シンガポールにある2つのIR(統合方リゾート)の拡張計画が進んでいます!
シンガポール都市再開発庁(URA)は、マリーナベイ・サンズ(MBS)の隣接地に新棟を設置する拡張計画を承認しましました。新棟は、客室数587室のホテルと、総床面積12,185㎡の小売りスペースなどで構成された超高層複合タワーとなります。
MBSは2019年4月に新棟の建設を発表し、ホテルについては約1,000室と発表しましたが、新型コロナ禍により工事を延期。その後、同社は2023年3月にシンガポール観光庁(STB)と、拡張工事の開始期限を2024年4月8日、工事完成の期限を2028年4月8日とすることで合意していました。
もう1つのIR、リゾート・ワールド・セントーサ(RWS)についても、URAは2023年第3四半期に拡張工事を承認しています。ユニバーサル・スタジオ・シンガポールにスーパー・ニンテンドー・ワールドや大型の海洋博物館(シンガポール・オーシャナリウム)を建設。客室数700室のホテルと総床面積21,243㎡の小売りスペースを新設する計画が進んでいます。
2つのIRの拡張計画の投資額は100億シンガポールドル(約1兆1600億円)に達しますが、MBSとWRSがそろって拡張計画を進める背景にには、シンガポール政府の「したたかな戦略」があります。
同政府は、2つのIRの独占保証期間を2030年末まで延長する条件として、これらの拡張工事を条件としました。独占保証期間中は、MBSとRWS以外の新規カジノ事業者の参入は認められず、IRオペレーターは安定的な経営が保証されます。シンガポールの2つのIRは1兆円を超える追加投資によりさらに魅力的な施設にブラッシュアップされる事になります。カジノ免許の独占的な期間を餌に、IRオペレーターの投資を引き出しつつ、アジア最強のライバルになるであろう「大阪IR」に対抗する目論見が透けて見えます。
シンガポール政府は、最大のライバルと目される大阪IRの開業を見据えて、冷静に確実に対策を打ってきています。競争に打ち勝ち、ライバル都市の先を行くには、適切なタイミングで思い切った投資を続ける事が、なによりも大切だと理解しているからです。
また、このクレバーなシンガポール政府に一目置かれている大阪IRのポテンシャルは我々が感がている以上にあるのかもしれません。また、日本(大阪など)には、それだけのポテンシャルを生み出せる市場や環境を有している、という事になります。
インバウンドが沸騰する大阪では、その玄関口である関西国際空港に対する投資が不可欠です。特に現時点でキャパシティを超える旅客で激しい混雑に見舞われている旅客ターミナルの増強は喫緊の課題です。
関西空港は24時間オープンの海上空港で運用時間の制限が無く、2期空港島には十分な拡張余地があり用地買収にかかる時間も不要です。予算さえ確保できれば事業着手可能です。ターミナル整備には5年10年の時間がかかるので、IRの開業時期を見据えると投資するタイミングは今しかありません。
東京や大阪、といった視点ではなく、日本国が効率的に外貨を獲得するには、成長が見込め、かつ市場規模が大きいインバウンドの取り込みが必要で、既に拡張用地がある関西空港の旅客ターミナル整備はマストといえます。
日本は、自身が持つ強み、弱みを把握できておらず、さらに適切なタイミングで思い切った投資をせずにチャンスを逃しつづけています。港湾、空港、観光、バイオテクノロジーなどに対するシンガポールの動きを見ると、まだまだ日本がやれる事はあるな、と感じます。
その中で、大阪早い段階からIR(統合型リゾート)の可能性に着目し誘致を進め、現時点で国内唯一のIR整備計画が進んでいます。大阪は、これからもファーストペンギンとしてリスクをとって突き進み、先行者がえられる成功の果実を手にしてほしいと思いました。
どう考えてもシンガポールに太刀打ちできるとは思えませんが…
優秀な地方を作るには実は優秀な中央が必要です。
何故なら国家の歩夢べき道を決められ、それに必要な法令や環境を整備出来るのは中央政府であり、地方政府、大阪ならば大阪府庁や大阪市役所、海外風に書くならば大阪府政府、大阪市政府は東京にある日本国政府が定めたこと以上の事は出来ません。
しかしながら、残念ながら日本国政府は極めて怠惰であり、それでありながら傲慢であり、臆病でもあり、何か新しい事を地方でやろうとすると、それが大阪であれば極めて非協力的です。
昭和45年(1970年)の前の大阪万博の時ですらそうでしたから。
まともな中央政府ならば関空の新ターミナルはとっくに着工され完成していてもおかしくはないのですが。
相変わらずの羽田成田連合の一本足打法。
見る目がありませんな、日本国中央政府には。