リーガロイヤルホテルを展開するロイヤルホテル(本社:大阪市北区)は、若い世代に向けたまったく新しいスタイルのホテルブランドを立ち上げます。2026年春には「アンカード・バイ・リーガ」が大阪・なんばに、同年秋には「バウンシー・バイ・リーガ」が福岡・博多に開業予定です。
これらのホテルは、「ライフスタイルホテル」と呼ばれるジャンルに属します。共通しているのは、ただ泊まるだけではなく、“その街を感じる時間”を提供すること。旅の記憶に残るような空間づくりが最大の特徴です。
なぜ新ブランドを立ち上げるのか?
リーガロイヤルホテルといえば、長年「格式」「安心」「高級感」の代名詞として親しまれてきました。しかし近年、旅行スタイルは大きく変わっています。
訪日外国人旅行者は団体ツアーから個人・少人数グループ旅行へとシフト。国内でも20〜30代の若年層が、旅に“体験”や“ストーリー性”を求める傾向が強まっています。さらに、SNSでのシェアや、街のローカル文化との接点を重視する“感性重視型の旅人”が増加しています。
こうした背景を受け、ロイヤルホテルは2024年に発表した「中期経営計画2026」において、ホテルブランドの再編に踏み切りました。その中核が、“感性”と“共感”を軸に据えた新たなブランドカテゴリー「X(エックス)カテゴリー」の創設です。
「アンカード」と「バウンシー」は、このXカテゴリーに属する第1弾ブランド。ターゲットを若年層に絞り、滞在体験そのものを価値として売り出すことで、宿泊単価の最適化とファン層の若返りを同時に狙っています。
大阪なんば「アンカード・バイ・リーガ」──アートと下町が混ざり合うホテル
2026年4月に開業予定の「アンカード・バイ・リーガ 大阪なんば」は、大阪・浪速区日本橋に立地。通天閣や裏なんば、オタロードといった個性あふれる下町カルチャーが近接しており、“大阪らしさ”を全身で感じられるロケーションです。
ホテル名の「アンカード」は「錨(いかり)をおろす」という意味で、旅の途中に立ち寄る“自分だけの拠点”をコンセプトにしています。
客室は200室で、2〜4人で泊まれるツイン・キングルームに加え、最大7名で使えるコネクティングルームも24室設けられます。防虫仕様の寝具や厚みのある特製マットレス、セパレートバス仕様など、若者のグループ旅行や家族連れにも配慮した設計です。
また、館内では関西を拠点とする4人のアーティスト(BAKIBAKI、木村英輝、鈴木ひょっとこ、はらわたちゅん子)による作品が空間全体にちりばめられており、ホテルそのものが“街の一部”として機能します。
朝は大阪名物の鉄板料理をビュッフェスタイルで、夜はカジュアルなパブとして地ビールや地酒とアラカルトが楽しめるなど、食の魅力もしっかり盛り込まれています。
<施設概要>
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所在地:大阪府大阪市浪速区日本橋
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建物規模:地下1階・地上15階建て(2025年冬頃竣工予定)
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客室数:200室(24~27㎡)
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客室構成:ツイン・キングルーム中心、24室がコネクティング仕様(最大7名対応)
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主要設備:レストラン(朝夜対応)、大浴場、サウナルーム、最新コインランドリー、湯上処(レトロ調)
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アクセス:大阪メトロ堺筋線「恵美須町」駅から徒歩約2分
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建築主:東急不動産株式会社
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設計・施工:株式会社プレジオ
福岡博多「バウンシー・バイ・リーガ」──“泊まれるバー”のようなホテル
2026年秋に開業予定の「バウンシー・バイ・リーガ 福岡博多」は、「HOTEL BAR」をキーワードに設計されたホテル。名前の「バウンシー」は“心が弾む”という意味を込めた造語で、福岡の活気ある夜を楽しむ若者に向けた提案です。
福岡市博多区祇園町に位置し、地下鉄「櫛田神社前」駅からすぐ。博多駅や中洲の屋台街へも徒歩圏内という、福岡らしい夜の楽しみ方にぴったりなロケーションです。
全117室の客室は18〜27㎡とコンパクトながら、ベッド下収納やシャワーブースのみの設計などで空間効率を最大化。最大4名まで泊まれるレイアウトは、アジア圏からの若者グループにも最適です。
そしてこのホテルの中心は、交差点からも目を引く2階のバー空間。クラシカルなカウンター、テラス席、朝食対応機能を備えた「滞在型バー」は、ホテルに戻った後も“夜の続き”を楽しめる設計になっています。
<施設概要>
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所在地:福岡県福岡市博多区祇園町5-1
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建物規模:地上11階建て(2026年夏頃竣工予定)
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客室数:117室(18~27㎡)
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客室構成:ダブル・ツインを中心に最大4名対応、ベッド下収納・シャワーブース仕様
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主要設備:バー&レストラン(朝食・夜営業)、テラス席付き、全47テーブル+カウンター・バー機能
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アクセス:福岡市地下鉄「櫛田神社前」駅徒歩すぐ、JR「博多」駅より徒歩約10分
若者世代との“再接続”──リーガロイヤルの次の一手

ロイヤルホテルが新ブランドを立ち上げた理由は明快です。時代が変わり、旅行者の価値観が変わったから。ホテルは「寝る場所」から「旅の一部」へと進化しつつあり、そこでどう過ごすかが旅の満足度を左右するようになっています。
「アンカード」と「バウンシー」は、それぞれの街の魅力をホテル内に持ち込み、泊まること自体が“その街に溶け込む体験”になるよう設計されています。
「ここ、なんかよかったよね」
「写真も撮ったし、また行きたい」
そんな会話が自然と生まれる、共感型のホテル。リーガロイヤルが見据えるのは、“信頼のブランド”から“心が動くブランド”へのアップデートなのかもしれません。
出典:
・ロイヤルホテル プレスリリース(2025年5月14日)
・公式サイト:https://www.rihga.co.jp/info-newhotel
・各種報道資料(日本経済新聞、共同通信、PR TIMES)