報道各社が伝える所によると阪急阪神グループのエイチ・ツー・オーリテイリング(H2O)が関西地盤の食品スーパー、関西スーパーマーケットを買収する方針を固めたとの事です。H2O傘下のイズミヤなどスーパー2社と経営統合し、仕入れ調達などで規模のメリットを生かし、収益力を向上させる方針です。
H2Oが関西スーパーを子会社化。関東のオーケーが関西スーに買収提案、H2Oがホワイトナイト。
— ロング@再都市化 (@saitoshika_west) August 30, 2021
H2Oが進める百貨店とスーパーの2本柱「関西ドミナント化戦略」の方針に合致。ゆりかごから墓場まで、ではないが近畿圏でマインドシェア・マーケットシェアNo.1の同時実現により事業成長を目指す https://t.co/t3MtfNAM10
現在の構成と経営統合後の構成
エイチ・ツー・オーリテイリング(H2O)と関西スーパーマーケット(関西スーパー)は8月31日、経営統合すると発表しました。
現在、H2Oは関西スーパーの株式10.66%を保有し筆頭株主ですが、出資比率を58.00%まで高め、関西スーパーを子会社化し保有し傘下に収めます。関西スーパーは子会社化後も上場を維持する計画で、12月1日に新体制への移行を完了します。
さらに関西スーパーとイズミヤ・阪急オアシスが、それぞれ株式交換を実施し、関西スーパを株式交換完全親会社とする契約を締結します。これにより、H2Oの傘下に、中間持株会社を置き、3社がぶら下がる中間持株会社体制を構築します。
2021年3月期の売上高は、関西スーパー1289億円、イズミヤ1330億円、阪急オアシス1107億円だったので3社を合計すると3726億円規模となります。
【出展元】
→関西スーパーマーケットとの経営統合、同社とイズミヤ、阪急オアシスの株式交換、同社の中間持株会社体制への移行、子会社等の異動 pdf
ブルームバーグが伝える所よると、関西スーパーは6月、関東のディスカウントスーパー「オーケーストア」を展開するオーケーから買収提案を受けましたが、関西スーパーはこれを拒否。H2Oを友好的な買収者(ホワイトナイト)として同社傘下での成長を目指すとの判断に踏み切った様子です。関西ドミナント戦略を掲げるH20としても、関東資本のオーケーに攻め込まれてテリトリーを荒らされるよりは関西スーパーを傘下に収める方が得策、と判断しのではないでしょうか。
H20は、長期的視点から見た事業構想「GP(グランプリ)10(テン)計画」を策定し、取り組みを進めてきました。ビジネスモデルに「コミュニケーションリテイラー」を掲げ、サイバー空間とリアル店舗を融合し顧客とダイレクトに対話し、そこで得られたナレッジを元にサービスを提供しビジネス化するサイクルの実現を目指しています。
百貨店事業では、阪急・阪神百貨店の梅田本店の建替えを完了させ、阪急阪神両本店を軸とする強いブランド力を発揮。大阪都心部における百貨店シェアをさらに高め経営基盤を盤石にします。
次に食品事業の「第2の柱」として位置づけ、阪急 オアシス 、イズミヤ 、今回の関西スーパーを統合し、あわせて標準化、チェーンオペレーション運営力の再構築による生産性向上と収益力アップを目指します。
さらに、H2Oは百貨店とスーパーに二本柱に加え、サイバー to リアルをシームレスに繋げる事で、「富裕層」「スモールマス」「マス」のターゲットに対してアプローチを掛けて行く戦略を描いています。これはまだ道半ばで概念的なレベルを脱していませんが、何れ実を結ぶのではないでしょうか。【出展元】
→H20>中期経営計画 2021-2023年度
コロナ禍で百貨店事業が苦戦を強いられる中、巣ごもり需要で活況を呈しているスーパーマーケット事業の取り組みを強化する事が、即効性のある対応策であると言えます。ポストコロナの時期が訪れれば低迷している百貨店事業も息を吹き返し両輪が回り始める事でしょう。
H2Oは積極的なM&A攻勢で関西ドミナント戦略の深耕を図り、圧倒的地域一番店を目指しています。中途半端な全国展開を一時中断し、地元近畿圏での基盤を盤石ににして収益性を高め、ある程度の目処が付いた段階で再び全国展開、特に首都圏への攻勢を強めるのでは、と予想しています。
話を戻して、今回のH2Oの関西スーパー買収については、2021年8月31日に行われる関西スーパーの取締役会で詳細が明らかになりそうです。同社の発表に注目が集まりそうです。
今回のことでもっとも驚いたのは
H2Oと万代が提携していたということですね
2015年に万代と提携したセブンホールディングスとの関係は
どうなってるのてじょうか
イズミヤの売上 判明分で12年に3515億あったが、その後落ち続けなんと1330億とは絶句である。
三社とも近年は業績は良い方でなく、大阪地区では万代とライフが勝ち組、イオンのマックスバリューやコーヨー、エイチツーオーの統合三社は負け組である。
エイチツーオーはイズミヤを立て直すことができなかったのでいずれ万代の力を借りようとして業務提携を結んだのかと推測している。
いずれにしろ大阪資本の会社が関西一になるのは大歓迎である。