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JLLが大阪マーケットレポート2020年冬を発表、コロナ禍の中で前年比微減、 前期比では大幅増と堅調に推移


出展:JLL 日本リサーチ

JLL 日本リサーチは、2020年第3四半期の大阪 オフィスマーケット&キャピタルフローを発表しました。最新のプロパティクロックを見ると、大阪は賃料の上昇局面が終わり下落が加速する局面に入りました。プロパティクロックとは世界の主要都市の賃料の上昇→下落→上昇のサイクルを時計に擬して表したものです。いち早くコロナ禍の影響を抜け出した上海・香港が下落の減速局面にあり、シンガポール、シドニー、ニューヨーク、東京、ロンドンなど世界の主要都市の多くが下落の加速局面に位置しています。

【出展元】
JLL>大阪マーケットレポート 2020年 冬

 

 


出展:JLL 日本リサーチ

第3四半期末時点の空室率は1.3%となり、前期比0.3ポイント、前年比1.1ポイント上昇しました。空室率は依然として低い水準にありますが、テナントの減床が進んだことや、新規の入居交渉が停滞している ことが影響して空室が増加しました。 第3四半期末時点の賃料は月額坪あたり24,184円となり、前期比 -0.1%の下落、前年比7.1%の上昇となりました。2014年第2四半期以来 の下落で、年間上昇率も10四半期ぶりに10%を下回りました。新型コロ ナウイルス感染の再拡大により、一部のオーナーが賃料を引き下げ る動きをしたことが影響しています。

 

 

 



Oxford Economicsの9月予測によると、大阪市のGDP成長率は 2020年に-5.5%となる見通しです。なお、新型コロナウイルス感染症の影響拡大によって国内外経済がさらに下振れするというリスク要因が挙げられています。 賃貸市場では新規供給が限定的であるものの、Aグレードオフィス に入居中のテナントはテレワーク環境が整備された大企業が多いことから、空室率は低水準で緩やかに上昇し、賃料は緩やかに下落す るものと予想されます。 投資市場では投資家の投資意欲は依然として高く、投資利回りはほぼ横ばいで推移するとみられますが、賃料の下落を反映して価格も下落する見通しとなっています。

 

 

 


出展:JLL 日本リサーチ

2020年第3四半期の大阪圏の不動産投資額は前年同期比3%減、前期比22%増の2,083億円となりました。コロナ禍の状況ですが前年比微減、 前期比では大幅増と堅調に推移しています。代表的な取引としては、ラ サール・ロジポート・リートによるロジポート尼崎等の取得が挙げられ、この他にもオフィスで大型取引が水面下で進行している模様です。

2020年第1-第3四半期の大阪圏の投資額は6,524億円、投資額割合は前年同期と同水準の19%となりました。セクター別に見るとオフィスが26%、リテールが3%、物流施設が43%、ホテルが17%、レジデン シャルが7%を占めた。物流施設が投資市場を牽引しています。

一方、海外投資家による日本の不動産の購入であるインバウンド投資は、 2020年第1-第3四半期では前年比3.7倍の1兆3,268億円となり、日本 の不動産売買全体に占める割合は38%となりました。 海外投資家の大阪への投資意欲は高く、新型コロナウイルスの影響をほとんど受けていない物流施設および賃貸マンション中心に今後も積極的に投資を行っていくことが予想されます。

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