フェアフィールド・バイ・マリオット・奈良天理山の辺の道(以下、フェアフィールド奈良天理)は、奈良県天理市に所在する歴史文化などを学べる新施設「なら歴史芸術文化村」の宿泊施設として、2022年3月21日にオープンしたマリオット系列のホテルです。
ホテルは、積水ハウスとマリオット・インターナショナルが推進する地方創生事業「Trip Base(トリップベース)道の駅プロジェクト」の一環として開設され、観光を通じて地域経済を共に創り上げ、活性化していく役割を期待されています。
【出展元】
→フェアフィールド・バイ・マリオット・奈良天理山の辺の道
「Trip Base 道の駅プロジェクト」とは?
最近よく耳にする「道の駅プロジェクト」とは、一体何なのでしょうか?「Trip Base 道の駅プロジェクト」は、積水ハウスとマリオットが「未知なるニッポンをクエストしよう」をコンセプトに、地域や自治体、パートナー企業とともに、観光を起点に地域経済活性化を目指す地方創生事業です。
要約すると、あまり知られていない魅力あるエリアに立地する道の駅にホテルを併設し、単なる通過点から旅の拠点に変えて地域活性化を図ろう!という構想です。
世界的なホテルチェーンであるマリオットのネットワークを通じて、約1.6億人のマリオットボンヴォイ会員にレコメンドする事で、全世界からホテルに送客を図ります。ホテルはシンプルで上質な造りとし、旅慣れた利用者が満足出来るクオリティーを提供。それでいて館内にあえてレストランを設けず、隣接する道の駅や地域の飲食店などの利用を促します。ホテルは積極的に地産地消を行い、広域集客を含め地域活性化に繋げて行く。「道の駅プロジェクト」、実は壮大な計画なのです。
道の駅プロジェクトは、2020年に本格始動し、岐阜県、栃木県、京都府、三重県、和歌山県の5府県に14軒のホテルを開業、フェアフィールド奈良天理は6府県15軒目になります。
今後も、北海道、兵庫県、岡山県、広島県、福岡県、佐賀県、熊本県、鹿児島県の8道県14か所で1,184室のホテルを開業させる計画で、2025年には26道府県に約3,000室規模に拡大する予定です。
道の駅プロジェクト
1:「道の駅」を拠点に、「地域の知られざる魅力を渡り歩く旅」の提案を通して、地方創生の一助となることを目指す。
2:これまで “旅の通過点”だった「道の駅」を、ホテルを併設する事で地域の魅力を渡り歩く「旅の拠点」に変える
3:そのために、地域や自治体、パートナー企業と連携し、地域の知られざる魅力の発掘、道の駅発のアクティビティ開発や地域の雇用、新しい人の流れの創出など、地域活性化に向けた様々な取り組みを進める
4:ホテルは、シンプルな宿泊特化型とし、食事やお土産などは道の駅など地域の店舗施設の利用を提案、地域の人々との交流や道の駅との往来を促す設計とする
ホテルが立地する「なら歴史芸術文化村」とは?
ホテルが立地する「なら歴史芸術文化村」についてもご説明しておきます。「なら歴史芸術文化村」は、奈良が誇る歴史文化や質の高い芸術文化を「知る・学ぶ・体験する・楽しむ」ことを通じ、「本物にふれ」、「新たな視点・感性」が生まれる場となることをコンセプトにした複合施設です。
日本初の試みとして、文化財4分野(仏像等彫刻、絵画・書跡等、歴史的建造物、考古遺物)の修復作業現場の通年公開を実施しており、文化財修復技術への関心を高め、奈良の文化を次世代へ伝えることを目指しています。
かみ砕いて説明すると、村内には、道の駅らしい産直市場や地元で人気のとんかつ店、観光案内所に加え、ガチの文化財修復拠点が併設されており、国宝級の文化財の修復作業を間近に見る事ができます。また、ホールやセミナールームを備え、国内外のアーチストの芸術作品の展示やワークショップなどが開かれるなど、文化芸術に触れる拠点となっています。
▼詳しくは下記のレポート記事に纏めていますので興味のある方は見て下さい。
「フェアフィールド・バイ・マリオット・奈良天理山の辺の道」
前置きが長くなりましたが、フェアフィールド奈良天理の様子を見て行きましょう!
フェアフィールド奈良天理は、世界的なホテルチェーン、マリオットが展開するホテルブランドの中でも最もカジュアルな位置づけである『フェアフィールド』ブランドのホテルで、地上4階建て、延床面積:3,800m2、客室数99室(キング:35室、ツイン:64室)の構成となっています。スイートルームはありません。
※記事中の写真は、混雑を避けるために人の居ない時間帯を狙って撮影しました。そのため撮影時間帯が異なる写真が混在しています。予めご了承下さい。
道の駅側の車寄せ
フェアフィールド奈良天理には、エントランスが東西2箇所にあります。こちらはメインエントランスとなる、道の駅側(東)の様子です。
だだし、週末の道の駅は、なかり混雑しておりクルマを出し入れするのも大変なので、ホテルの西側、丘の下にある専用駐車場に止めるのが良いです。
ホテル西側にあるホテル専用駐車場
ホテル西側の丘の下に宿泊者専用の駐車場があり、週末の混雑を避ける事が出来ます。
専用駐車場は道の駅エリアと高低差があるので、専用エレベーターでロビー階に向かいます。
駐車場はB1、ロビー階は1Fと表示されていました。地上なのにB1とは、ちょっと不思議な感じです(笑)
広々としたメインロビー
エントランスロビーの様子です。道の駅側と専用駐車場側の東西2箇所の入口がある為、とても広々としてます。
チェックインカウンターの様子です。客室数が99室と小規模なので、こぢんまりとしています。
メインロビーの様子です。宿泊者が歓談出来る様にメチャクチャ広いスペースが取られています。
宿泊特化型のカジュアルなホテルですが、このあたりの質感の高さは、さすがマリオット系といった所でしょうか。
飾り棚には天平文化に関連した書籍やアイテムが置かれていました。
メインロビーの奥にキッチンスペースがあり、コーヒーやお茶・氷が提供されていました。コーヒーはインスタントなので味はイマイチです(笑)
ちなみに、フェアフィールド奈良天理は、道の駅との連携を前提にしているので館内にレストランはありません。ただし、ホテルで朝食を取りたい方向けに、地域の特産品や名物料理を使用した「朝食ボックス」が用意されています。提供は朝食ボックス付きプラン(数量限定)を事前に予約する必要があります。
チェックインカウンターの対面にドリンクとスナック類が販売されていました。値段は比較良心的な価格で精算はカウンターで行います。
ロビーの見学も終わったので、そろそろ客室に向かいましょう!
エレベーターの外にあるICカードリーダーにルームキーをかざして乗り込みます。
客室に向かう廊下の様子です。木目調でさわやかな印象です。
スタンダードキング(25㎡)
そして!こちらが!!フェアフィールド奈良天理の客室の様子です!!!!
今回宿泊したのはキングルーム(25㎡)です。※田んぼ側(西側)の客室
基本的なレイアウトは、以前に宿泊したフェアフィールド大阪難波(20㎡)と同じですが、奈良天理の方が5㎡ほど広いので、かなりの余裕を感じました。
ベッド周りの様子
ベッドは幅180cm × 長さ200cm のキングサイズ。大人2名が楽々寝られるサイズ感です。
寝心地は最近泊まったモクシー、アロフトよりも良かったです。
ベッドボード周りの様子です。シーツはデコボコがある生地で和風な感じがしました。さわり心地も良かったです。
ナイトテーブル付近の様子です。アンビエントライトが洒落ています。
ナイトパネルはこんな感じ。USB給電ポートがあります。
アンビエントライトは左右でデザインが異なっています。こうやってアップで撮るだけてオシャレに見えるのが不思議ですね。
リビングエリア
リビングエリアの様子です。窓際に大きなベンチソファーがあり、ゴロゴロする事ができます。
本文に戻ります。デイベッドの近くに小さなコーヒーテーブルが1つありますが、2名でお弁当を食べるには厳しそうなサイズ感です。
ベンチソファーのサイズ感はこんな感じ。身長180cmの僕が寝転んでも余裕があります。
部屋の向きによってデイベッドの大きさが異なる場合がある!
※こちらは別の日に泊まった時のデイベッドの様子です。このときは駐車場側(東側)の部屋をアサインされましたが、ご覧の通りデイベッドの幅がかなり異なっていました。確証はありませんが田んぼ側(西側)は眺望が良い代わりにデイベッドが狭く、東側は駐車場ビューで眺望が悪い代わりにデイベッドが広いのだと思います。
デイベッドが広い東側客室の様子です。西側よりも少しだけ広いかもしれませんね。
ミニバー・コーナー
ミニバーコーナーの様子です。インスタントコーヒーやティーパックがあります。
ミネラルウォーターは2本。電機ケトルにマグカップ×2。
冷蔵庫はこんな感じです。容量も充分で静かで冷えます。
フェアフィールド道の駅プロジェクトのホテルは、マリオットボンヴォイのプラチナ以上の特典である朝食などの提供はありませんが、ウェルカムギフトとして、『古都華サイダー』を頂く古都ができました!
テレビは49インチの大画面
テレビは49インチの大画面なのでベッドに寝転んでの視聴も快適でした。ただし、最近流行のスマートTVではないのでamazonプライムビデオやYouTubeをこのまま視聴する事はできません。TVの左右に隙間があるので、持ち込んだFireStickなどは取り付けしやすいかも。
スライドスクリーンが便利!
ウエットエリアと居室はスライドスクリーンで仕切る事ができます。シーンに応じて使い分ける事ができるので、とても便利です。スライドスクリーンを閉めると居室の雰囲気が一変しますね。
ウエットエリア
ドレッサー付近の様子す。最近流行のオープンタイプで開放感があります。こうやって見るとエントランス付近もメチャクチャ余裕がありますね。広さ25㎡でもバスタブを妥協すればここまで広くなるんですね。。
シャワーブース(写真左)、洗面台(中央)、ベッド(右)の位置関係はこんな感じです。
アメニティ類はこんな感じです。FF大阪難波と同じく「ブラシ」が無く「クシ」しかないので、この点は注意が必要です。
シャワーブースの様子
シャワーブースの様子です。壁面は石材調のパネル、床面は石材でした。レインシャワーに低めのバスチェアを完備しており、水はねを気にすることなくジャバジャバする事ができます。水圧も申し分ありません。
以前にも書きましたが、バスタブ・トイレ・洗面台が1つになった昔ながらの三点式バスよりも、最近流行のシャワーブースの方が、水はねを気にしないで良いので快適だと思います。個人的な快適度は、洗い場付きバス >>> シャワーブース >> 三点式バスだと思っています。
フェアフィールド大阪難波のリンス in シャンプー。現在はセパレートにバージョンUPしている
ちなみに、バスアメニティが以前のフェアフィールド標準のリンス in シャンプーから、コンディショナーが分かれた別のモノにバージョンアップしていました。ペグしか無いオープンクローゼット!?
クローゼットは完全なオープンクローゼットで仕切りがありません。FF大阪難波の様な荷物の置き台も無く、ハンガーを掛ける『ペグ』が数カ所あるだけでした。海外からの旅行者が巨大トランクを置くことを想定しているのだと思いますが、とにかく割り切りが凄いです。
まとめ:旅先の体験が『主』ホテルステイは『従』。原点回帰の上質なホテル
初めて宿泊したフェアフィールド奈良天理。フェアフィールドの標準的なレイアウトを踏襲しつつ、都市部のホテルよりも一回り広いい25㎡の客室は想像以上に快適で驚きました。また共用部の質感が高く、宿泊特化型とは思えない高級感がありました。
道の駅プロジェクトのコンセプトに沿って館内にレストランはありませんが、隣接する道の駅を利用する事で、その地域の特産品や名物に出会う事ができます。奈良天理では、奈良の有名なとんかつ店『まるかつ』が道の駅に出店しており、ランチタイムに美味しい、とんかつを味わう事ができました。
道の駅プロジェクトのフェアフィールドは、ラグジュアリーホテルの様にホテルステイその物を楽しむ感じではありませんが、旅先の体験が『主』、ホテルステイは『従』という旅行の原点に帰って、旅慣れた旅行者が拠点とするには最適なホテルだと思いました。機会があれば、上質なホテルに泊まって、まだ、あまり知られていない観光スポットを探索する旅に出られてみてはいかがでしょうか。
フェアフィールド・バイ・マリオット・奈良天理山の辺の道
住所:〒632-0032 奈良県天理市杣之内町元山口方438番7
TEL:0743-62-3150
交通:
西名阪自動車道、天理IC、または名阪国道、天理東より約4km。
JR長柄駅より車で約7分
JR天理駅より車で約10分
チェックIN:15:00~24:00
チェックOUT:11:00
客室数:99室(ダブル35室、ツイン64室)
おまけ
フェアフィールド奈良天理に隣接する道の駅には、奈良の有名なトンカツ店「まるかつ」が入居しています。
トンカツが美味しいのは当然として、巨大なエビフライもメチャクチャ美味しいです。機会があれば挑戦してみて下さい!