一部報道が伝える所によると、 政府はこれまで、東京での国際金融センターづくりを目指してきましたが、相次ぐ災害発生のリスクや新型コロナウイルス収束後の地域分散型社会を見据え、戦略を転換し、大阪と福岡に国際金融拠点を整備し外資金融機関の誘致強化に乗り出す方針を固めたとの事です。 アジアの金融では香港の存在感が大きかったですが、香港国家安全維持法の成立で人材や資本流出の可能性が高まっています。このタイミングでの政府の誘致強化は、企業や優秀な人材の受け皿となる狙いがあります。
政府、大阪と福岡に国際金融拠点 災害・コロナ対応で地域分散 | 2020/8/18 – 共同通信 https://t.co/ZfEhnsmrEX
— ロング@再都市化 (@saitoshika_west) August 18, 2020
巨大市場である中国の窓口で、公用語が英語かつ法人税率の低い香港に、これまで金融業者を含む外資系企業集中していました。しかし、このほど施行された香港国家安全維持法により、アジアの金融センターとしての魅力が低下しています。
コンサルティング会社Z/Yenの3月の最新調査によると、国際金融センターのランキングで香港は3位から6位に転落。シンガポールや東京の後塵を拝しています。既に香港から金融機関の人材や企業が流出する動きが出始めており、その受け皿になれれば、莫大な富を得る事ができます。
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今回のニュースは相次ぐ災害発生のリスクや新型コロナウイルス収束後の地域分散型社会を見据え『東京一極集中から、戦略を転換する事になった』という内容です。このまま、大阪と福岡に金融特区が設けられ、香港から流出する人材や企業の受け皿になれれば良いのですが、今まで散々かけ声倒れのニュースを聞かされ続けてきたので、鵜呑みにする事はできません。
肝は金融庁等が持つ「許認可権」。新しい金融商品やサービスを開発、販売するには、監督官庁の「許認可」が不可欠です。現在、金融機関やマスコミが東京に一極集中している最大の要因の1つは、官僚がもつ「新たな法整備の情報」「これから流行させる事柄」「制度設計に不可欠な許可、認可」をリアルタイムで情報収集し、随時対応する為です。許認可権は東京にのみ認められたれた特別な権利で、霞ヶ関1丁目1番地の重要な事項です。東京は昔から金融、マスコミ特区なのです。
大阪や福岡が東京の10分の1でも国際金融ハブの機能を担う為には、なんらかの規制緩和が不可欠になります。それは、権力の中枢の1丁目1番地に切り込む事を意味しています。
1990年代後半〜2000年代にかけて東京一極集中の是正を図る行政改革の一環として中央官庁の地方移転が計画されましたが、結果は関東圏内に「さいたま新都心」などを新たに建設整備して移転させる、地方分散とは真逆で東京圏に追加投資する 、といった骨抜きかつ焼け太りという最悪の結果でした。また、金融ビッグバンの一環として、各都市にあった都市銀行の統合が進められ、誕生した新銀行の本店は全て東京に移転しました。各地が持っていた資金調達機能は2000年頃に政府の大方針に基づき東京に集められました。資金調達機能が東京に集約された後の一極集中は恐ろしいものがありました。
繰り返しになりますが、大阪・福岡を金融ハブとして香港の受け皿となる為には、それ相応の権限が必要になります。このニュースが実態を持って具体化する時=権力の奪い合いになるので、血で血を洗う権力闘争の果てに、実現する事になります。現在の状況は、そこまでの覚悟を持った政治家や改革派の官僚が動いている様には見えませんので、淡い期待をもって成り行きを見守りたいと思います。
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やはり、政治の動きの裏には民間の動きもあったようです。SBIの北尾社長は兵庫出身。パソナの南部氏と同様、地元貢献の事例ですね。
税制、住環境、学校教育等課題だらけですが、民間が意欲を示しているのだから
行政は積極的な後押しをお願いしたい。
SBI、「大阪・神戸を国際金融都市に」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO63342410S0A900C2EE9000/
大阪府知事や大阪市長は、都構想ばっかり言っていないで、森ビルの爪の垢を煎じて飲んだらどうかな。
大阪市が消滅することで、大阪が国際金融拠点になるとはとても思えない。
アジアの金融拠点の大集積に一番力を入れている行政は東京都、民間企業は森ビル、国の比でない。特に森ビルは紀尾井町とかの広大な巨大再開発で、国際金融資本を誘致する為、緑に囲まれたゆったりした環境に最先端オフィス、日本最高額の超高級マンション、インターナショナルスクール、商業施設の複合施設をつくっている。
何十年かけた計画で森ビルの執念を感じる、羨ましい。
大阪には、こうした施設はないわな。
更に金融取引に精通した弁護士や公認会計士といった人材も必要。
国にも森ビル並みの執念を期待したいが。
最初の大阪の画像が反転してて、目がおかしくなりそうw
方針を固める(やるとは言っていない。)
先物取引すら全て大阪に移転出来なかったのに金融拠点なんて夢のまた夢でしょう。
アジアの金融拠点なんて東京ですら力不足感が否めない。大阪、福岡なんて無理ゲーですね笑
精々、東京がシンガポール、上海、深圳、ソウル等の拠点における支店扱いで大阪、福岡が東京が有事の際のバックアップ程度ではないでしょうか?
ラジヲでも言っていましたが、今直ぐにでも実行しなければいけない事なのに来年度予算とか遅すぎる、ポーズだけですね。シンガポールに持ってかれますね。
実現しないと思いますね。
もし実現するとしたら、東京が地震や富士山噴火等の災害で壊滅した後でしょう。
東京が壊滅するまで東京一極集中は止まらないと思います。
言葉、働き文化、給与レベル、法的制度。。。東京か、大阪・福岡かを議論する前に、外資金融機関や金融人材を誘致する壁が大きいかと思う
金融庁だけではありません。近い将来確実に起こると言われる首都直下型地震、富士山噴火などのリスクを抑えるため、首都・本社機能を移転し、過度の一極集中は早急に解体しなければなりません。関東大震災から東京が立ち直れたのは、大阪からの経済的、人的支援、被災者の受け入れがあったからです。そのおかげで、まだ江戸時代の街並みが残っていた東京は、近代的な大都市になることができました。しかし、今の大阪に東京の被災を支える経済力はありません。東京が壊滅したら日本はおしまいです。
なんか安易な方針、香港の移転先は東京すら無理で大半がシンガポールに移転といわれている。
日本の場合インターナショナルセンターだけでなく、ナショナルセンターも大半というより全部東京にある。
都市銀行の本部が東京に移転したのは地方の財務局では都市銀行を担当しなくなり、東京の金融庁、昔は大蔵省が担当したから。地方の財務局は地方銀行や信金他のみ担当、巧妙に東京に誘導した。
政府が方針を出しても今の大阪、福岡にニーズがあるとは思えない。
そんなことは分かったうえでの方針であくまでもポーズだけ。
大阪を金融拠点とするのなら、先物だけでなく、現物の市場を大阪に移すべきで、銀行や証券界会社の本社は東京で良いし、金融庁も東京で良いが、市場経済の本拠地を大阪にするというくらいでないと外資金融機関が東京と大阪に拠点を作ることはないわな。官庁は東京からは離れないのは戦後最強の安倍総理の地方移転失敗で自明となっている、まして最強の官庁財務省から分かれた金融庁が動かないと思える。
三刀流様のコメントに同意致します。小手先だけ進めたって中途半端になるだけなので
それこそ外資金融機関を東京から追い出して大阪、福岡に設置して大阪、福岡を
育てろと僕は声を大にして言いたいです。
政府が本気で考えているなら、まず金融庁を、大阪か福岡に移転するべきです。どうしても東京に残したいなら、同等の機関を大阪か福岡に新設するべきです。金融庁の地方行政は財務省の出先機関・財務局が担ってますが、財務局の職員は、東京だけを向いて仕事をしていることが森友学園の一連の動きでよく分かりました。地元のことなど何も考えてなく、すべて東京のいいなりです。そんな金融行政機関しかない大阪や福岡に、新たな金融機関が進出するはずがありません。関西連合は、独立した権限を持つ金融監督官庁を大阪に設置するよう運動すべきです。