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(仮称)帝国ホテル京都 祇園 弥栄会館改修工事の状況 23.07【2026年春オープン予定】


帝国ホテルは2021年512日付けのニュースリリースで、かねてより検討していた京都・祇園甲部歌舞練場敷地内の弥栄会館の一部を保存活用した新規ホテル計画の実施を決定したと発表しました!帝国ホテルにの新規出店は1996年の帝国ホテル大阪のオープン以来30年ぶりで、東京、上高地、大阪に次いで4軒目となります。開業は2026年春を予定しています。

「弥栄会館」は洋式ながら銅板瓦屋根など和風の意匠を取り入れた建築物で地上5階建て。1936年に完成した築80年を超える国の登録有形文化財に指定されています。周辺は寺社仏閣やお茶屋が集まり、観光客でにぎわう祇園の花見小路通沿いです。ホテルの客室数は約60室、宿泊代は既存の帝国ホテルより高くし、1室1泊10万円台の市内の外資高級ホテルを見すえた五つ星級のグレードにする計画。投資額は110億円を予定しています。

【出展元】
「弥栄会館」を活用した新規ホテル計画の検討および協議開始に関わる基本合意書を締結 (2019年10月09日・PDF429.7 KB)
京都における新規ホテル計画の実施を決定

※2021.5.12 ニュースリリースで京都進出が正式決定、2026年春の開業が明らかになったので記事をアップデートしました。

 

【2020年開業目処】帝国ホテルが京都・祇園に進出!弥栄会館をリノベーションしホテルとして活用



 

制限を緩和し弥栄会館と同じ高さ31.5mの計画への特例許可を取得



弥栄会館を所有するのは、芸舞妓の教育機関を運営する学校法人「八坂女紅場(にょこうば)学園」。改修費は帝国側が負担し賃借して運営します。帝国ホテルと八坂女紅場学園は2019年10月、ホテルの開業計画について基本合意を締結していました。

計画地は、京都市都市計画における祇園町南歴史的景観保全修景地区ならびに12m高度地区に指定されており、歴史的なまちなみ景観の形成とそれに調和する建物高さの規制が設けられています。計画は、京都市美観風致審議会および景観審査会での専門家による公開の審議を経て、地域の景観への配慮や計画の意義が評価され、景観法の認定および現在の弥栄会館と同じ高さ(31.5m)の計画への特例許可を取得しました。このことにより、地域に親しまれた弥栄会館の姿を未来に残しながらホテル計画を推進することが可能となりました。

 



計画では、「本棟」、「北棟」(いずれも仮称)が建設されます。弥栄会館を継承する本棟は、屋根形状、外壁位置などのシルエットを守りつつ、景観上重要な正面(南西面)の部分は、既存躯体の保存や建材の再利用を行い、建物の文化的価値を可能な限り引き継ぐ計画となっています。改変していく北面についても、現代の技術や材料を用いながらも、既存の意匠と地域の景観に配慮した設計となります。北側の土地に建設する北棟は、お茶屋が建ち並ぶ通りの建物の連続性に配慮して設 計し、祇園の伝統的なまちなみや景観の形成に貢献します。

 

この計画のポイント

 

1:ホテル部分は弥栄会館(地上5階地下1階建て)がある部分を、地上7階地下2階建ての本棟に改修する
2:北側の空き地部分に地上2階地下1階建ての北棟を新築する
3:花見小路に面する同会館の南西側の壁面などは残し、城郭を思わせる会館の外観はおおむね引き継ぐ
4:客室は本棟3~7階と北棟1、2階に配置し計60室程度
5:館内には客室の他にレストラン、バー、ウェルネス施設(スパ、プール、フィットネスジム)を設置
6:投資額は約110億円
7:改修工事は2022年4月に着手し、2025年10月の完成、2026春の開業を予定

 

計画概要


計画名称 (仮称)弥栄会館計画
所在地 京都市東山区四条通大和王寺東入祇園町南側570番2 他
交通 JR「京都」駅より市バス206号「祇園」下車 徒歩5分、京阪電車「祇園四条」駅より徒歩5分、阪急電車「河原町」駅より徒歩10分
階数 地上7階・地下2階
高さ 31.5m
構造 SRC造 RC造 S造
杭・基礎
主用途 ホテル:客室(約60室)、レストラン、バー、
ウェルネス施設(スパ、プール、フィットネスジム)他
客室数 50室→約60室
敷地面積 3659.77㎡ ※ニュースリリースの数値は3,623.17㎡
建築面積 2153.33㎡
延床面積 10804.24㎡
容積対象面積 9989.62㎡
建築主 帝国ホテル
設計者 大林組
施工者 未定
着工 2021年06月→2022年4月(予定)
竣工 2025年10月(予定)2026年春開業(予定)
備考 東京、上高地、大阪に次ぐ4店目の帝国ホテルが京都に誕生。登録有形文化財「弥栄(やさか)会館」をホテルに改修。
 

 

完成予想パース


本棟 南西面外観(保存部分)


本棟 南西面は、弥栄会館の外壁と構造体の一部を保存し、従前より地域に親しまれてきた花見小路からの景観を引き継ぐ計画。

本棟 北面外観


本棟 北面は、デザインの特徴である建物のシルエットを守りながら、現代の意匠を織り込み、周囲と調和した、ホテルとしての新しい表情を作る計画。

北棟


本棟の北側に増築する北棟は、祇園町南歴史的景観保全修景地区の整備方針に則り、祇園の伝統的なまちなみ、景観の維持に寄与するものとして計画。

2023年7月の様子


現地の様子です。前回の撮影が2022年11月だったので、約8ヶ月振りの取材です。
南西側から見た様子です。既存建物全体が足場に囲まれています。
南側から見た様子です。
開口部をアップで見た様子です。躯体のほとんどが無くなっており、ファザード保存に近い状態だと思いました。
少し離れて見た様子です。
撮影ポイントを変えて、北東側から見た様子です。こちら側に新棟が建設され、既存建物と一体化されます。
アップで見た様子です。
少しアングルを変えてみた様子です。手前側では地下躯体の構築が行われていました。
こちらは北棟の様子です。
アップで見た様子です。鉄筋コンクリート造と木造のハイブリッド構造となっています。
最後は北棟を北東側から見た様子です。

2022年11月の様子


現地の様子です。前回の撮影が2022年7月だったので、約4ヶ月振りの取材です。
写真手前にある「門」の美装化が完了していました。


 


南西側から見た様子です。建物全体が足場に囲まれているので、内部の様子を伺い知る事は出来ません。



 



南側から見た様子です。
 


開口部をアップで見た様子です。

 
撮影ポイントを変えて北西側から見た様子です。 解体された箇所に新しい建物が新築されるので、実体的にはファザード保存に近い計画となっています。

 

 


アップでみた様子です。

 
 

こちらは北館の様子です。低層の町屋風の建物が新築されます。

 


最後は、北棟を北側から見た様子です。掘削工事が行われており、いよいよ工事が本格化してきました。

 

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4 COMMENTS

七味

3月頃に「解体キングダム」と言う番組で解体の様子を放送してましたが、
文化財とは思えない壊しっぷりですよね。

ぽり

現状地上5階地下1階ですが、6、7階に相当する部分は現状塔屋扱いの2層部分を居室に用途変更すると思われます。
南側正面のエレベーターホールと階段室部分に完成イメージに窓が開けられていますので、竪穴区画を撤去して客室にすると思います。正面6層部分の階段室には亀甲型の窓が在りますね、昔は上がれました。北側全面改築部分に機械室レスエレベーターを付けると高さは変わりません。3〜5階の劇場部分にも窓が開けられていますのでここも客室に変更。地下の旧食堂跡はプールとかでしょうか?
当初発表の70室→50室→60室と変わりましたが、用途を絞っているので、これぐらいかなと思います。

アリー my dear

登録有形文化財を活用した新たな「帝国ホテル」。
さぞや豪華絢爛さを誇るラグジュアリーホテルとなるでしょう♪

ぽり

祇園甲部歌舞練場との間にある朽ちた鉄骨大屋根は
失くすか、ガラス屋根にして全体が見える様にして欲しいですね。

劇場のため無窓が多く(一部はダミー)パズルの様な複雑なレイアウトになりそうです。
70室でも難しいですね。中央部は陸屋根なのでぶち破って、中庭を作れば客室が作り易そうですが文化財との兼ね合いをどうされるか興味深いです。
3~5Fの劇場部分は以前から建築基準法、消防法そして耐震強度不足のため使用禁止され、観劇や展示は1Fホールを改修したギオンコーナーなど一部での営業でした。 正面の凸部分はEVと階段ですが、高島屋東別館の様に撤去もあり得ますね。

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