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南海本線・高師浜線(高石市)連続立体交差事業は、南海本線羽衣駅から高石駅周辺区間における道路交通の混雑緩和や踏切における事故や渋滞を解消するとともに、鉄道によって分断されていた市街地の機能が一本化され、魅力ある街づくりの実現に大きな役割を果たす高架化事業です。総事業費は約550億円です。
長らく工事が行われてきた羽衣駅付近の高架化ですが、工事の進展に伴い2016年5月14日(土)の始発電車から高石駅・羽衣駅の下り線が高架線に切り替えられました!
【過去記事】
→南海本線ー羽衣駅高架化工事の状況 16.04
→南海本線ー羽衣駅高架化工事の状況 16.04
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南海本線・高師浜線(高石市)連続立体交差事業の事業延長は約4.1km(南海本線3.1km・高師浜線1.0m)で、対象駅は羽衣駅・高石駅の2駅で途中13箇所の踏切が除却されます。事業年度は1997年度から2019年度となっています。
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2回目となる今回は、羽衣駅のホーム設備と軌道の様子をご紹介して行きます。こちらは改札階とホームを結ぶエスカレータ付近の様子です。上下両方向のエスカレータが設置されています。
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羽衣駅の上屋の一部は透過性のある太陽電池パネルとなっています。
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利用客が集中するエスカレータ・階段があるホーム中央は、ホーム幅がかなり広く余裕を感じます。
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階段付近の様子です。階段の手摺は圧迫感を軽減させるガラス製です。
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ホーム階から階段を見下ろした様子です。
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エアコン完備の待合室も設置されています。
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改札階とホームを結ぶエレベータの様子です。
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待合ベンチの様子です。最近のトレンドである枕木方向ではなく、従来のレール方向に向かって設置されています。
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照明は蛍光灯側のLEDユニット、スピーカーはTOAの指向性スピーカーが設置されています。
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発車標の様子です。従来のフルカラーLEDから専用什器にLCD(液晶パネル)を収納するタイプに変更されました。近鉄と同様のやり方ですね。
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表示面のアップです。近接案内があるのが良いですね。
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ホーム端(和歌山側)の様子です。このあたりのホーム幅は狭くなっています。
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ホームを見通した様子です。明かり窓から朝日が漏れています。
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続いて、和歌山方面の軌道の様子です。この区間は「防振装置式フローティング・ラダー軌道」が採用されています。
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「フローティング・ラダー軌道」のメリットは環境性能の向上です。ラダーマクラギで荷重を分散させるだけでなく、ラダーマクラギの下、コンクリート路盤の間にゴムを用いた防振装置やポリウレタン防振材を挟むことで、騒音と振動が軽減されます。「フローティング・ラダー軌道」には、防振装置や防振材の設置方法により、「防振装置式」「L形台座式」「ダクタイル台座式」などがあります。
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こちらは難波方面の様子です。よく見ると写真左側に上り線の高架橋が構築済みとなっていますね。
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ついに下り線が高架化された羽衣駅。南海本線は難波〜和歌山間の都市間輸送、難波〜関西空港間の空港アクセス輸送、大阪近郊の通勤輸送の大きく分けて3つの輸送を複線(一部複々線)でこなす運転密度の高い路線です。南海本線では各所で連続立体交差化が積極的に行われており、今回の高架化により安全性がさらに高まる事になりそうです。
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軌道屋さん>
記事の内容をご指摘頂いた内容に変更致しました。
ご教授頂きましてありがとうございましたm(__)m
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弾性直結ではありません
弾性直結はまくらぎをコンクリート路盤に防振ゴムを挟んで直置きしているもので、
羽衣の難波側で見られるのはバラストラダー軌道と思われます
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南海本線の高架化は早いですね。
少し前までは泉大津駅が高架化されたが、これで羽衣まで高架化されたようですね。
対照的に高野線が遅いのは気になりますが、ここが高架化されれば関西空港の速達化を図る事が可能になるでしょう。
阪神も鳴尾駅の高架の完全高架化まで近そうです。
LCDも綺麗だし、南海本線の色にあっています。
因みにLCDはプログラムを弄れば、英語、中国語だけでなくロシア語(キリル文字)やペルシア語(アラビア文字に似たペルシア文字)等も入れられるようですので、空港を意識するときはその辺もやってみると良いかもしれません。
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南海や近鉄はLCD発車標の導入に積極的でいいですね
いまだにフルカラーLED入れてる時代遅れな北の私鉄とは大違い