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竣工した『名古屋造形大学新キャンパス』の最新状況 22.07【2022年04月移転済】


名古屋造形大学は、現在の小牧市から名城公園付近に移転することを、2018年12月6日に正式に発表し、2022年4月に名古屋市北区名城2丁目4番1の新キャンパスに移転しました!新キャンパスは名古屋市・名城2丁目で、地下鉄名城公園駅のほぼ真上に位置しています。

名古屋造形大学は、かねてから都心回帰を模索してきましたが、今回の移転を契機に「都市美」を大学の芸術活動の中心理念にしたいと考えている様子です。都市に暮らす人たちとともに、その土地に愛着を持ち、美しく、住みやすい都市空間について探求し、名古屋の未来に貢献する新たな文化・芸術活動の拠点となることを目指しています。

【出展元】
名古屋造形大学
→大林組>地下鉄駅の真上に世界一美しい芸術作品をつくる

 


新キャンパスの計画規模は、プレキャストプレストレストコンクリート(PCaPC)造、地上4階、地下1階建て、延べ21、000㎡。1階の中央部に大屋根に覆われたアーケードのような大空間「アートストリート」を設ける他、市営地下鉄・名城公園駅の直上をまたぐような構造とする計画となっています。広いテラスがめぐり、学生たちの活動が外から見見える開かれた大学となります。また、高さを低く抑え、周辺環境に優しい建築を目指しています。

 

 



スタジオは大学の中心、創作の中心となります。5つの領域が互いに刺激し合いながら作品を作る場所で、作品を展示する空間でもあります。また、屋根に覆われたアートストリートは、ショップやレストラン・ギャラリーが並び、音楽コンサートが開かれます。多くの観光客が集まる、名古屋の新たなシンボルになります。アートストリートは吹き抜けになっており、この箇所の重量を軽くする事で、直下を通る地下鉄に対応する事ができます。

 

計画概要


計画名称 名古屋造形大学移転新築工事
所在地 愛知県名古屋市北区名城2-4-1ほか
交通
階数 地上4階、地下1階
高さ 83.31m
構造 鉄骨造、鉄筋コンクリート造
杭・基礎
主用途 文教施設(大学)
総戸数
敷地面積 20,136.26㎡
建築面積 10,500㎡
延床面積 21,000㎡
容積対象面積
建築主 学校法人同朋学園
設計者 山本理顕設計工場
施工者 大林組
着工 2020年05月01日(予定)
竣工 2022年01月31日(予定)
備考

 

2022年7月の様子


現地の様子です。前回の撮影が2021年8月だったので、約1年振りの取材です。

 

 


北西から見た様子です。建設工事が進められていた新キャンパスは2022年1月に竣工し、4月にキャンパスが移転ししました!

 

 

 


新キャンパスの建設地は、直下に名古屋市営地下鉄の名城公園駅がある為、杭が打てない制約があり、地上部分に荷重制限が課せられるなど制約のある敷地となっています。

このため新キャンパスは、4本の脚が地下鉄の駅をまたぎ、1104mの巨大な盤を支える特徴ある建物として計画されました。さらにこの脚は内と外をつなぐため、格子状の壁を採用することになりました。

 

 

 



また、名古屋造形大学新キャンパスの外観上の特徴が『格子壁』です。通常、地震に対する建物の水平力は耐震壁に負担させ、格子壁のような装飾壁には負担させません。ところが、4本脚の内側空間は、それぞれアリーナや図書館、ギャラリー、事務・ホールなどの施設になり、人目に付く所には耐震壁を使用しないという意匠設計上の制約があったため、本工事の耐震壁の配置では必要な水平力の75%しか負担できませんでした。

そこで、1ピース、格子23段、高さ11.5m、2m、最大重量9.4t複合穴あきPC版の格子壁、合計300ピースに、残り25%の水平力を負担させる構造設計が行われました。名古屋造形大学新キャンパスでは、300ピースを連結しており、ジョイント部分は約6,300ヵ所にもなりました。

 

 


さらに、格子壁は構造面だけでなく、完成時に最も美しく見える形状が求められました。格子の穴を形成する型枠のテーパー(勾配)角度もこだわっています。

テーパーは厚さ200mmに対して10%の角度、すなわち20mmが一般的ですが、意匠設計者が意図する美しさと施工の実現性を両立させるために、試行錯誤を重ね、角度を0mm10mm15mm20mmのパターンでモックアップを製作し、最終的に15mmに決定されました。

 

 

 


中央部に大屋根に覆われたアーケードのような大空間「アートストリート」の様子です。直下に地下鉄駅がある為、中央部分が軽くなる設計となっています。

 

 


設計上の制約を上手くデザインに取り入れて魅力な建物に仕上がっています。

 

 


建物の周りをグルリと見て行きます。こちらは南東側から見た様子です。

 

 

 


北東から見た様子です。

 


北西から見た様子です。青空、白いキャンパス、緑の芝生。完成予想パースからそのまま飛び出してきた様な端正な建物が目の前にありました。これは凄いです。

 


西側壁面の様子です。

 


最後は歩道橋から見た名古屋造形大学新キャンパスの様子です。

 

2021年8月の様子


南東側から見た様子です。鉄骨建方がかなり進んでいます。

 

 


最初に見た印象は「巨大なアリーナ」。大学のキャンパスには見えない形状だと思います。

 

 


北東側から見た様子です。

 

 

 


最後は北西側から見た様子です。(仮称)名古屋造形大学新キャンパスは、、内部のギャラリーなどに観光客の来場を見込むなど、外に開かれた大学を指向しており、作品の見せ方如何によっては、新たな集客施設になる可能性があります。

 

1 COMMENT

三刀流

大阪芸大も南河内の山の中から早く都心に戻ってきてほしいです。
音楽、舞台、美術、映像など芸術関係学部は都心にあってこそ輝きます。
都心の文化を高め、学生は都心の賑わいから刺激を受けます。
大阪市ほどの都市で中心部に芸大がないのは、致命的な欠陥だと思います。

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