バブル後の厳しい時代を経てようやく形を表し始めたJR奈良駅西口の再開発。奈良駅西口には有名建築家による建築物が並んでいます。その中でも特に目を引くこの建物、「なら100年会館」は奈良市市制施行100周年の一環として1998年に竣工した多目的ホールです。大ホールは最大1,692人収容可能で奈良県では最大。設計者は有名建築家の磯崎新(いそざきあらた)さん。
ものすごく個性的な外観。浮上してきた原子力潜水艦にも見えますし、巨大な釜にも見えます。黒っぽい瓦タイル張りの外観が独特な雰囲気を醸し出しています。静岡市にある多目的ホール「グランシップ」も磯崎さんの作品だそうで見ると「なるほどな?」と思いました。
【スペック】
開館 – 1999年2月1日
設計 – 磯崎新
敷地面積 – 16,061?
建設面積 – 6,416?
延床面精 – 22,682?
規模 – 地下1階、地上5階
オープンしてから10年になりますが全く古くさくなりません。この壁の色使いと素材感が凄く良いです。手前に写っているペデストリアンデッキで奈良駅と直結されています。
謎の時計。
JR奈良駅前再開発第一ビル。イタリアの建築家アルド・ロッシさんがデザイン。テナントにはホテル日航奈良が入居、同ホテルは奈良県内で最大。
JR奈良駅のレインボーな部分は「青丹よし」を現代的にアレンジした「五彩の色」のカーテンウォール。
昨年からの厳しい経済情勢の為、マリオットホテルの計画が白紙になったのが残念です。他の地方なら「三顧の礼」で勧誘していたであろう「国際ブランド」のホテルだったからです。現状の奈良駅周辺はまとまりがなく寂しい感じですが、駅の高架化工事の進展に合わせて着実に一体感のある開発を進めてほしいと思いました。