阪急電鉄と阪神電気鉄道は2022年8月3日付けのニュースリリースで、両電鉄の全駅にホーム柵などを設置しバリアフリー化を加速させる方針を明らかにしました!
阪急は2040年度末ごろまでに全86駅に、阪神は2042年度ごろをめどに全49駅にホーム柵を設ける計画です。2035年度までの整備費は、維持更新を含め阪急が900億円以上、阪神が320億円以上の巨費を見込んでいます。【出展元】
→阪急電鉄>全駅にホーム柵を設置するとともに、 全駅のバリアフリー化を目指します
→阪神電気鉄道>全駅へのホーム柵の設置を目指します
安全性向上の観点から、ホームドアの設置は急務と言えますが、ホームドアなどの安全保安設備やエスカレーター、エレベーターなどのバリアフリー化施策は、巨額の費用がかかる割に、すぐに利用者の増加に繋がる訳では無い、鉄道会社にとっては重い負担となる課題です。
これらの課題に対応する為、国は2021年に「鉄道駅バリアフリー料金制度」を創設。駅のバリアフリー化のため乗客に負担を求める制度で、整備費を運賃に上乗せして徴収し、ホームドアの設置を加速させる事になりました。
阪急電鉄と阪神電気鉄道は、同制度に基づく計画を国に提出。2023年4月1日に普通券と通勤定期券を値上げします。
値上げ幅は両社とも普通券が一律10円、通勤定期券が1カ月で380円、3カ月で1080円または1090円、6カ月で2050円または2060円。通学定期券は変更ありません。また、設備の維持更新費も国制度の対象で、値上げの料金は2036年度以降も継続予定との事です。
整備が必要なのは分かっているが、増収増益に繋がらず、費用負担が重すぎる。受益者負担の原則から考えると、「鉄道駅バリアフリー料金制度」を活用した今回の料金上乗せは妥当だと思います。
この「鉄道駅バリアフリー料金制度」に似た制度は「特定都市鉄道整備促進特別措置法」(特々法)による積み立て制度がありました。
特々法は、輸送力増強のための事業費を、利用者から前借りする形で運賃を値上げして積み立てる制度で、初乗り運賃に10~20円を上乗せして、複々線の整備や相互直通に必要な新型車両の導入等が行われました。東急・小田急・京王・西武・東武など、多くの関東私鉄がこの制度を活用して複々線化や、列車の長編成化を進めました。現在は特準備金の非課税を定めた税法上の優遇措置がなくなったため、特々事業の新規認定は事実上終了しています。
関西大手私鉄は、80年代の特々法が出来る前に自力で輸送力増強を実現し、私鉄王国関西の名をとどろかせていました。一方、90年代前半までは、関西私鉄に比べて貧弱なインフラだった関東私鉄は、国が創設した制度を活用して一気に輸送力増強を進め、今日では関西私鉄を凌駕するに至りました。
3枚目の写真を見ると大阪メトロと同じように
ホームをスロープ状にして車両との段差をなくすみたいですね
阪神は近鉄が乗り入れて来ますが、ホームドアどうするんだろう?昇降式ロープ柵とかにするのかな?
中津駅にホームドアを設置したら余計に狭くてなって大変です。
でも、こんな駅こそホームドアがいるのかな?