Buildworld社が感情追跡AIを用いて、デザインに対して最も賞賛を受けた建物を調査した結果、世界で最も愛されている建築物は大阪城である事が解りました!
この調査では、Buildworldが、地球上で最も有名な、世界各国にまたがる6,000の建築物を対象にTwitterの投稿を分析し、感情追跡AIを用いて、そのデザインに対して最も賞賛を受けたのはどれかを調べました。なお、調査は英語のツイートだけを抽出したため、結果が英語話者の感情に偏っていることは留意する必要があります。
【出展元】
→The Most Loved Buildings in the World | Buildworld
Ely Cathedral ELY, ENGLAND
建築物は、芸術作品や音楽作品と同じように、驚きと感動を与えてくれるものです。何世紀も前の歴史的傑作であれ、現代技術の恩恵を受けて設計された驚異的な建物であれ、建物は私たちの頭に屋根をかぶせる以上の役割を果たします。ゴシック様式の大聖堂からアールデコの超高層ビルまで、細部のディテールが建物の建築を印象深いものにしています。タージマハルの大理石ドームの複雑な模様は、何十億人もの人々に一目でそれとわかるようにしています。また、当初は物議を醸しましたが、パリのルーヴル美術館は、I. M. Pei氏設計の独特のガラスのピラミッドなしでは考えられません。
Lincoln Cathedral LINCOLN, ENGLAND
また、建築が意見を二分することも事実です。例えば、イギリスでは、伝統主義からモダニズムへの進化をめぐる100年来の論争に巻き込まれ、特にブルータリズムのデザインは世論を二分しています。イギリス政府は、伝統的なデザインの原則を優先し、街や都市の場所作りを行う「建築学校」を設立する計画まで打ち出し、物議を醸しています。Absolute World MISSISSAUGA, CANADA
真の美しさは見る人の目に映るものですが、世界の人々はどの建築物を最も愛しているのでしょうか?Buildworldは、それを知るために、地球上で最も有名なランドマーク6,000件に関するTwitterの投稿を分析し、感情追跡AIを用いて、そのデザインに対して最も賞賛を受けたのはどれかを調べました。調査方法
・世界で最も愛されている建物のランキングを作成するために、まず、各国の最も有名な建物を手作業で調査し、シードリストを作成することから始めました。
その結果、世界各国にまたがる6,000の建築物のシードリストが完成しました。
・次に、Twitterで各建物の名前とキーワードを検索し、そのデザインに関する世論を反映したツイートをすべて取得しました。収集されたツイートは、建物のデザインに関するものであることを確認するためにフィルタリングされました。
・HuggingFaceのAIアルゴリズムを用いて、収集したツイートから感情を抽出し、デザインに関するポジティブなツイートの割合に基づいて、建物をランク付けしました。
世界で最も愛される建物は『大阪城』
大阪城とアムステルダムのライクスミュージアムは、世界で最も愛されている建築物です。大聖堂や城は、世界中の人々に愛されています。今回の調査で、そのデザインが最も高く評価された10棟のうち8棟は、歴史的な城郭や礼拝所として使用されています。
しかし、その頂点に立つのは、日本で最も有名なランドマークのひとつである大阪城です。英語話者におけるPositive tweetsabout designは、97.5%に達しました。
16世紀の天下統一に貢献したこの城は、高さ55mの天守閣と、日本や東アジアの歴史的建築様式を象徴する入母屋造りの屋根が特徴的です。1583年に建設が開始されたものの、1990年代を中心に何度も修復が行われ、現在に至っています。大阪城は、3月から4月にかけての桜の開花時期(花見)に見頃を迎え、公園内にある3000本の桜は、春爛漫の荘厳な姿を見せてくれます。
Rijksmuseum AMSTERDAM, NETHERLANDS
オランダの芸術と歴史の殿堂、アムステルダムのライクスミュージアムもそのデザインで高い評価を得ています。1885年に開館した本館は、ゴシック様式とルネサンス様式が融合し、中央の2つの塔はヨーロッパの大聖堂を彷彿とさせます。2013年に行われた3億7500万ユーロの修復工事により、ビクトリア朝時代の栄光を取り戻した建物は、スペインの建築事務所Cruz y Ortiz Arquitectosが、年間270万人の来館者に対応するために美術館内部を丹念に修復したものです。外国人の方が大阪の評価が高い場合がある
近年のSNSの普及による情報発信の多様化や、USJの集客力が増し大阪を観光で訪れる人が増えた事などから、大阪に対するネガティブイメージは、2000年代初頭に比べるとメチャクチャ改善されたと思います。実際に街もキレイになりました。
それでもなお、大阪を笑いものにする、ダメな大阪を「コンテンツ」として消費する風潮は強く残っています。東京に媚びて、変をアピールする人が多い事も問題ですが。
それに対して海外からの評価はステレオタイプの先入観がないので、日本人に比べるとプレーンな評価となり、高評価の結果となる事が多いです。
今回の調査は海外メーカーの独自調査によるもので、英語話者のTweetの感情をHugging FaceのAIで分析したとの事すが、全世界6000件もの対象建物の中から大阪城が1位に選ばれた事は、素直に凄いと思いました。
主な調査結果
日本の大阪城は、世界で最も愛されている建築物であり、そのデザインに関するTwitterの投稿の97.5%が、大阪城のデザインを評価しています。英国ケンブリッジシャー州のイーリー大聖堂は、英国のTwitterユーザーに最も愛されており、89.3%の投稿がそのゴシック建築を賞賛している。
アメリカで最も愛されている建築物は「フォーリングウォーター」で、フランク・ロイド・ライトの象徴的なデザインを称賛するツイートが65.1%を占めています。
あわせて読みたい
ごめんなさい、訂正です。
>神戸の商船三井ビルディング
大阪城より古い現存する鉄筋鉄骨コンクリート製の建築物は他にもいくつかありそうです。
数える程だとは思いますが。すいませんでした。
現在の大阪城は市民の寄付によって再建された物です。それが真に誇らしい。
空襲で周り中に軍事的な施設があるにも関わらず被災せず残った事へは米国に感謝します。
その後いろいろと改修されましたが、現在の「昔の大阪城に最も近い」とされる工事は素晴らしいですね。本当に美しく威厳たっぷりです。
大阪城を選んで下さった皆様に感謝します。
ノイシュヴァンシュタイン城(シンデレラ城のモデル)は中世の古城ではなくて近代の建築なので評価が低くなりがちで、世界遺産に登録されることはないとされていました。
ですが最近はその可能性も出てきました。色々理由をつける事になるのでしょうが、結局は物語性が重要なのだと思います。大阪城にも十分な物語性があります。
・石垣や堀は本物。
・過去の大阪城が建っていた場所にある。
・今の石垣は徳川時代、地面の中には豊臣時代の石垣、天守閣(大阪城)は戦前。三層の”歴史が積み重なっている”。
・鉄筋鉄骨コンクリート建築物としては世界最古級。鉄筋鉄骨というのがミソで、鉄筋鉄骨コンクリート建築というのは日本で独自に発達した(日本は地震が多いので鉄筋と鉄骨の両方を使う事にした)建築方法なので日本最古ならそのまま世界最古。
現存するもので大阪城(1931年)より古いのは神戸の商船三井ビルディング(1922年)くらい、ちなみに現存しないが一番最初は大阪朝日新聞社ビル(1916年)(多分)
・市長の呼びかけで多額の”市民の寄付金”が集まり全額寄付金で”当時最新の技術”を使って築城され、当時から現代まで”多くの人に愛されている”。
色々あって今ここに建っているんです。これだけの強度の物語性を持つ建築はそうそうありません。
もしもノイシュヴァンシュタイン城が世界遺産に登録される事となれば、’いずれは’大阪城にも可能性がでてきます。
(さらに時代が過ぎれば東京タワーや本家ディズニーのシンデレラ城も登録される日が来るかも)
まあ世界遺産はともかく、大阪城はその物語性をもっと表現していった方がいいと思います。
これは嬉しい!
「16世紀の天下統一に貢献したこの城」と書かれていますが、
現在の城は、16世紀の大阪城と外観がまったく違っているのではないでしょうか。
ただ、現在の大阪城の外観が愛されているのはうれしい。