堺市は、新たな交通システム基本方針「堺・モビリティ・イノベーション-SMI プロジェクト-(素案)」を作成し、南海高野線堺東駅 ~ 南海本線堺駅間のメインストリート「大小路線」に自動走行技術を搭載したバスタイプの次世代都市交通(ART)を導入する方針を明らかにしました。
今後、2022年度中に導入計画を作成、同年度末に設計や実験などの準備に入り、2025年の日本国際博覧会会期前後の運行開始を目指す予定です。また、現在、鉄道空白地帯となっている美原区と都心の間にはバス高速輸送システム(BRT)も取り入れます。
【出展元】
→堺市>新たな交通システム基本方針 堺・モビリティ・イノベーション-SMI プロジェクト-(素案)を公表します
→日刊建設工業新聞>堺市/新交通基本方針素案策定/大小路線(南海電鉄堺東~堺)に自動走行バス導入
堺・モビリティ・イノベーション(SMI)プロジェクト
堺市は南海本線や南海高野線、JR阪和線などが南北に走っていますが、東西を結ぶ公共交通機関は乏しく、長年の課題となっていす。市は次世代型路面電車(LRT)の導入を検討しましたが実現には至っていませんでした。
今回発表された基本方針素案に盛り込んだARTとBRTなどの取り組みは「堺・モビリティ・イノベーション(SMI)プロジェクト」と名付けられました。
高野線堺東駅~南海本線堺駅間のメインストリート「大小路線」を結ぶ、自動走行技術を搭載したバスタイプの次世代都市交通で、停車場や車両の混雑状況に応じた隊列走行や、信号制御と連携した定時運行、他交通との乗継連携などを使い、レベルの高いサービスを提供する交通システムですで、長年の課題だった堺市の東西交通問題に一定の答えを出すものとなっています。ART路線「SMI都心ライン」
ART路線「SMI都心ライン」は高いデザイン性と環境性能、柔軟性、拡張性を備えた車両に最先端技術を実装。隙間も段差もないARTの停車場に車両が決められた位置に停車する制御技術とスムーズな加減速を行える自動運転技術を備え、車いすなどでも安全に乗降できるようにします。
また、停車場や車両の混雑状況に応じた隊列走行や、信号制御と連携した定時運行、他交通との乗継連携などを使い、レベルの高いサービスを提供する方針です。
中間地点にある大小路交差点では、阪堺電気軌道(大阪市)阪堺線大小路駅と「シームレスな乗り継ぎ施設」を整備。天王寺などからの阪堺線と堺市中心部との観光や飲食需要などの相乗効果を狙います。
BRT路線「SMI美原ライン」
BRTは鉄道空白地帯となっている美原区と堺市都心部の間に導入されるバス高速輸送システムです。高い環境性能(脱炭素化)とシンボル性を誇る車両・停留施設、定時性・速達性の高い交通システムを目指し、優先・専用レーンや信号制御との連携等による定時運行を目指します。2022年度から実証実験を先行し、検討を重ね早期導入を目指す方針です。
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