
2015年3月に金沢まで延伸開業を果たした北陸新幹線は、現在金沢〜敦賀間までのルートが決まり、2022年の開業を目指して事業が進められています。ただ、敦賀から西側の大阪方面のルートは、①米原を経由し東海道新幹線に乗り入れる「米原ルート」、湖西線を改築、またはフリーゲージトレインを使って乗り入れる「湖西ルート」、③小浜市付近を経由しそのまま新大阪にいらる「小浜ルート」の3案が検討されてきましたが、JR西日本は小浜駅(福井県小浜市)と京都駅(京都市)を通る第4のルート「小浜・京都ルート」を新たに策定しました。
小浜・京都ルートは小浜市から南下して大津市付近を通り、京都駅、新大阪駅につなげる計画です。国内屈指の観光地である京都を経由する事で旅客需要が見込め、景勝地のある小浜周辺など沿線への経済波及効果も大きいです。JR西日本は、観光需要取り込みや経済効果などで新ルートが有利と判断、政府や自治体に提案していく。
敦賀駅から先については、与党の検討委員会が建設費や所要時間、経済効果などを分析し、2年以内に結論を出す見通し。新幹線の運行主体であるJR西日本の新ルートは有力候補として検討されることになりそうです。
【出典元】
→東洋経済オンライン>得をするのは誰か?北陸新幹線の新案浮上
→産経WEST>関西広域連合が「米原ルート」撤回 敦賀以西でのJRの新提案「小浜―京都ルート」受け

さらに、関西広域連合は、北陸新幹線の敦賀から大阪への延伸ルートについて、米原駅で東海道新幹線と接続する「米原ルート」を支持する従来の方針を事実上撤回しました。JR西日本は福井県小浜市と京都駅を経由する「小浜-京都ルート」を、与党検討委員会で提示しており、このルートが有力候補として絞り込まれました。
JR西日本が提案した第4のルート「小浜・京都」ルートですが、京都駅には大津市側から大深度地下トンネルで京都駅地下に乗りれる事になりそうです。以前の報道記事では京都〜新大阪間も大深度地下トンネルで建設する、との記述がありましたが、これは建設コストが掛かり過ぎるので、おそらく京都駅西側のどこかで地上に上がり、JR京都線の直上に高架線を建設する「直上高架方式」になるのでないでしょうか?特に高槻〜新大阪駅間には、貨物線など遊休地もチラホラみられるので、それらを活用しつつ高架線を建設し、新大阪駅には東海道新幹線と「L字」型の配置で新ホームが建設されると思います。
いきなり有力案として浮上してきた第4のルート「小浜・京都」ルート。JR東海から見ると、輸送力が限界に近い東海道新幹線に北陸新幹線を乗り入れさせる余力は無い、JR西日本からすると、米原ルートはドル箱である北陸特急の収益をごっそりJR東海に渡す事になる為、JR東海・西日本、共に米原ルートには否定的です。また有力視されていたフリーゲージトレインによる湖西線乗り入れ案は、FGTの開発の遅れから実用化の目処が立たない状況で、その為、第4のルートが有力視される様になってきました。個人的にはこの第4のルートが最善案のだと思っているので、是非とも全線フル規格で実現して欲しいと思いました。

