大阪府・市は2023年1月25日に行われた「大阪MICE戦略検討会」で、国際会議や展示会などの「MICE」の誘致促進に向けた『大阪MICE誘致戦略(案)』を公表し、2月13日から府民意見等の募集を開始しました。この戦略案では、2032年までに府内での国際会議開催件数で世界10位以内を目指すとしており、3月までに成案をまとめる方針です。
MICEとは、Meeting(会議・研修・セミナー)、Incentivetour(報奨・招待旅行)、Convention またはConference(大会・学会・国際会議)、Exhibition(展示会)の頭文字をとった造語で、ビジネストラベルの一つの形態です。参加者が多いだけでなく、一般の観光旅行に比べ消費額が大きいことなどから、大きな経済波及効果が見込める他、都市格の向上に繋がる為、MICEの誘致に力を入れる国や地域が増加しています。【出展元】
→「大阪MICE誘致戦略(案)」に対する府民意見等の募集について
MICEを取り巻く環境
MICEの開催状況は、新型コロナウイルス感染症の影響により、2020年以降、国内外において中止や延期が相次ぎましたが、2022年以降、各国の入国制限の緩和等により実地開催が増加。ICTを活用したオンラインと実地開催を融合したハイブリッド開催も定着しました。
日本国内では、首都圏等において新たな施設設置や機能強化が進むほか、DMOによる助成等、様々なインセンティブを用意するなど取り組みが進んでいます。近隣諸国では、韓国やシンガポール等アジア地域で10万㎡を超 えるMICE施設が整備され、MICEの開催が増加するなど、グローバルな競争力を有するに至っています。
一方、大阪府によると、新型コロナウイルス禍前の2019年に府内で開催された国際会議の件数は「G20大阪サミット」等が開かれた2019年に過去最高の開催件数(300件)となったものの、都道府県比較では5位にとどまりました(東京都581件/1位)。また国際機関の集計では、同年の都市別開催件数は世界95位、アジア・オセアニアで22位の実績でした。
国際会議、展示会・イベントが誘致ターゲット
MICE需要の本格的な回復を見据え、大阪がグローバルなMICE誘致競争に打ち勝つために は、大阪の持つ強みや優位性を活かし、積極的な誘致活動を進めていくことが不可欠です。
『大阪MICE誘致戦略(案)』の取り組みの方向性として、1・「大阪・関西万博」「統合型リゾート(IR)」のインパクトを最大限に活用する、2・世界水準のMICE受入れ環境を整備する、3・大阪の新たなまちづくり(コミュニティ・ブランディング) をけん引する、事が示されました。
MICEの誘致効果を最大化するため、重点分野と誘致ターゲットとして、大阪が強みを有する5分野(「ライフサイエンス」「ものづくり」「環境・エネルギー」「国際金融都市」 「スポーツ・食文化・エンターテイメント」)を重点的取り組みます。
また、MICEのうち、経済波及効果が大きく、開催に伴う交流体験の機会や知的・人的ネットワークの創出、ビ ジネスチャンス等で特に期待される「C:国際会議」及び「E:展示会・イベント」を誘致ターゲットに定めました。
大阪が持つ「強みと弱み」
MICE開催地として大阪が世界から選択されるためには、万博や統合型リゾート(IR)の効果を活かし、付加価値の高い交流・体験の機会提供や大阪の都市魅力を活かした取組みなど、MICE主催者や国内外のユーザーを惹きつけるオンリーワンの取組みと情報発信が必要です。
幸いにして、大阪には優れたものづくりから最先端分野までの層の厚い産業と学術の集積や、文化・観光、地域のにぎわいがある豊かな都市的魅力があり、近隣には国際第一級の世界遺産を有する京都・奈良などの最高のアクティビティが提供できる環境にあります。
弱みとしては、ハード面の充実が喫緊の課題です。1985年に開業した「インテックス大阪」は、東京ビッグサイト(11.5万㎡)、幕張メッセ(7.2万㎡)に次ぐ国内3位の展示面積約7万㎡を有していますが老朽化が進んでおり、最新の施設に比べると使い勝手の面でかなり見劣りする状況です。また、韓国、タイ、シンガポールなどには10万㎡を超える大型施設も多く、大阪IRの開業時に新設予定のMICE会場も約6.8万㎡の規模で、海外の施設に比べると劣後しています。また、国内外に向けた情報発信・マーケティング の強化(都市プロモーション、国際的なネット ワーク等)が圧倒的に不足しており、MICE誘致・推進体制の強化が必要です。
大阪が持つ強み
1:先進国一国並の経済規模、国内外からの交通アクセスが充実
2:優れたものづくりから最先端分野までの層の厚い産業と学術の集積
3:国際イベント等に対応できるMICE施設と豊富な開催実績(地域のにぎわいづくり等)
4:大阪・関西万博の開催、統合型リゾート (IR) の開業等によるMICE需要の高まり
5:豊かな都市魅力(文化・観光、地域のにぎわい)
克服すべき課題
1:MICE施設の機能強化(老朽化対応、大規模会議対応、ICT環境整備等)
2:誘致のための支援制度の充実
3:国内外に向けた情報発信・マーケティング の強化(都市プロモーション、国際的なネット ワーク等)
4:MICE専門人材の確保・育成
5:MICE誘致・推進体制の強化
大阪MICE誘致戦略(案)の数値目標(KPI)
取組期間の10年を2つのステージ[第1期(2023~27年度)、第2期(2028~32年度)]に分け、それぞれ数 値目標(KPI)として、「国際会議ランキング」「経済波及効果」を設定。
第1期(2023~2027年度) 大阪・関西万博のインパクトを活用し、 世界中からMICE誘致をめざし、アジア・太洋州地域 トップ10(世界30位以内)を目標とします。第2期(2028~2032年度)は、万博のレガシー、IR開業を活用し、 MICE誘致をさらに加速させ、アジア・太洋州地域トップ5 (世界20位以内)を目標にします。
海外市場に直接情報発信する仕組みが欲しい!
『大阪MICE誘致戦略(案)』では、開催経費の補助制度の拡充や、会場とオンラインを組み合わせた「ハイブリッド開催」に対応するため通信設備を強化産学官連携でMICE誘致に取り組むタスクフォースを23年度中に設置することが盛り込まれました。
今後は、MICE誘致を増やす為に、大阪自身の魅力を磨き上げる必要があります。ナイトタイムエコノミーの拡充、都心部の修景(美装化)、大阪が立地する世界一級の文化遺産を有する近畿圏全体の魅力をプロモーションなど、開催としての魅力をPRする事、インテックス大阪の全面的な建替えによるキャパシティの拡大など、地道な取り組みが必要になります。また、大阪はブランド戦略と外向けのプロモーションが下手で、これまではコテコテやB級グルメなど「安物イメージ」を売りにしてきましたが、MICE誘致や海外富裕層を取り込む為には真逆の戦術・戦略が必要になります。
ステレオタイプのイメージに染まりきった国内メディアや広告代理店に丸投げしても、これまでの延長線上のプロモーションしかできません。本気でイメージ戦略を行い成果を上げるには、ステレオタイプに染まっていない海外のインフルエンサーやメディアに向けた直接的なプロモーションが効果的だと考えています。
大阪府市には、真剣にSNS対策を行うプロモーション専門部署が必要ではないでしょうか。
YOUTUBEで『大大阪時代』で検索を。
日本文化揺籃の地にして日本文化の母なる大地・大阪としての誇りと近代的大都市として世界に冠たる大大阪としての自信に満ち溢れた素晴らしい観光プロモーションの映像が見つかります。
かつての大阪はこのような事が出来たのですな。
翻って今の吉本芸人なぞの大阪紹介とも呼べないような大阪自虐ネタなどは単に不勉強で無教養なのを隠すために大阪を卑下しているだけでそれで笑いが取れていると勘違いしている。実際は不勉強で無教養なのを隠しているを見透かされて笑われているだけなのに。
そして多くの大阪府民もそれに慣れきってしまい何らの疑問を持たなくなっているのが大問題。それは維新の政治家においてすら。
いい加減、大阪を自ら卑下するのは止めましょうや。そんなもんに何の価値も有りはしない。
誇れるものは大いに誇り、他の大阪に対する誤った認識があればそれを正し、自らの直すべき間違いは素直に認め直していく。
それは本来、大阪が得意とし、また大阪発展の礎となった考えと行動の筈です。
【これまではコテコテやB級グルメなど「安物イメージ」を売りにしてきましたが】
ホントこれは以前からよく思っていませんでした。
TV見ても自虐ネタが多く、確かに面白いがそれを地でやってどうするの?
コンパクトでも都会であって歴史もあり人情味もあり、戦略的で自由な発想もある魅力的な関西を目指して欲しいですね。
中央集権で手かせ足かせがあり難しいとは思いますが。。