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近鉄奈良線の西大寺ー奈良間を平城宮跡の外に移設!県と近鉄が議論を前に進める方向で合意



長年の懸案事項が解消に向けて動き始めました。NHKなどの報道機関が伝える所によると、世界遺産の奈良市の平城宮跡を横切っている近鉄奈良線について、奈良県は遺跡の外へ移設する方向で、奈良市や近鉄と合意したことをを明らかにしました。近鉄奈良線は国営公園の平城宮跡の真ん中を横切る形で線路が敷かれています。奈良県は、平城京跡付近の景観への影響を減らし、周辺の踏切で発生している渋滞を改善する為に、2017年から奈良市や近鉄と協議してきました。

 

 

 

 


筆者作成。移設ルート、新駅の場所は推測であり確定情報ではありません

奈良県が示した移設案は、平城宮跡の西側にある大和西大寺駅から近鉄奈良駅までの線路を平城宮跡の南側に移設し、「大宮通り」に沿うようにう回させます。大和西大寺駅の周辺は高架にし、平城宮跡の南側から先は地下化、近鉄奈良駅までの間に「(仮称)朱雀大路駅」「新大宮駅」「(仮称)油阪駅」3つの駅を設けるとしています。

 

 

 

 


乗り換えジャンクションとして有名な大和西大寺駅

一方、近鉄は「大和西大寺駅から東の迂回区間は行政側の負担とすることなどの前提条件のもとで、奈良県の案を基本に協議を進めることに合意しましたが具体的な計画は今後の協議となります。また途中駅の配置については全くの白紙でこれからの協議事項であると考えています」などとするコメントを出しました。今後、具体的な計画や負担の割合などについて協議することになります。今後は県が示した案をもとに、具体的な計画や事業費の負担割合などを協議することにしています。

 

 


新大宮駅近くにあるJWマリオットホテル奈良

数年前から検討されてきた近鉄奈良線の移設計画ですが、奈良県が提示した案を「たたき台」にして協議が始まる事になりました。移設区間をWebサービスで計測すると油阪交差点を起点に西大寺駅の東端まで約4kmほどでした。近年の公営地下鉄の建設比が大体ですが1km あたり150億〜300億円ほどかかっており、仮に1km辺り200億円と仮定すると、4kmで800億円の建設費がかかります。

 

 



近鉄側から見ると、新駅設置による阪奈間の速達性の低下や莫大な建設費を負担しても大幅な乗客増加が見込めないなど費用の割にメリットが少ないです。その為、計画は具体化まで紆余曲折が予想され、実現まではかなりの時間を要する事になると思います。

1 COMMENT

三刀流

大和西大寺駅は南北自由通路の建設中ですね。高架化工事にかかると、せっかくできた通路はどうなるのでしょう。
線路の平面交差ではよく似ている阪急淡路駅は工期が15年以上もかかる難工事を展開中です。大和西大寺駅はさらに車庫出入もあるのでもっと大変でしょうね。それと、セットですから平城宮外への線路移転が実現するのはかなり先になるのでしょうね。

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