日本最大となる座席数2900席を提供するWeWork御堂筋フロンティア。開業準備が進められてきましたが、2019年6月3日ついに開業しました。場所は曽根崎新地1丁目の御堂筋沿い。長らく係争などで曰く付き物件として塩漬けにされていた20階建てのオフィスビル「御堂筋フロントタワー」をWeWork社が全フロア、1棟まるごとを借り上げて話題となりました。
そこにハマったのがWeWork。10年〜20年間といった長期契約が一般的なオフィスで短期間契約が可能で人員の増減にフレキシブルに対応できる為、WeWorkへの入居が増えているそうです。長期契約による安定収入という従来のビジネスモデルを根底から破壊する可能性があり、日本でも無視できない存在になるかもしれません。
近年は、旧態依然とした様々な業界にAIやブロックチェーン、IoTなどの新技術を駆使して市場を席巻する「テック企業」が出現しています。GAFA(Google、Amazon.com、Facebook、Apple Inc)が有名ですが、不動産業界にも『不動産テック企業』が現れています。不動産業界は領域が広いのでテック企業も各領域毎に群雄割拠しており、リィスティングサービス(Zillow)、デジタル仲介(COMPASS)、コワーキングスペース(WeWork)、マネージメントツール(VTS)、データビジネス(Costar)、マーケットプレイス(airbnb)、売買(Opendoor)などが有名です。
テック企業は、市場が巨大かつ旧態依然とした領域に対してITを駆使してイノベーションを起こしてきました。またテック企業は急激に大きくなるので、立地する都市もそれに併せて急成長する事が多いです。東南アジアやインドなどの急成長都市には巨大テック企業の存在があります。
総合不動産サービス会社『JLL』が発表した、現在最も成長している都市経済や不動産市場を分析した年次レポート、世界の都市活力ランキング「2019年版シティ モメンタム インデックス(Technology, Transparency and Transformation)」によると、上位20都市のうち、19都市をアジア太平洋地域の都市が占め、同地域の急速な市街化と経済成長の継続を反映しました。特にインドと中国の都市が四分の三を占め、ベトナム、フィリピン、タイも上位入りしています。
上位都市の多くがテクノロジーやイノベーション分野と強く結びついており、特にテクノロジー分野は不動産モメンタムと経済モメンタム両方の主な牽引役となっています。この分野が巨大テック企業のみならずスタートアップ企業の層の厚さが影響を及ぼしており、ベンガルール、ハイデラバード、ホーチミン、深セン、ナイロビなど、いずれもスタートアップ企業文化を醸成している都市が上位にランクインしました。
この様な状況を打破する為には、これからユニコーンに育つような企業を育成し定着させる事が必要です。大阪での定着を条件に資金供給を行う巨大ファンドを立ち上げて企業育成と誘致を行う事が出来れば最高です。外資系企業が必要とする要素は、資金調達、係争対応、物流、国際ネットワーク、ワークプレイス、優れた住環境、そして文化的なバックボーン。大阪はこれらをベストミックス出来る下地があります。これまで成長戦略が打ち出せずに長期凋落傾向が続いてきましたが、インバウンドにより、ようやく風向きが変わり、次世代に向けた投資を行う体力が出来ました。WeWorkが曰く付きのビルをい一棟まる借りして再生させた、そのパワーを見て、インバウンドの次の段階に上がる為に、テック企業の育成と誘致を戦略的に行って欲しいと思いました。








