
阪急電鉄が計画している『阪急新大阪・なにわ筋連絡線』について新たな情報が入ってきました。産経新聞が阪急電鉄の上村正美専務取締役に対して行ったインタビューにより「なにわ筋線」の開業に合わせて、関西国際空港を直接結ぶ列車の運行を開始させる方針が改めて示されました。新線には阪急の新線は、関空に直接乗り入れるルートを整備し、インバウンド需要を取り込むとともに、兵庫県などに広がる同社の沿線の価値を高める狙いがあります。そして、今回のニュースのポイントは以下の8点です。
【出典元】
→産経新聞>阪急、2031年に関空直通へ 急行を乗り入れ
1:新大阪―関空間で1時間あたり6本ほどの急行を運行
2:急行を走らせる理由は十三から新大阪、なにわ筋線沿線の通勤客なども取り込むため
3:ルートは南海電気鉄道、JR西日本双方の路線への乗り入れを検討
4:阪急主要駅からの所要時間は以下の通り
・十三から関空までは約57分
・神戸三宮から関空までは約1時間20分
・京都河原町から関空 までは約1時間35分
5:新型車両は南海電鉄と共通の構造、メンテナンスは南海に依頼
6:阪急のシンボルである『マルーンカラー』にしたい
7:十三駅は現駅の地下に設置
8:新大阪駅も地下駅
1・2:1時間あたり6本ほどの急行を運行

急行を走らせる理由は十三から新大阪・なにわ筋線沿線への通勤客などを取り込むためです。阪急各線から新大阪へのアクセスは近くて遠い状況ですが、十三駅の直下から「新大阪連絡線」を整備する事で、阪急沿線を国土幹線軸に接続する悲願が達成されます。
また、阪急は今後の人口減少のトレンドから関西国際空港の役割がますます大きくなると予想しているのではないでしょうか?インバウンド需要を取り込み、その恩恵を阪急沿線に波及させるために「なにわ筋線への接続は必要」だと判断したと思われます。6本/時は十三〜新大阪間のフリークエンシーの最低ラインを確保するためと思われます。速達客はJRと南海に任せてる方針である事も解りました。
3・4:ルートは南海電気鉄道、JR西日本双方の路線への乗り入れを検討

これは意外でした。僕はJRが金城湯池であるJR新大阪駅への南海の乗り入れに難色を示していると推測し、阪急新大阪連絡線をなにわ筋と同時開業させ、南海は阪急新大阪駅発着になると予想していました。今回の発表で阪急がJR・南海双方に乗り入れを検討しているとなると、この仮説は怪しくなります。阪急は毎時6本の急行をJR3、南海3に振り分けるのでしょうか?JR、南海、阪急がどの様な割り振りで何本の列車を運行するのか?ちょっと予想がつかず混沌としてきました。
仮に以下の列車を全て運行すると、なにわ筋は毎時18本もの列車が運行される事になります。流石に多すぎるので関空快速と関空急行は役割が重複する為、一部を阪急急行に置き換えるのかもしれません。
JR: はるか2 関空快速4
南海:ラピート2 関空急行4
阪急:急行6
5・6:新型車両は南海電鉄と共通の構造、メンテナンスは南海に依頼、『マルーンカラー』にしたい

これは予想通りです。順当に考えると南海8300系、またはその後継車種の阪急バージョンを開発する事になりそうです。カラーリングはマルーン色のラインカラーにとどまるのか、それとも全体的なラッピングになるのかは気になる所ですね。
7・8:十三駅は現駅の地下に設置、新大阪駅も地下駅

十三地下駅は予想通りです。なにわ筋線はJR・南海規格の狭軌、阪急は標準軌で線路幅が異なる為、阪急各線からの乗り入れは不可能なので、十三駅直下に地下駅を設け上下移動で乗り換え連絡となります。新大阪駅が地下駅で整備されるのは驚きました。細長い敷地に新駅ビルが建設される事は確実でしょう。
まとめ

今回のニュースでは新情報が沢山でてきました。特に、JR・南海に急行を乗り入れさせる、新大阪駅を地下駅で整備する、この2つは予想外でした。各社のなにわ筋線への乗り入れがどの程度になるのか?が気になります。阪急の6本は10分サイクル、JRと南海は15分サイクルというダイヤ構造の違いをどうするのか?疑問点が山積しています。謎が多いので続報が待ち遠しいですね。

