南海1000系電車(2代)は、1992年に登場した南海電気鉄道の通勤電車です。南海線用4扉通勤車である9000系の後継系列として、高野線大運転用2000系で導入された新技術を採り入れつつ、1994年の関西新空港開業を見据えた南海グループ全体の新CI戦略に従う新しいデザインを盛り込んだ、南海本線・高野線の双方で共通運用可能なハイグレードな次世代汎用通勤車として設計され、1992年より合計76両が東急車輛で製造されました。
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車体は軽量構造ステンレス車体を採用、外板はひずみを避けるべく板厚を増してビードを廃した平滑な仕上げとなっています。車体断面は第1次車は2,744mm幅でしたが、第2次車以降は南海空港線開業に伴う車両限界の変更で裾絞りが入った2,850mm幅の大断面車体となりました。第1~ 5次車については、大手私鉄としては初めての塗装ステンレス車として車体全体をグレーで塗装していましたが、第6次車で無塗装に変更されています。
南海1000系電車(2代)は初期車の製造から20年以上が経過しており、それに合わせ近年増加する空港線の需要に対応する接客設備の改善が必要となったため、リニューアルが始まり、2017年5月29日から営業運転が始まりました。
リニューアル内容
• 前面および側面の種別・行先表示器をフルカラーLEDに換装(漢字・ひらがなの他、英語・中国語・韓国語による表示も可能)
• 車内案内表示器を8300系と同型の4ヶ国語対応のLCDディスプレイ(三菱電機製のトレインビジョンシステム)に換装
• 8300系と同等の自動放送装置の設置
• 座席モケットを8300系に準じたものに交換(一部編成のみ)
側面表示機の様子です。リニューアルに合わせて種別、行き先表示機の両方がフルカラーLED化されました。
連結面の様子です。外装のアクセントであるブルーとオレンジのラインカラーの退色が激しいのが気になります。このあたりはリニューアルに合わせて更新してほしかったですね。
内装の様子です。うーん。リニューアル車との事ですが、モケットが従来のままなので新しくなった様には感じませんね。
こちらは少し前に行われた、NANKAI マイトレイン南海電鉄の9000系リニューアルに向け利用者の意見を聞く体験イベントの展示です。モケットがここのタイプに更新されれば、車内の雰囲気は一気に変わると思います。
NANKAI マイトレイン南海電鉄の9000系リニューアルに向け利用者の意見を聞く体験イベントが、なんばシティ「ガレリアコート」で行われました!
蛍光灯カバー付きの照明、荷物棚は半透明で棚の端が握り棒になっています。90年台に採用された接客設備の中でもかなりハイグレードな設備が盛り込まれています。
シートを真正面から見た様子です。セミバケットシートでドア間は7人がけとなっています。
シートのアップです。
シート端の様子です。大型袖仕切りやスタンションポールは未設置です。
乗降ドアーの様子です。引き込み防止の警戒色や床面の警戒色も未設置です。
車内で唯一リニューアルを感じるのが、ドアー上の設置された液晶モニタ。17インチワイド型が千鳥配置で4面設置されていました。
液晶ディスプレイのアップです。
天井付近の様子です。
荷だなのアップです。透明なガラス(もしくはFRP?)で採光性に優れた設備です。
車椅子スペースの様子です。
1000系の車両妻面は対面式のクロスシートが採用されています。
クロスシートを横から見た様子です。
もう一度、車内を見渡した様子です。
リニューアルが行われてた南海1000系。内装はドア上に液晶モニタが設置されたぐらいで、あまり手は入りませんでした。だだ、先日9000系リニューアルに向け利用者の意見を聞く体験イベントが行われた事から、このイベントのアンケート結果を受けて内装のリニューアルが行われるのではないでしょうか。
DK-Kawachiさま>
ご指摘頂き、ありがとうございます。
本文記事を訂正しましたのでご確認くださいm(_ _)m
>車内案内表示器を8300系と同型の4ヶ国語対応のLCDディスプレイ(三菱電機製のセサミクロ)に換装
正しくはセサミクロと言う描画回路を組み込んだトレインビジョンシステムの第三世代型です。
近鉄の省エネ車両も、これくらいのリニューアルはしてほしいですね。SNSとかでLCDの試験をしているらしいですが。
車端部にクロスシートは、近鉄大阪線の通勤車みたいな感じですね。
ドア上のLCD、ひと昔前の車内デザインにはいささかミスマッチにも見えますけど、そのうち慣れるでしょう( ´ ▽ ` )