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近鉄『8A系』電車の乗車レポート! 24年ぶりの新型一般車両、車内コンセプトは「日常の華やかさ」八角形をモチーフにした近未来デザイン!


近鉄8A系電車は、2024年10月から導入が開始された近鉄の一般車両(通勤電車)です。近鉄の一般車両の新規導入は2000年のシリーズ21以来24年ぶりで、シリーズ21が導入されていない名古屋線では、1997年度の5800系以来28年ぶりの新型車両となります。

『8A系』は、2024年度48両、25年度68両を製造し、2カ年で116両を新製投入。奈良線系統に84両(4両✕21本)、大阪線:8両(4両✕2本)、名古屋線:12両(4両✕3本)・南大阪線:12両(4両✕3本)を導入する予定です。現時点、2026年度以降の導入計画は未定ですが、近鉄は昭和40年代に製造した車両約450両の置換えを迫られており、今後も増備が続けられると予想されます。

外観:力強さと洗練を兼ね備えた近未来的なデザイン


近畿車輛が車両の製造を担当。車両のデザインについては、車両形状は「近畿車輛デザイン室」、外観カラーリングを「GKインダストリアルデザイン」、内装関係をイチバンセンの「川西康之氏」が担当。外観デザインは「八角形」が特徴的な近未来的なデザインで、前照灯も八角形をイメージさせる斜め配置、標識灯も台形にして八角形を強調。カラーリングは近鉄らしさを踏まえ、利用者が親しみを持てる「マルーンレッド」と「シルキーホワイト」の配色となっています。

また、8A系が「八角形」をモチーフにしたデザインになった理由は、大阪、名古屋、伊勢、吉野、京都、奈良、津、神戸の8方面に広がるネットワーク、数字の八は末広がりで縁起が良い、などの考えから八角形デザインが採用されたそうです。

近鉄、新型一般車両「8A系」発表!2024年度は奈良線・京都線などに4両編成を12本、計48両を導入、10月に運行開始予定



 


8A系の塗装は、光線の当たり方で印象がかなり異なります。塗装面の上にクリアコーティングされているのでしょうか?従来のマルーンレッドよりもクリスタルな深みを感じさせる色合いです。実際、マルーンレッドとシルキーホワイトの色調は、従来車から微妙に変更されています。

 


大和西大寺駅で『8A系』が並びました!今後、大量導入されるので、この光景が当たり前になりそうです。


フルカラーLEDを採用した「前面行き先表示器」。種別、行き先、英語表記、路線記号&駅ナンバリングに対応しています。凄すぎる!


メチャクチャ見やすいです。路線記号と駅ナンバリングをカラー表示できるのが凄い・・・。


8A系と1252系の異種併結運転。ともに赤白のカラーリングなので違和感がありませんね。


異種併結。車体断面の大きさから時代の違いを感じさせる1枚です。


8A系先頭車のサイドビュー。KINTETSUのロゴマークがカッコいい!!
よく見ると、乗務員ドアの開閉レバーが上下2箇所設置されていますね。

 


8A系の側面の様子です。従来車と塗り分けパターンが大きく異なっている事が分かります。
近鉄の一般車両は、白色をベースに赤のラインを配置していますが、8A系では赤をベースに白を配置しています。

 


この深みのあるマルーンレッドとホワイトが本当にいい感じです。塗装の質感が1ランクUPした様に感じます。


側面行先表示器の様子です。こちらもフルカラーLEDで、メチャクチャ解像度が高いです。画素ピッチ、何ミリなんやろ・・。

 


車体側面や連結面にあるサイン、個別スイッチ(半自動スイッチ)、銘板の様子です。


シングルアーム式のパンタグラフ。

車内のコンセプトは日常の華やかさ」


続いてインテリアデザインを見て行きましょう!内装デザインは「イチバンセン」が監修。コンセプトは「日常の華やかさ」。毎日着ても飽きない楽しい服のような電車を目指し、身体が不自由な利用者・高齢者、ベがビーカー連れ・キャリーバックやスーツケースを持った乗客など、様々な立場の利用者に優しい電車を目指し、新しいスペースを設けるなど、華やかさと機能性を両立したインテリアデザインとなっています。



8A系のシートは、ロングシート・クロスシートの両方に転換可能な座席「デュアルシート」となっています。8A系の画期的な機能として、車両の一部をクロスシート、一部をロングシートといった感じで、クロス・ロングが「混在」可能となっている点です。上の写真では、手前がロングシート、奥がクロスシートとなっています。

 


まずはロングシートの様子です。従来のL/Cよりも、座面を厚くして異なる素材を組み合わせる事で座り後を向上。背もたれの形状を改良し、腰をささえる形になり、快適性が大幅に向上しました!さらに、壁面は杉や檜をモチーフにした木目をあしらっており、車内は非常に明るい印象です。

 


L/Cシートの手すりはこんな感じです。

 


ロールカーテンはこんな感じです。フリーストップ、自動巻き上げ機能付きです。

 


バリアフリー整備ガイドラインに準拠した大型の袖仕切を設置。シンプルに見せる半円形、圧迫感を軽減させるためにガラス張りとなっています。スタンションポールが「S字型」になっているのは、車内を広く見せるための工夫です。

 


次は、クロスシートの様子です。8A系は車内を広く見せるために、壁と天井を極力明るく、床面を思いっきり暗くすることで、視覚的に横に広がりを感じさせ、広く見せる工夫がなされています。華やかな花柄のクロスシートが並んでも、広々とした印象を受けました。


クロスシートを反対側から見た様子です。


L/Cシートを真横から見た様子です。背もたれの腰の部分が張り出している事が解ります。


一般車初となる「荷物フック」が装備されました。L/Cシートの下部は、特急車「スナックカー」の座席を彷彿とさせるデザインとなっていました。

 


こちらはオールロングシート状態の車内の様子です。


優先座席の様子です。こちらはロングシート固定ですね。


貫通扉は、全面ガラス張りで、シートとおなじく「花柄」をあしらっています。貫通扉の横幅は従来の760mmから900mmに拡大されました。

 


車椅子、ベビーカースペースの様子です。

優しさを共有「やさしば」



8A系のセールスポイントの1つが、優先座席でも、一般席でもない、第三のシート「やさしば」です。ベビーカー・大型荷物対応スペースで、ベビーカーを置いて横に座る事が出来る他、キャリーケースのキャスターを引っ掛けるストッパーを設置。車両中央の乗降扉付近に、1両あたり2カ所設置されました。だれでも快適に・気兼ねなく座れる「やさしさ」を共有できる空間(場所)となるように、「やさしば」と命名されました。

 


「やさしば」をアップで見た様子です。L/Cシートよりも柔らかい座り心地。進行方向、枕木方向、どちらを向いて座ってもOKです。


進行方向に向かって座るとこんな感じでした。


続いて乗降ドアーの様子です。


鉄道車両としては国内最大級となる「42インチ」ウルトラワイド液晶モニタ。A更新リニューアル車と同様ですが、視認性がメチャクチャ良いです。


扉開閉スイッチ(半自動スイッチ・写真左)と防犯カメラ(写真右)。


天井付近の様子です。

 


車内照明は、蛍光灯型LEDを天井に反射させて車内を照らす、半間接照明になっています。直射だと眩しすぎるので、反射させて光線を柔らかくしています。

 


荷棚の様子です。支柱部分に赤色の柔らかいカバーが取り付けられていました。

 


握りやすさを考えたつり手。底面が水平で太くなっています。とっさの時に握りやすい形状を考えて、この形になったそうです。

 


最後は床面の様子です。前述の通り、床面を思いっきり暗く、壁面・天井を明るくすることで、車体幅の狭さを感じさせない工夫が成されています。

 

まとめ



ついに営業運転を開始した8A系。近鉄の一般車両としては24年ぶりの新型車両なので、期待していましたが、長年待っただけの進化を感じる事ができました。特に外観デザインは、在来車との統一感を維持しつつ、一目で「新車だ!」と解る秀逸なデザインだと思います。八角形モチーフの先頭形状は本当にカッコいいですし、塗装も非常に良いです。

内装はコストの掛かるL/Cを標準装備しつつ、今後の大量増備を見据えているので、コストダウンを感じさせる部分が見え隠れしていますが、デザイン面で上手くカバーしている印象です。個人的には、シンプルモダンなデザインが好みなので、てんとう虫の様なPOPなデザインは好みではないですが、機能を考えて作り込まれた車内は快適そのものでした。8A系は約2年で116両も導入される予定なので、長年変化が少なかった、近鉄沿線の光景は、これから劇的な変化を遂げる事になりそうです。

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1 COMMENT

よっさんdsnmb

一目で気合が入っているのが分かる良い車両。
一般車は新車でもわざわざ乗りに行きたくなるのは少ないけど(特に関東地方は、特に京成電鉄は^^;)、これは乗りに行きたいと思わせる『見る人に訴えかける車両』ですね。

大阪は日々新たなり
近鉄沿線はこれから華やかになりそうです。

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