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熊本空港アクセス鉄道は「肥後大津ルート」が妥当、県検討委判断、TSMC進出で再検討実施

 



熊本県が設置した有識者らの「空港アクセス検討委員会」は2022年11月9日に、第5回空港アクセス検討委員会を開催し、JR豊肥本線の熊本空港への分岐・延伸について、県が検討しているルート3案のうち肥後大津駅から分岐する「肥後大津ルート」が妥当とする結論をまとめました。

肥後大津ルートを妥当とした理由として3案の中で豊肥本線からの直通運行が可能で、阿蘇方面の観光振興が期待でき、概算事業費が410億円と最も低額の試算となり、B/Cについても、最も事業効果が高いためです。

【出展元】
第5回空港アクセス検討委員会資料

 



熊本空港アクセス鉄道については、これまでは三里木駅から分岐する「三里木ルート」を軸に検討していましたが、台湾の世界最大手半導体企業TSMCが、菊陽町進出することが決定し、設備投資額約9,800億円、雇用創出約1,700人のビッグプロジェクトが動き出した事により、TSMCが進出する、セミコンテクノパークへのアクセス向上の重要性が増した為、それらを踏まえ再検討が行われました。

肥後大津ルートは概算事業費約410億円で整備延長は約6.8km。高架構造を基本に空港の近くなど一部はトンネルとなります。環境影響評価(環境アセス)の手続きなどを含めた工事期間は8年で2034年度末の開業を想定。熊本駅からの所要時間は約44分(快速を設定すれば約39分)、1日当たりの利用者は約4900人。1を超えることが事業化の目安となる費用便益費(B/C)は30年間で1.03、50年間で1.21と試算し、開業後36年での黒字転換を見込んでいます。

 



委員会は今後の課題として、JR九州とのこれまで同意は三里木ルートを前提としたもので、肥後大津ルートを選定する場合のJRとの役割分担や費用負担についての協議が必要であり、JR九州と実務レベルの協議を急ぐとともに、トップレベルの協議に向けて調整を行う事、鉄道事業許可の基準とされている累積資金収支40年以内の黒字転換をクリアするため、国の財政支援(現行補助率18%)ののかさ上げの実現に向けた取り組み、三里木ルート以外を選定する場合の県民総合運動公園のアクセス改善策の検討を挙げました。

過去記事

熊本空港アクセス鉄道は最短距離の「Bルート」を基本に検討。延長約9km、総事業費435億円で開業は最短で2033年度末

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