
近鉄シリーズ21は、2000年3月から奈良線、京都線を皮切りに近鉄各線に投入された通勤車両で「人にやさしい・地球にやさしい」をキーワードに、バリアフリー、環境問題、資源問題に配慮した、近鉄の21世紀のスタンダード車両を目指した車両です。2001年に鉄道友の会ローレル賞を受賞しました。

レポート2回目の今回は「内装編」です。シリーズ21は、高齢化社会への対応として、乗客が座席から立ち上がる際に補助となる両肘掛け付シート「らくらくコーナー」を扉付近の座席に設置。一人ずつの座席を確保できるようにバスケット型シートを採用し、座席幅も485mmに拡大されました。

最近の標準的な装備である大型袖仕切りは未設置で、かわりに大型の仕切りポールが設置されています。

セミバケットシートはドア間で6人がけ。座り心地はかなり固く良い方ではありません。両端が「らくらくコーナー」となっています。

らくらくコーナーのアップです。このポジションは結構快適なので気に入っています。

優先座席付近の様子です。優先座席のモケット色は一般席と同じで、シートとバックシートの間がオレンジ色になっています。つり革のも一般と同じですね。

車両妻面の様子です。連結部のガラス窓が省略されており、ノッペリした印象です。

こちらはシリーズ21のL/Cカーの内装です。まずはクロスシート・モードの様子です。以前ご紹介した近鉄5800系電車(L/Cカー)と同様のシートが並んでいます。

5800系 L/Cカーのロングシート状態の車内の様子です。

ロングシート・モードを正面からみた様子です。ドア間6人がけで、ヘッドレスト、アームレスト付きのゴージャスなロングシートです。

優先席の様子です。腰部分に黄色のアクセントラインが配されています。

シリーズ21は前期型と後期型で天井付近のデザインが大きく異なっています。こちらは前期型の様子です。蛍光灯グローブが装備されている他、グローブ部分を含め天井全体にスリットが入っており、冷房機器が目立たない様に天井全体がゆるい「R」を描くなど、他に類を見ない凝ったデザインが採用されています。

しかし。韓国の地下鉄で発生した地下鉄火災を見て、日本国内の鉄道車両の難燃性基準が見直され、いままで蛍光灯グローブに使用されていた樹脂素材の新規採用が不可になりました。その為、後期型からは蛍光灯グローブや天井全体を飾っていたスリットが省略されてしまいました。中央の空調の部分の「R」に前期型の面影を見る事が出来ます。








