近鉄5200系電車は、近畿日本鉄道の通勤電車で、大阪線・名古屋線の急行や快速急行などの長距離列車、及び団体専用列車向けに製造されました。5200系は転換式クロスシート採用した3ドア車の草分け的存在であり、その後に登場したJR西日本221系など後の近郊形電車に多大な影響を与えたエポックメイキングな車両です。
【設計コンセプト】
• More Comfortable(より快適性を求めた車両とする)
• Multi Purpose(朝夕の通勤通学輸送、昼間の長距離急行輸送、団体運用のいずれにも適した車両とする)
• Modern technology(最新技術を導入し、保守の合理化と省エネ化を図る)
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5200系は初期車の落成から約20年前後が経過しており、後に投入された5800系やシリーズ21の車両と比べると内装面での見劣りや車内設備の老朽化が目立ってきたため、2007年から車体更新が開始されました。2011年4月までに5200系5201F – 5208Fが、2012年10月から2013年3月にかけて5209系が、同年11月から2014年2月にかけて5211系5211F・5212Fが高安検修センターにて車体更新が行われました。
【更新内容】
・内外装材、座席モケットの張り替え
・ドアチャイムの標準装備、雨樋・各車両に車椅子スペース・LED式車内案内表示器・乗降扉横に手すりの設置
・テーブル・補助席の撤去
・車内非常通報装置の通話機能付きへの更新および設置位置の変更
・Tc車に設けているトイレの洋式化および室内改修
・乗降扉付近の仕切り壁をL/Cカーに準じた化粧板タイプに交換
・ロールカーテンのブラインドをシリーズ21と同様のタイプに交換
側面行先表示器はオーソドックスな幕式です。
連結面の様子です。車体更新に伴い車椅子スペースが設けられました。
車内の様子です。オール転換クロスシートの車内は、まるで特急車の様なグレードの高さです。
もっちりとした質感の転換クロスシートは座り心地も良いです。
5200系のグレードの高さを物語るのがこの肘掛け。幅があり開口部がない肘掛けには表裏両面にモケットがはられており高級感を醸し出しています。
昇降ドア付近には仕切り板が設けられ座席と立席空間を隔てています。以前あった補助席は車体更新に伴い無くなりました。
昇降ドア付近の様子です。仕切り板と座席の位置関係はこんな感じです。
ドアーの上部には3色LED方式の情報案内装置が千鳥配置で設けられました。
天井付近の様子です。近鉄伝統の三角の蛍光灯グローブが目を引きます。
車椅子スペースの様子です。
トイレ付近の様子です。
転換クロスシートの3ドア車というジャンルを確立した5200系。その後に登場した221系などの近郊形に多大な影響を与えましたが、5200系自身は4連✕13本と比較的少数の増備で終わり、その後に登場するL/Cカーがその役割を受け継ぎました。5200系は13本中4本が大阪線で、残り9本が名古屋線で活躍しています。