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世界初の量産型ハイブリッドカーを発売したトヨタのその次のチャレンジ、それは水素で作った電気で走る燃料電池自動車の一般向け発売です。トヨタのMIRAI(ミライ)は、世界初の量産FCVで、車内のタンクに積んだ水素と空気中の酸素を化学的に結合させて発電する装置「水素発電機」の力で走ります。その為、走行時に地球温暖化の原因となるCO2を排出せず、走行中に大気を汚染することが無い、究極のエコカーとも言えるクルマです。まさにイノベーション!
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市販が始まったとは聞いていましたが、ショールームに展示されているミライは実にあっけない感じでした。何というか、確かに未来チックなデザインなのですが、いきなり普通のクルマに見えてしまいました。実はこの「普通のクルマ」に見える事が、内包する先端技術から考えると、物凄い事なのかもしれません。
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テール付近の様子です。一般市販車としては斬新なデザインです。
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フロントグリルには巨大なエアインテークが配置されています。大量の空気を吸い込んで水素と化学反応を起こさせる為の機能美といった所でしょうか?
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MIRAIの一回あたり水素充填時間は3分程度で、一充填走行距離(参考値)は約650kmとなっています。航続距離は本当に実用的な値となっており、使い勝手はガソリン車と変わりません。
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トヨタがプリウスにつづいて世界に送り出した、本格的な量産燃料電池車「MIRAI」。最大の課題は水素を補充する「水素ステーション」などインフラ整備です。水素ステーションを1箇所建設するのには数億円のコストがかかるそうで、水素を安定的に輸送するシステムの構築など、インフラが整うまでは相当な時間がかかりそうです。
トヨタも当然それを解りきった上でMIRAIの販売を開始しました。プリウスの時と同じく、粘り強く研究開発を続ける事で、結果的にイノベーションを起こし、その分社で圧倒的な先行者利益を得る戦略ですね。数兆円単位の営業利益を叩き出すトヨタだから出来る事なのでしょうか。。それに、燃料電池車が数百万台走り回る世の中になった時、空気と水素の化学反応で発生する「水」が社会問題になるかも!?そんな事を思いながら、未来のクルマ「MIRAI」を眺めていました。