【2017年度】大阪市営地下鉄の路線別収益、営業係数が発表される!

 



 

大阪市は2018年9月5日に、大阪市営交通局としては最終年度となる2017年度の自動車運送事業会計・高速鉄道事業会計の決算概要を公表しました。今年の4月に民営化され「OsakaMetro」となった大阪市交通局の高速鉄道事業会計は、経常損益は、収益が1,7047,500万円、費用が1,2715,200万円で、差引4332,300万円の黒字で、前年度に比べ566,000万円の収支改善となりました。地下鉄、ニュートラムの1日あたりの乗車人員は2519,724人。前年度の2457,071人から2.5%増加しています。

 

上のグラフは市のHPで公開されている決算書の数値をグラフ化したものです。各路線別に「収益」「費用」「利益」を視覚化してみました。圧倒的な収益・利益を上げているのは御堂筋線で1路線で収696億円の営業収益(売上)、371億円の利益を叩き出しています。ちなみに大手私鉄中堅各社の営業収益は、名鉄:898億、京王:838億、京急:820億、京成:622億、南海:586億、京阪:541億円(各社2016年度)となっています。また御堂筋線に次ぐ稼ぎ頭は谷町線で、営業収益は309億円でした。これは、阪神:349億、相鉄:330億、西鉄216億に匹敵する数字です。これまた凄いですね。

 

【出典元】
平成29年度自動車運送事業会計・高速鉄道事業会計の決算概要を公表します

 

 

 

 

 

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利益面で存在感を増しているのは中央線。収益から費用を引いた利益額は、68.9億円でした。これは谷町線の74.8億円に次ぐ数字です。東西軸の大動脈として順調に成長している様子が見て取れます。朝のラッシュは殺人的な混雑ですし、休日の混雑も激しいです。そろそろ思い切った増発が必要だと思います。

 

 

 

路線別収益状況

 
号 線 2017年度 2016年度
収益 費用 収支差引 収益 費用 収支差引
R1 御堂筋線 69,674 32,499 37,175 68,824 32,664 36,160
R2 谷町線 30,994 23,508 7,486 30,478 24,153 6,325
R3 四つ橋線 11,565 10,876 689 11,276 11,188 88
R4 中央線 18,075 11,955 6,120 17,680 12,559 5,121
R5 千日前線 7,452 9,801 2,349 7,239 10,052 2,813
R6 堺筋線 13,570 10,310 3,260 13,240 10,823 2,417
R7 長堀鶴見緑地線 10,130 13,649 3,519 9,988 14,102 4,114
R8 今里筋線 5,737 9,534 3,797 5,920 9,993 4,073
NT 南港ポートタウン線 3,278 5,020 1,742 3,203 4,651 1,448
合 計 170,475 127,152 43,323 167,848 130,185 37,663
※単位:100万円

 

 

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圧倒的な収益性を誇る御堂筋線。平日、休日、朝昼夜を問わず常に高い乗車率をキープしている

 

 

 

圧倒的な収益性の御堂筋線。中央線が効率良く稼ぐ

 
路線名 営業係数
R1 御堂筋線 44.9
R2 谷町線 73.1
R3 四つ橋線 90.4
R4 中央線 63.3
R5 千日前線 128.2
R6 堺筋線 73.0
R7 長堀鶴見緑地線 153.2
R8 今里筋線 231.0
NT 南港ポートタウン線 143.7
合 計 72.3
続いて営業係数を見てみましょう。営業係数は簡単に言うと100円稼ぐのに何円かかるか?という値です。こちらも御堂筋線の圧勝で営業係数は44.9でダントツのトップです。二位は中央線の63.3。最も悪いのは今里筋線の231、続いて長堀鶴見緑地線の153.2です。この2路線は比較的開通年度が新しいので建設費の償還を進めており、減価償却費が膨らんでいる事が赤字の大きな要因です。また大阪市営地下鉄全体の営業係数は72.3でした。こちらも大手私鉄の値が参考になると思います。阪急75.9、西武:78.1、小田急78.8、近鉄81.8、相鉄82.3、南海82.7~東急87.9、京王99.1(2013年度)