福岡市は2022年11月30日に「天神二丁目南ブロック駅前東西街区」において、新天町商店街をはじめとした5者共働の、複数街区にまたがるプロジェクトの計画概要書を受理したことを発表しました!福岡パルコ本館・新館、新天町ビル、西鉄福岡駅ビル、新天町商店街を一体的に再開発し、商店街・商業施設を低層部に構える複合施設を開発する計画で、東⻄街区区域⾯積は約2.2haに及び、2030年度の開業を目指します。
「天神二丁目南ブロック駅前東西街区」は、福岡市が天神地区で推進している、アジアの拠点都市としての役割・機能を高め、新たな空間と雇用を創出することを目指すプロジェクト『天神ビッグバン』における新たなプロジェクトで計画概要書は、魅力あるデザイン性に優れたビルを福岡市が認定し、インセンティブを付与する制度「天神ビッグバンボーナス」の取得に向けて提出されました。
【出展元】→『天神二丁目南ブロック駅前東西街区』の計画概要公表について
老朽化したビルや商店街を集約して再開発
計画地は東西2街区に分かれており、東街区は約7,900m2、西街区は約5,900m2。東街区の建物の築年数は、パルコ本館・三井住友銀⾏が築約86年(1936年竣⼯/三井住友銀⾏部分は1956年竣⼯)、パルコ新館が築約46年(1976年竣⼯)、新天町ビルが築約54年(1968年竣⼯)、⻄鉄福岡駅ビルが築約61年(1961年竣⼯)、⻄街区は新天町商店街が築約56〜68年(1954年〜1966年竣⼯)となっています。
新天町商店街は福岡市都心で最大の繁華街である天神地区にあり、先の大戦後の昭和21年に創業しました。約8400㎡の敷地に地上3~5階の建物が並び、現在は地下も含めて約100店舗が営業していますが、施設の老朽化が進み、再開発に向けた検討が進んでいました。再開発を誘発している『天神ビッグバン』
天神ビッグバンボーナスとは、天神の魅力向上に資する一定の要件を満たす、魅力あるデザイン性に優れたビルとして認定し、それに応じてインセンティブを付与する再開発を促す制度です。
対象エリアは天神交差点から半径500mで、容積率の積み増しなどの規制緩和を活用して民間ビルの建替えを促進することで、天神地区に新たな空間と雇用を創出する計画です。国家戦略特区を活用した航空法高さ制限の特例承認をなど、様々な施策を組み合わせることで、耐震性が高く、感染症にも対応 した先進的なビルへの建替えを促進し、より国際競争力が高く、安全安心で環境にも配慮した魅力的なまちづくりに取り組むものです。天神ビッグバンボーナスを受けるには2026年内の竣工予定が条件となっていますが、新天町商店街のような複数区にまたがる場合には建て替え期限の延長も可能となっています。
5者が発表した将来構想のイメージによると、歩⾏者と⾃動⾞が交錯する交通環境を改善し、駅前の滞留及び賑わい・憩い空間不⾜を解消するため、現状細分化されている街区の再編を実施。敷地が⼀体化し⼤街区化されることで、⼤規模な敷地を活かした施設の導⼊や、⽼朽化した建物の耐震性の向上を図ります。広場や地上の貫通通路や地下通路、上空通路等の歩⾏者ネットワーク、駐⾞場共⽤⾞路の東⻄接続等について、東⻄街区が共働して整備を⾏うことで、複数街区にまたがる、段階的・連鎖的なプロジェクトを⽬指す方針です。
利用イメージは、低層階に商店街・商業施設を形成するほか、まちの緑化、「Fukuoka Art Next」の推進等によるまちづくりへの貢献など「新しい文化・芸術を感じられる複合施設」を目指すとしています。ビルの高さや事業費などは未定で、詳細計画は市と協議しながら詰めていく事になります。計画概要