南海30000系電車は、1983年(昭和58年)に製造された特急形電車です。高野線の山岳線区直通特急「こうや」に使用していた20000系を置き換える目的で4両編成2本(8両)が製造されました。
南海高野線の橋本駅から極楽橋駅までの19.8kmは標高差が443mもある山岳路線で、制限速度33km/h、50‰の急勾配、半径100m以下の急カーブが連続します。南海30000系電車は普通鋼製車体で、この山岳線区に対応するため、車体長は短い17mとなっています。
30000系(写真右)の前面は「く」の字形に傾斜させた非貫通型で、前面展望を良くするため大型大形曲面ガラスと小形曲面ガラスの組み合わせとなっています。
31000系(写真左)と30000系(写真右)の並びです。
側面行き先表示機は幕式。
乗降ドアーの様子です。ドアは各車両に1か所ずつ折り戸が配置されています。
車両端の貫通扉の様子です。ブラウンのガラス扉はレトロな喫茶店を彷彿とさせますね。
車両妻面の様子です。天井付近に三色LEDの車内情報案内装置。フリーWi-Fiも設置されていました。
車内の様子です。座席は2+2配置のフリーストップ式リクライニングシートでシートピッチは1,000mm。自動回転機構付きす。
背面から見るとこんな感じです。一昔前の特急車の標準的な車内設備と言えます。
この車両はかなり古い車両なのですが、ぱっと見た感じ華やかな印象を受けます。
秘密はこのヘッドレストカバー。鮮やかな赤色に天界をイメージさせる金色の流れ雲をあしらったヘッドレストカバーが車内の印象を一変させています。
シートを真横から見た様子です。シートピッチは1,000mmなので比較的狭いのですが、前のシートの下が空いているので、それほど窮屈さを感じませんでした。
シート背面のテーブルはこんな感じ。
背面ネットも標準的な物でした。
アームレストの様子です。合皮が貼られており中々良い感じでした。小さな変更点ですが、肌に触れる部分なので効果は抜群。
天井付近の様子です。南海名物の光天井は健在でした。
荷物棚の様子です。読書灯はありませんが荷物だなの下に照明があり座席の照度は十分です。
側面窓際の様子です。ジュース類を置くことは出来ません。
南海30000系は製造から今年で39年目に入りますが、置き換え計画も聞こえてこないので、まだまだ活躍が続きそうです。車内設備はまだ快適ですが、もう少しするとさらなるリニューアルが必要になってくると思います。