国土交通省は2020年9月11日に、2021年7月からの広島空港の運営の民間委託に向け、審査委員会において応募者の第二次審査を行い、三井不動産を代表企業とする「MTHSコンソーシアムを「広島空港特定運営事業等」の先交渉権者として選定したと発表した。それを受け、「MTHSコンソーシアム」は、2020年11月16日に国(国土交通省)と基本協定書を締結したと発表しました。
この事業は、安全・安心な空港運営を行うことを最優先に、中四国の中心に位置する広島空港の地理的優位性や、瀬戸内・山陰をはじめとした豊富な観光資源を活かし、内外交流人口拡大等による広島空港および周辺地域の活性化を推進することにより、中四国の地域経済の活性化に貢献する事を目的としています。
今後は、来春に予定しているビル施設等事業等の開始及び2021年7月1日に予定されている空港運営事業の開始に向け、締結した基本協定書に基づき、SPCの設立や実施契約締結の準備が進められます。【出展元】
→広島空港特定運営事業等の優先交渉権者選定に係る客観的評価結果等の公表について
事業内容:
・公共施設等の管理者等 : 国土交通大臣
・公共施設等の所在地 : 広島県三原市本郷町
・事業期間 : 30年間(不可抗力等による延長含め最長35年間)
・事業の範囲 : 空港運営事業、ターミナルビル事業、駐車場事業 等
事業主体:コンソーシアム構成企業が出資して設立する特別目的会社(SPC)
コンソーシアム名称:MTHSコンソーシアム
★コンソーシアム構成企業
三井不動産、東急、広島銀行、ひろぎんキャピタルパートナーズ、広島電鉄株、九州電力、中国電力、中電工、エネルギア・コミュニケーションズ、マツダ、福山通運、広島マツダ、広島ガス、住友商事、東急建設、株東急コミュニティー(計16社)
中四国の持続的成長を牽引し続ける圧倒的No.1ゲートウェイを将来ビジョンに掲げ、30年後に路線数を30路線(国内8路線、国際22路線)に、年間旅客数を586万人 (国内350万人、国際236万人)まで成長させます。
将来ビジョンの達成に向けて、中四国で唯一無二の航空ネットワークの構築を掲げ、LCCの拠点化による低廉な路線の拡充 、地方路線の拡充 国内線 、アジア主要路線のデイリー化、東アジアの地方都市や、東南・南アジア路線の誘致を図り、空港ネットワークの拡充を図ります。
中四国全域の交通ネットワーク
広島市内方面バスの大幅増便 、東広島駅へのバス路線新設による新幹線への接続強化、直行バス路線の拡充(9路線⇒17路線)、その他の交通モードの多様化(7モード新規追加)。中四国の広範な交通事業者(鉄道・バス・船舶等)との 連携強化によるシームレスな移動の実現。多様な交通モードの整備により、現在よりも広域からの集客を行い広島空港を中四国エリアの玄関口として機能させる事を目標としています。
内際ファストトラベルの推進
2階 保安検査
内際旅客動線と商業エリアの刷新、内際の保安検査場の拡張 、スマートセキュリティの導入による搭乗手続き時間の改善、デジタル技術やWebを活用した 利便性・満足度向上。将来の旅客数増加を見越して、保安検査場のスマート化が行われます。
内際旅客動線と商業エリアの刷新
2階 制限エリア
需要拡大に合わせ、段階的に増築、搭乗直前まで快適な時間を過ごせ るよう、制限エリアの店舗を拡充 、 “地域”を訴求するショーケース化、免税店の充実・ウォークスルー化。伊丹空港のリニューアルで見られた様な旅客導線上に商業施設を配置して利便性と客数アップの両立をはかるリニューアルが計画されています。交通機能の強化
1階 バス待合スペース
駐車場容量の増強と多様な利用者 のニーズに応える駐車場料金体、国内線・国際線到着エリアの一体 化、バス待合スペースの屋内化、レンタカーステーションの新設。交通モードの整備に合わせて待合場もスマート化が図られます。
元々増築しやすいようにスペースが確保されているのでハード的な拡充はおこないやすいでしょうが、問題は広島空港の壊滅的な立地条件を克服できるかどうかにかかっているでしょうね。
一番利用者が見込めるはずの広島市から離れていて、広島市の一部地域は岩国空港に行った方が近い状態になっていますし、何より東京くらいの距離なら新幹線でも行ける距離なので、広島空港利用者を呼び込むのは容易ではないでしょうね。
逆にいえばこうしたハンディがある状態で民間委託が成功した場合、他の地域でもこうした政策を加速させるきっかけになると思うので、今後の開発に期待したいですね。