毎日新聞のWeb版が伝えるところによると、大阪府は御堂筋の高さ制限について、現在の高さ50mから200mまで規制を緩和する方向で検討している、との事です。これは気になるニュースです。
※追記:久々に投票所を作成してみました。
大阪の都心の真ん中を南北に貫く御堂筋の様子です。御堂筋では景観保全のため、戦前から「百尺(約31m)規制」が敷かれ景観が守られてきました。1995年には新しい基準が策定され、淀屋橋から本町までの 約1kmの区間については、建物を沿道から4mのセットバックを義務付けし軒高は50mに制限、50mを超える高層部分をセットバックさせることで、50mの軒線の形成を目指す事となりました。

少しアップで見た御堂筋の様子です。95年に新基準が策定されて以降、徐々にビルの建て替えが進んでいますが、新基準に準拠したビルと従来の100尺制限のビルが混在しており、高さがピッタリとそろった以前の美しいスカイラインはすでに崩壊しています。

今回の緩和プランは、95年に策定された、50mの軒線形成を目指す新基準をベースに、高層部分の規制を200mまで緩和するという大胆な構想です。
御堂筋は大阪を代表するメインストリートなので、賛否両論があると思いますが、オフィス街としての勢いがなくなりつつある事は事実なので何らかの活性化作は必要なのではないでしょうか。個人的には100尺制限時代の美しい軒線はすでに崩壊しており、デコボコしている現状を見ると、50m軒線の形成を早めてくれそうな、高層部分の高さ規制を緩和する今回のプランは概ね賛成です。ただ、高層部分の高さも揃えないとヒドイ景観になりそうなので、そこは心配です。敷地面積が狭いビルもあるので高さ200mで統一するのは難しいと思います。高層部分は、軒線の高さ50m*3で150mに統一するのが良いかもしれませんね。さて、大阪府からは、どんな案が出てくるのでしょうか??
御堂筋:「日本のマンハッタンに」高さ制限緩和を検討
【記事引用元】→毎日jp
大阪市のシンボル道路・御堂筋について、一部沿道の建物に課されている50メートルの高さ制限を、大阪府が200メートルまで緩和する方向で検討 していることが分かった。早ければ13年度から実施し、オフィスだけでなくマンションや大学・研究機関の集積を図る。府は40年後に御堂筋から車道を撤廃 して公園化する構想も検討中。約4キロの沿道を高層ビルが建ち並ぶ米ニューヨーク・マンハッタンのように変貌させるもくろみだが、市民らの中には「今のま まですてきなのに」という声もある。
御堂筋では景観保全のため、戦前から「百尺(約30メートル)規制」が敷かれていたが、95年に緩和。現在は北区の淀屋橋地区から中央区の本町地 区までの約1キロの区間について、建物を沿道から4メートル以上後退させ、通りに面する外壁の高さを50メートルなどとするよう指導している。制限の緩和 に条例改正などの必要はないという。
府の構想案では、高さ制限の撤廃は沿道でのビルの建設や改築が対象。日当たりを確保するため高さ50メートル地点で段差を設ける▽上層階部分は沿道から10メートル以上離す▽段差部分は芝生を敷くなど「空中庭園」を造るよう奨励する--としている。
新たな御堂筋のコンセプトを「居・職・学エリア」とし、従来のオフィスに加え、ビル上層階にマンションや大学・研究機関を誘致することを想定。都 市のグランドデザインについては府のプロジェクトチームが設けられており、具体案は今後、府市統合本部で市と協議しながら詰める。
府関係者は「御堂筋を日本のマンハッタンにしたい。同時に世界一美しいと言われるパリのシャンゼリゼ通りに匹敵する緑豊かな美しい景観を目指す」と話している。
一方、構想には疑問の声も。本町で働く男性会社員(32)は「最近の御堂筋はオフィス街としては寂しいので、にぎやかになるのは歓迎。ただ、人気 がある施設でもないとたちまちあきられる」。よく買い物に来るという同府茨木市の主婦(63)は「御堂筋はイチョウ並木と建物の高さをそろえた統一感が魅 力。今のままでよいのでは」と話す。
毎日新聞 2012年2月10日 15時41分(最終更新 2月10日 18時51分)



