JR西日本は2022年8月19日付けのニュースリリースで、2021年12月に創設された国の鉄道駅バリアフリー料金制度を活用して、2032年度までに関西圏の「電車特定区間」や山陽新幹線の新大阪駅など全211駅(603番線)にホーム柵などバリアフリー設備を整備すると発表しました。また同日に、近畿運輸局に2027年度までの料金設定と整備計画を届け出ました。整備費は474億円を見込んでいます。
同社は2021年度末時点で32駅(89番線)にホーム柵を設置しており、近畿圏では阪急・阪神・京阪・大阪メトロが同様の制度を活用したホーム柵設置を発表しています。【出展元】
→JR西日本>鉄道駅バリアフリー料金制度を活用してバリアフリー設備の整備を加速してまいります
→日刊建設工業新聞>JR西日本/駅のバリアフリー化加速、32年度まで211駅にホーム柵など設置
JR西日本が先行整備するのは、大阪環状線や京都線の大阪~京都間、神戸線の大阪~西明石間、阪和線の天王寺~和歌山間、大和路線のJR難波~奈良間など京阪神を中心とするエリア。大阪や三ノ宮、天王寺、神戸、明石など利用者が多い15駅(42番線)に可動式または昇降式のホーム柵を設置するほか、2027度末までに尼崎や新三田、野洲、亀岡、関西空港などを含めた25駅(78番線)を整備します。
また、ホーム柵の代わりに、ホームに設置したセンサーが乗客の転落を検知する「ホーム安全スクリーン」を、同年度末までに84駅(245番線)に整備します。このほか、エレベーターやエスカレーターの設置とともに、段差解消など駅施設のバリアフリー化を進めます。
JR西日本は、バリアフリー化の工事費に充てるため、先行整備エリアの利用者を対象に2023月4月から普通運賃に一律10円を加算する。2025年度をめどに東海道線の野洲や山陽線の網干、福知山線の新三田駅までの区間などに拡大することを想定していますが、運賃体系の共通化が課題となり、「関係機関と調整の上、検討を進める」との事です。
今回の届け出は2027年度までですが、同社では2028年度以降も同制度を活用して整備を続ける予定です。2033年度以降は順次、ホーム安全スクリーンをホーム柵に置き換えます。