Appleは、京都の四条通り沿いに、大型の旗艦店「Apple 京都」を2018年8月25日にオープンさせました。同社は、かねてから世界的な観光地であり、人口の約10%を大学生が占める「学都・「京都」への出店を希望していました。また、京都には京セラ、日本電産、村田製作所、オムロン、任天堂、GSユアサ、島津製作所、ロームなどの世界的な大企業が集積しています。世界中から人々が集い、有力な企業・大学が集積している「京都」はApple Storeの立地としては理想的です。
オープンした8月26日は大変な行列が出来たApple京都。今回は開店後1ヶ月以上が経過し平常運転になった同店の様子をご紹介します。
※記事内の店内写真はストアスタッフの方に撮影許可を頂いて撮影しました。
Apple京都が入居する、京都ゼロゲートは、京都四条通の大丸東隣に建設された商業ビルです。ZERO GATE(ゼロゲート)はパルコが展開する業態の名称で、PARCOが培った豊富な店舗開発ノウハウやテナントとの幅広いネットワークを活かし、不動産オーナーとテナントオーナーの双方に満足される開発を行っています。ゼロゲート事業は、主に都心部一等地の中低層商業施設という特性を持ちながら、物件の条件に応じてフレキシブルな開発展開を推進しています。
京都ゼロゲートの外装は、日本の伝統的な「障子」をモチーフに 大判セラミックプリントガラスを用いた外装デザインとなってます。Appleロゴが取り付けられた京都ゼロゲートは、まるですべてがAppleの様に見えますが、実際は1階〜3階がストア、B1が倉庫となっています。
1階の様子です。Apple京都の入居部分はほとんどがガラス張りで、店内の様子が丸見えです。
近くで見るとこんな感じです。
驚いたのが角の部分。ここは「R」を描いたガラスで仕上げられておりビックリしました。昨年から世界各地の直営に新たに導入された「タウンスクエア」のスタイルを取り入れており、内と外との境界線が希薄な店舗づくりとなっています。
正面入口の様子です。あまり知られていませんが、Apple Storeのエントランスにはバイタルセンサーが設置されており、来場者のIN-OUTを自動カウントしています。
店内の様子です。AppleStoreではおなじみの木製のテーブルが並んでいます。
素材は「オーク材」が使用されており、よりナチュラルな雰囲気となりました。写真は超軽量のMacBookです。サブ機として欲しい!
1階の奥に設置された6K解像度のビデオウォール。手前にはイスが数十脚置かれており、ここでワークショップが開催されます。また、Apple京都では、アートとデザイン、写真とビデオ、プログラミングなどインスピレーションを届ける「Today at Apple」の 無料プログラムが毎日開催されるとのこと。
吹き抜けの様子です。Apple京都の売り場は1階、2階の2フロア、3階は商談室となっており、一般客は入れません。
この写真には驚くべきアイテムが「2つ」写っています。1つは、Appleの本社にある「スティーブ・ジョブズシアター」と同じ材質で作られてたる階段にあります。
驚くべきアイテム、その1は、人工大理石を用いたこの階段の手すりです。手触り、掴んだ感触が気持ちいい!
恐ろしいのが階段部分です。なんと人工大理石をくり抜いて手すりが形作られています。一体いくらの費用と手間暇がかかっているのか。
2つ目の驚くべきアイテムは、2階フロアの手すり。なんと3枚のガラスを組み合わせた、本当の意味でのガラス手すりです。他のメタル素材は一切ありません。この透明度で、基準を満たす強度を出しています。目立たないポイントですが普通の商業施設ではまず不可能な仕様です。
2階の手すり。意識して見直してみると鳥肌モンです。
最後は2階フロアの様子です。障子をイメージした壁面、漆喰が塗られた壁面など見れば見るほどコダワリ抜いた内装でした。またApple心斎橋の様な「カウンター形式」のジーニアスバーはなく、お客さんとスタッフの境目が曖昧な「長テーブル」のジーニアスバー・コーナーがありました。どんなオペレーションになっているのか?さっぱり解りませんでした。
オープンしたApple京都を見た感想は、贅沢と曖昧。和のテイストを散りばめつつ、コストを度外視したとしか思えない贅沢な店舗内装は、同社のブランドイメージを高めるショーケースとして最高の器が出来たと思います。もう1つの曖昧は、店舗の内と外、スタッフと客の境界線があいまいで、良い意味で敷居が低い事。店舗デザインからも境界線の曖昧さを意識した造りを見て取る事ができました。
まだ外からしか見ていないので、写真から判断すると、ガラス手摺はagbか他2社ではないかと。
光天井 はa社のアートシェードっぽいですが、本国からの持ち込みかも知れませんね。どちらにしろ中身は太陽工業製ですけど。 私が気になったのは人工大理石の手摺ではなく、床の人研(テラゾ)です。
一般的な人研では優秀な職人でも今の技術では限られた職人しかおらず、一平米ほどで目地を入れますが、通常の限界を超えていますので、施工にかなりの時間を要していると思います。外壁の光源のLED色温度の色むらが肉眼では気付きませんでしたが、かなりありますね。
Ps. この場所は安田信託銀行(本店が今の京阪淀屋橋ビルにあった頃)の最初の支店として東京支店と共に開業しました。 建て替え前の建物は、10階程度迄増築可能なように対応されていましたが増築をするこよなく解体されました。隣のキリン堂が入居している建物は、白川観光の阪急会館というパチンコ屋として建てられたものです。