新行政棟・文化庁移転施設
文化庁は、2023年5月に東京から京都に移転する予定です。文化庁の移転は、第2次安倍政権時代の2016年3月に東京一極集中を是正し「地方創生」を図る為、「政府関係機関移転基本方針」において、「地方創生や文化財の活用など、文化庁に期待される新たな政策ニーズ等への対応を含め、文化庁の機能強化を図りつつ、全面的に移転する」方針が打ち出されたものです。中央省庁の地方移転は明治以来初となります。9つある課のうち、人事や会計を担う政策課、文化財や宗教法人を担当する五つの課が移転対象となり、全体の約7割の250人程度が京都に移転。長官と2人の次長のうち1人は京都で勤務します。ただし、著作権や国際交流を担当する4つの課は東京に残ります。
【出展元】
→文化庁の機能強化・京都移転
→文化庁京都移転シミュレーションの実施及び検証結果に関する報告
<京都移転>
政策課(綜合調整・人事)
文化財資源活用課(世界遺産の申請管理)
文化財第1課(文化財保存)
文化財第2課(建造物、景観保存)
宗務課(宗教法人の認証、指導)←旧統一供教会問題を理由に移転しない可能性あり
<東京残留>
企画調整課(政策の企画立案)
文化経済・国際課(国際交流)
国語課(日本語教育支援)
著作権課(著作権保護)
文化庁シミュレーション
文化庁は、移転の課題の洗い出しと改善方策の検討のため、2019度に一部職員によるシミュレーションをしたうえで、2020年度に移転予定課の全職員を対象にシミュレーションを実施。その検証結果についてレポートが公開されました。
レポートの結論は「京都移転に伴い生ずる課題を解決する為に、東京での活動拠点を整備する必要がある」でした。東京一極集中が完成した現在において、一部の「庁」だけを移転させる事が困難な状況である事と、先行事例として選ばれた文化庁の悲痛な叫びが読み取れます。
事前にお伝えしておきますが、この記事では文化庁を批判をするつもりは全くありません。それよりも、現在の状況下で省庁移転を行った場合に考えられる「問題点」を公式レポートとして赤裸々に纏めてくれた事に感謝しています。
今回は、文化庁が纏めた京都移転を見据えたシミュレーション結果のレポートを読み解きつつ、省庁側の視点でみた移転に対する認識、そしてそれを乗り越えて「一極集中」を是正するには何が必要なのか?を考えて見たいと思います。
文化庁京都移転シミュレーション
1:実施期間
・2019年度:2019年10 月1日から11 月29 日(41 勤務日)
・2020年度:2020年10 月5 日から11 月20 日(34 勤務日)
2:対象者
・2019年度:文化庁次長、政策課、文化資源活用課、文化財第一課、文化財第二課及び宗務課の課長及び一部の職員(数名)
・2020年度:文化庁次長、審議官、政策課、文化資源活用課、文化財第一課、文化財第二課及び宗務課の課長及び全職員
3:実施方法
・2019度:各課が1週間ずつ交代で地域文化創生本部(京都)にて執務。その他の職員の一部は、東京の文化庁に設置した疑似的な執務室「東京シミュレーション室」 で執務。次長は、原則として週3日を京都にて執務
・2020年度:各課が1又は2週間に1課ずつ交代で地域文化創生本部(京都)にて執務。次長及び審議官は、全期間を対象
2020度シミュレーションの検証結果
2019年度のシミュレーションでは、京都での執務者は各課で数名程度にとどまっていたことから、全職員を対象とした2020年度の実施結果を中心に分析して行きます。現在文化庁が対面で行っている業務のうち、京都へ移転すると対応の変更が求められるものについて、シミュレーション期間中(34 勤務日)、どのように対応されたかを分類し集計、以下の結果となりました。
全案件に占めるリモート対応の割合は25.6%しかなく、大半を東京で対応する事になりました。具体的には、国会議員への説明(東京で対応:87.8%)、政党会議への参加(東京で対応:80%)、予算業務(東京で対応:85.2%)などが上げられます。幹部の京都での勤務日数は、シミュレーション期間34日中、次長が16日、審議官は6日でした。法案作成に関わった課長2人は機密性の高い作業でもあり、全期間、東京勤務となりました。
検証事項 | 計 | |||
ウェブ会議 | テレビ会議 | 対面対応 (課長以上) | ||
①国会議員への説明 | 41回 | 5回 | 0回 | 36回 (28回) |
②政党の会議への参加 | 25回 | 0回 | 5回 | 20回 (15回) |
③国会質問対応 | 0回 | 0回 | 0回 | 0回 |
④庁内外(庁内他部署、他省庁、自治体、団体等)のやりとり | 271回 | 57回 | 27回 | 187回 (134回) |
⑤予算に係る業務 | 61回 | 1回 | 8回 | 52回 (8回) |
⑥人事・総務に係る業務 | 36回 | 4回 | 3回 | 29回 (3回) |
⑦報道対応 | 2回 | 1回 | 1回 | 0回 |
⑧文化財関係者等の会議(外部有識者による会議) | 9回 | 2回 | 0回 | 7回(3回) |
合 計 | 445回 | 70回 | 44回 | 331回 (191回) |
a:全案件に占めるリモート対応 25.6% b:国会議員説明のリモート対応 ⇒東京で対応:87.8% 京都12.2% c:政党の会議への参加のリモート対応 ⇒東京で対応:80% 京都20% d:他省庁の査定・審査ヒアリングや協議事項についてのリモート対応 ・予算業務 ⇒東京で対応:85.2% 京都:14.8% ・人事・総務業務 ⇒東京で対応:80.6% 京都:19.4% ・その他の庁内外のやり取りのリモート対応 ⇒東京で対応69% 京都:31.0% e:幹部の京都での勤務日数 次長:16 日/34 勤務日 審議官:6 日/34 勤務日 その他の期間は東京で対応すべき業務があったため、東京での勤務 f:文化財保護法改正案の準備作業のため、文化財第二課1名(課長)、文化資源活用課1名(課長)は全期間東京での勤務 |
リモート対応の課題
出展:https://tonari.no/ja/
日常的な事務処理や複雑な対応を要しない連絡調整については、電話やメール、スカイプ等を利用して対応可能ですが、特に重要な案件、迅速な対応が必要な案件、機密性の高い案件、複雑な協議・交渉が必要な案件等については、リモートでは十分な対応が困難であり、対面での対応又はリモート対応に加えて、東京の職員が議論や資料提示等のサポートを行いました。対面対応した例として、国会議員への説明のうち特に丁寧な説明や確認を必要とするもの、政党の会議のうち重要事項の説明対応、取扱いに注意を要する情報に係る関係府省との協議(人事・法案作成を含む)、表彰業務等における機密情報の速やかな共有などが上げられます。
リモート対応に加えて東京でのサポートが必要となった例として、予算要求における関係府省への説明において、担当課がリモート対応し、総括的立場の政策課が東京でサポートを行いました。
危機管理など出張では間に合わない場合や、予算業務・法案作成業務など継続して対面対応が必要となる業務については、旅費の節約、移動時間の最小化及び職員の身体的負担の軽減等のため、担当職員が案件の都度出張するのではなく、業務発生が予想される期間あらかじめ東京に長期滞在して対応せざるを得ませんでした。また、今年度のシミュレーション期間中では該当はありませんでしたが、国会答弁時の緊急対応等は対面で行う必要が多く発生します。
シミュレーションで対面対応した案件を全て都度出張したと想定した場合の、勤務時間ロス
(東京・京都間の移動時間)
【一人当たりの年間試算】
次長:年間210 時間
審議官:年間424 時間
課・室長級:年間240 時間
シミュレーションの結果
以下、文化庁レポートの抜粋です。
今国会期間中、庁内外の情報共有・連絡調整が不十分であったために、国会や政党への対応に支障が生じた事例が多く発生。また、文化庁の国会提出法案では、文化財保護法改正案の要綱と著作権法改正案の新旧対照表・参照条文に多くのミスが発生した。今後、移転して東京と京都に組織が分離することにより問題がさらに拡大しないよう、庁内の調整機能の強化が必要である。
文化財保護法改正案の作業について文化資源活用課が担当課であるが、関係課は文化財第一課、それらの調整に多大な労力を要した。一緒に集まって集中して調整するほうが効率的ではないかと改めて認識された。
文化財保護法改正については、庁内職員によるプロジェクトチームを東京に設置し、政府内の調整や国会対応を集中的に行ってきたが、京都の地域文化創生本部の法改正担当職員は、東京での長期間の住居の確保等の問題があり、プロジェクトチームに参加できなかった。
移転した課が法案を作成する場合、京都に住居・家族を残しながら半年~1 年弱東京で働くことができる体制をいかに整えるか検討が必要である。
文化庁が東京の庁舎から分離することにより、これまで東京の文部科学省と一体として対応してきた各種機能(図書室、医務室、記者室、庁舎管理等)についても、京都で独自に対応する必要がある。職員が京都に赴任することに伴い、各種手当(単身赴任手当、住居手当等)の増額が見込まれる。
京都への本格移転にあたっては、多数の部署・職員が、一定の期間を庁舎と職員住居の引っ越しにあてる必要があるが、コロナ禍への対応など喫緊の課題を抱えていることから、引っ越しによって、国会対応をはじめとした業務の停滞を招かないようにする必要がある。
京都移転の結論は「東京での体制を整備する」
シミュレーションした結果、東京で対面した案件は34勤務日で331件に及び、東京での対面対応が必須である事を示しています。文化庁は、今年度のシミュレーションの検証結果を受け、以下の対策が必要になると結論付けています。
1:出張が間に合わない場合の緊急対応を行うための、東京での体制を整備する。
2:予算業務や法案作成業務、国会等で取り上げられる問題が生じた場合など、東京に一定期間にわたり対応する必要がある業務が発生した場合には、京都部署・東京部署であるかに関わらず、東京で適切な対応が取れる体制を整備する。
3:国会対応や関係省庁との緊密な連携を確保するため、文化庁全体の総合調整機能を強化し、必要な体制を東京に整備する。
4:京都・東京間の出張により生じる勤務時間のロスを踏まえ、必要な人員措置を検討する。
5:京都部署の職員であっても東京での対応が頻繁に生ずることから、東京出張のための旅費の必要額を確保する。その際、法案作成などで東京に中長期滞在しなければならない場合にも確実に対応できるよう、
所要の額を確保する。
6:京都から東京以外の地域への出張についても、東京にいた時と同等の出張が可能となるよう、必要な旅費を確保する。
7:総合調整機能を果たすために、東京に必要な執務スペースを確保するとともに、東京の総合調整部署と京都移転部署が日常的に密に連携できるよう、東京・京都の双方に十分なTV 会議システム等の設備を配置する。
8:短期出張者の東京庁舎における執務スペースや、出張者と京都部署とのリモート会議用スペースを確保する。
9:リモート対応に習熟するため、シミュレーション期間外も積極的にリモート会議を活用する。リモート会議の対応機器やアカウントの整備、スペースの確保を進める。政府全体や国会を含めた関係機関でのリモート会議導入に向けた働きかけを進める。
10:京都からのリモート対応をサポートする職員を東京に配置する。
頭脳は東京のまま、机だけ京都に移転
リモート対応やテレビ会議が一気に普及した為、ある程度の遠隔対応は可能ですが、文化庁の主たる業務は、霞が関や永田町界隈での対面業務や、霞が関界隈での他省庁とのすり合わせ業務なので、東京から移転させるのであれば長期出張するしかない様です。
つまり今回の京都移転は、東京で行っている主たる業務は「移転出来ない」ので、職員を物理的に引っ越しさせて、出張対応で対面業務を続ける、といった内容と読み取れます。
「国会議員説明」や「政党の会議への参加」「国会答弁時の緊急対応等」などは、国会が東京にある限り、どうしようもない気がします。また、関係府省との協議(人事・法案作成を含む)、予算要求における関係府省への説明はも同じくです。
それでは、主たる業務である「霞が関や永田町界隈での対面業務」の中身はどうなっているのでしょうか?何にどれだけ、何時間かかるのでしょうか・・?今回のレポートにはありませんが、中央官庁の業務が何にどれだけの時間を割いているのか?棚卸し結果を見てみたいと思いました。
東京一極集中の是正は中央の権限委譲しかない
中央官庁の地方移転の目的は「東京一極集中の是正」ですが、文化庁のレポートの結論は「地方移転は不効率なので如何にして東京に残るかが重要」となっています。つまり、現状のシステムの中で、一部の省庁だけを移転させても業務が廻らず、効率が下がるので止めてほしい、という事です。
それでは、東京一極集中を是正する為には何が必要なのでしょう?
結論は非常に遠大なテーマとなりますが、旧来の牢固たるシステムをつくり替え、中央官庁が持つ「予算編成」「許認可権」「全国放送編成権(主にキー局制度)」を地方に移譲して自立を促す、本当の意味での『地方分権』を行うしないと思います。
現在の制度は、あまりにも東京の中央官庁に権限が集中し、それを事務的に処理する能力すら不足する事態に陥るなど、機能不全が顕著化しています。これを経済的に自立できる地方に分散処理させ、中央の負担を減らし、中央は外交や全体調整を行う様に機能のスリム化を図り、各地方が自立して独自の政策を考え切磋琢磨する。そこから新しい発想が生まれて、次の成長に繋がる産業やアイデアが出てくるのではないでしょうか。
分権に際しては、中央官庁、族議員の強烈な抵抗が予想されるので、政治の強いリーダーシップが必要になります。これは中央だけでなく、権限を委譲する『地方』にも必要な事で、地方自治体や地域住民の当事者意識がとても重要です。
大阪の地域政党「大阪維新の会」が目指した「大阪都構想」は日本の明治維新以来の地方自治の古いスキームを初めて変らえる非常に画期的な取り組みでしたが、天下国家を変えるほどの重要性が広く認識される事は無く、表層的なプロパガンダで2度も否決される等あり得ない自体となり、日本国全体で地方分権を行い古いシステムを変える動きは相当遠のいてしまいました。
日本経済の衰退の要因は人口ボーナスの終焉と少子高齢化ですが、それに加え高度成長期から『なにも変わっていない』事が主原因で衰退して当然と言えます。今までのシステムを使い続けるのであれでは成長も回復もありません。何れ、究極的に行き詰まる未来を大多数が認識し、危機感を共有した段階で、国のシステムを変える動きが出てくるでしょう。出てこなければ経済的に悲惨な未来が待っています。
文化庁京都移転を次に繋げるために
今回の文化庁の移転に話を戻すと、京都移転に伴う現状認識と問題点の把握という意味では最高のパイロットケースになります。移転後に、しれっと東京に戻る動きが出ると思いますし『結局東京じゃないと無理なんだ』という結論が出るでしょう。しかし、それこそが変えるべきポイントなのです。
「東京でないと無理」が「どうすれば東京が捌ききれない状況を地方が担えるのか?」という論議につなげ、変革に向けた動きが出てくれば、今回の京都移転は価値があると思います。逆に「東京でないと無理」で話が終わってしまえば、単なる政治パフォーマンス的なガス抜きで、全く意味の無い取り組みだった事になります。
今回の文化庁移転が政治パフォーマンス的ガス抜きで終わるのか、今後に繋がる現状認識と問題点の把握、そして代案提示まで行けるのか・・。マスメディアは表層的な報道で、一番重要なポイントは伝えませんので、今後は、その辺りを注視啓蒙して行きたいと思いました。
この国はやはり堕ちる所まで堕ちないと変わらない。変われない。
外圧が無いと東京一極集中は決して終わらない。
そう確信させる文化庁の東京ありきのレポートでした。
東京一極集中は強化されることはあれ、弱まることは決してない。
その前提で地域はどう生き残るか、
また外圧で東京一極集中が終わった時にどう動くのか、
この2点を考えておかないといけません。
一箇所に集中しないといけないというなら国会も中央官庁も、岐阜とか長野(本土の真ん中)の山の中に放り込めばいいんですよ。ワシントンのように。
旧統一教会問題で、文化庁宗務課が大変な作業をしています。
職員を増やして対応しているそうですが、世間の注目を集めており、とても移転作業どころではないようです。
またも移転が先延ばしになったりしないか心配です。
それと、こんな問題が起きるから、やはり中央省庁はすべて東京にいないといけないということにならないか案じられます。
昨今、マスコミにしばしば登場している教団(外国ではカルト集団?)は、霊感商法ばかりクローズアップされています。
しかし、この教団はデタラメな歴史教育で反日思想を植え付けえていることが大問題点と思います。
このような反日思想の教団の支援を受けて当選する国会議員ないし自民党が政権を取っている限り、日本がよくなるはずがありません。
立憲民主党や日本維新の会などが政権を取っても大差はないでしょうね。
皮肉なもので「中央集権を無くすには優秀な中央」が必要なんですよね。だって法律や国の形を決めるのは中央なんだから。
しかしながら今の我が国は歴史上かつてない程に中央・政府が劣化しています。今の我が国中央・政府では地方分権など到底出来ません。私の感覚では、このままではダメだと倒幕運動が起きた江戸末期の江戸幕府より今の政府はダメだと感じます。江戸幕府は海外の脅威を感じるやいなや大船建造禁止令を破棄し洋式大型船の導入を進めました。西洋式幕府海軍は誕生から消滅まで僅か17年余りでしたが幕府海軍の遺産は大日本帝国海軍にしっかり活かされ今の海上自衛隊へと繋がります。今の我が国中央・政府からはそういう危機感が微塵も感じられない。国防でも行政のあり方でも。この文化庁の報告書が最たるもので出来ない理由の列挙だけ。出来ないならどうしたら出来るか、が全く無い。江戸幕府が旧態依然たる和船の安宅船や旧式青銅砲では国を守れないと大神君徳川家康公以来の海防政策を大転換し「出来ないからやらない」ではなく「出来ないならどうすれば出来るか」を考えて行動したわけです。それが全く出来ない今の我が国中央政府の官僚共は丁髷を結った二本差しの武士の江戸幕府の官僚に遥かに劣ります。
現在ホワイトカラーでほぼフルリモート(出社は週一回程度、実は出なくても支障は無い)で仕事をしています。
>「国会議員説明」や「政党の会議への参加」「国会答弁時の緊急対応等」などは、国会が東京にある限り、どうしようもない気がします。
批判するつもりはないのですが、実感としてこれは必ずしもそうは思いません。
よく言われるように、「察する」ことに全神経を集中して先回りすることこそ官僚!みたいな仕事はリモートではやりづらいとは思いますが、議員説明にせよ会議にせよ、よほど微妙なシチュエーションでなければ通常はリモートで充分なはずで・・・職場(業界?)風土の問題なのかもしれませんね。緊急対応も東京でしかできないことは一部だと思われ、結局は京都チームとの連携の問題と思えます。
要するに、リモートワーク慣れしていないことが最大の問題では?
地方分権もですが、地方移転が広まれば問題は解消していくはずで、パイロットケースではデメリットも目立つ以上はやはりリーダーシップが必要・・・あまり変わらない結論になってしまいました。
一地方都市に成り下がった大阪市が消滅したところで、中央集権国家を改革することができるでしょうか。
今回の文化庁京都移転に大阪都構想が実現していれば、また違った国の動きがあったかも
知れませんね。
日本の失われた30年。
東京のみ繁栄し地方は衰退の一途。。その人口が集中する東京は少子化が日本国内で一番顕著で拍車がかかるのも当然。
最近、TV放送で近畿ではなく関西と呼称する事が多く見受けられるのも気になります。
近畿二府四県が最近は関西二府四県とか。。
こうなってきますと、
いきつくところまですなわち人口減に伴う経済衰退に歯止めがかからない場合
地域独立の芽が沸々と上がらざるを得なくなると思います。
自主課税権の拡充、国庫財源の移譲、通貨「円」からの独立、などなどです。
一番大きいのは税制です。自分で決めることです。
多分、大阪や関西の一人勝ちになるでしょう。
そこまでしないことには景気は浮上しないだろうと思います。
多くの若者が東京に羨望し続ける姿を見つつも衰退する様々なデータを見ている限りは、
どこかでターニングポイントが来なければなりませんでした。
その象徴が安倍政権のレガシーで、その成果が十二分に効果を発揮すれば何も言うことはありません。
しかし、円安で本当に日本が変化するのかというのは未知数ですし、
これから数十年、少なくとも30年は時間をかけないと失われた工場群が復活することは
ないでしょう。
その工場群が関西で復活するかというのもこれもまた未知です。現に東京に人口が集まるということが続けば、既存の工場群だって関東に移りえるでしょう。現に関東内陸工業地域は伸びています。
そうなると話は戻って自主課税権の拡充、
そして道州制議論に戻らざるを得なくなります。
そうなることは正直言って大阪にとってもマイナスになることがあるかもしれません。
それは大阪も少子化だからです。
この構造的な問題は、国の機関が移れば解決するという
そんな安易な問題でもなさそうな気がいたします。
もちろん、全面的に移動すれば経済的には安定するかもしれませんが、
頼りすぎた場合に起こりうる民間の活力を奪うようなことはあってはなりません。
コロナを通り越しても難題過ぎます。
歯がゆい。
東京一極集中で、地方が疲弊していることが日本の停滞の原因ととらえて政治が責任をとって変えていくべきですが、日本の為にそんな覚悟のある政治家なんていません。
省庁移転なんてなんの解決にもならないと思います。おっしゃるように道州制等、地方への権限移譲と地方の自立こそが、地方創成と日本の復活を成しえる道筋やと思います。
東京を離れたくない官僚たちの抵抗感がよくわかるレポートです。
しかし、文化庁移転は一極集中に歯止めをかけるために、絶対に成功させなければならない、国の喫緊の課題です。
多少、効率が悪くなるところがあっても、国家機関の地域分散は安全保障上も重要です。
また、旧統一教会の名称変更問題でもわかるように、文化庁は政治と一定の距離を置く必要があります。
東京にいたのでは政治家や他省庁との力関係で公平な文化行政が難しいと思います。
文化庁移転にあわせて、美術、芸能、出版、映画、放送など各文化団体の本部、本社の関西移転が進んでほしいです。