すそうです。
ビルの外壁に使用されるのは木目柄のアルミ材でしたか。てっきり難燃性木材かと思ってまました(^_^;)
数年前まではJR奈良駅の東西両側共に空き地が目立ちましたが、次第にビルが建ち密度が上がりましたね。このビルも隈研吾氏のデザインも良い感じです。
まさかの関西を出ての名古屋移転で驚きましたが奈良を重視してることは嬉しいですね