【再都市化ナレッジデータベース】

近鉄50000系電車『しまかぜ』(カフェ車両<食堂車>編)



観光特急『しまかぜ』の最大特徴と言えるのがカフェ車両。カフェテリア車はダブルデッカー構造で、1階に6席、2階に13席が用意されています。今回は、非常に「レア」な存在となったカフェ車両(食堂車)を中心にご紹介したいと思います。

 

近鉄50000系電車『しまかぜ』(外観編)



近鉄50000系電車『しまかぜ』(車内・プレミアムシート編)



近鉄50000系電車『しまかぜ』(サービス設備編)


定期列車から姿を消した食堂車


新幹線100系の食堂車

鉄道の楽しみの1つだった食堂車は時代とともに数を減らしてきました。昔に比べ新幹線や飛行機の発達により乗車時間が短くなった事やコンビニや駅ナカ施設の充実、事業者側の経費削減や効率化の圧力など、時代の変化により食堂車の存在意義が薄れた事が原因です。

国内の食堂車は、2000年に東海道・山陽新幹線「グランドひかり」での営業終了により、事前予約が必要なツアー列車やレストラン・トレインなど「企画モノ」ではない、定期運行列車で乗客が予約なしで気軽に出向いて注文出来る食堂車は消滅しました。

 

 

定期運行の私鉄特急にビッフェが蘇る!


しまかぜのカフェ車両の2階席

非常にレアな存在となった食堂車ですが『しまかぜ』に「カフェ車両」として復活しました。一私鉄である近鉄が定期運行列車向けに食堂車を新造投入した事は特筆に値します。

 

 

 

 

 


厨房・販売カウンター

しまかぜのカフェ車両は予め車外で調理されたものを電子レンジで加熱するなどして提供する簡易的なビュフェ形態ですが、流れる車窓を愛でながら暖かい食事を採る体験は他に代えがたい貴重なモノです。

 

 

近鉄伝統の2階建て車両


近鉄伝統の2階建て車両

しまかぜのカフェ車両はダブルデッカー構造の2階建て車両です。カフェテリアは座席指定がなく予約はできません。カフェ室は1階・2階に別れており車端部の平床には厨房・販売カウンターがあります。

 

 

 


カフェ車両の片側には平床通路があり、カフェ室を避けて通り抜けが可能です。

 

 

 

2階席を体験し感動を味わう!


2階には13席の回転椅子があり伊勢湾側の窓にカウンター設置されています。大型窓からの眺望が素晴らしいです!

※この記事のカフェ席の写真はアテンダントさんにご協力頂き、営業終了に撮影させて頂きました。

 

 

 

 


デザイン性に富んだ回転椅子はかなり小ぶりでした。

 

 


2階席からの眺めはこんな感じです。流れる車窓を愛でながら暖かい食事を頂く。他に代えがたい貴重な体験でした。

 

 

 


2階席から下を見下ろした様子です。2階席の片方は締め切られており通り抜けは出来ません。

 

 

 

 

 


アテンダントさんが貸してくれた「しまかぜ」のぬいぐるみ!

 

 

 

流れる車窓を愛でながら暖かい食事を楽しむ!

 



2階席からの眺めを堪能した後に料理を頼みました。カフェ車両のメニューは時期によって変わりますが、暖かい食事は「海の幸ピラフ」「松阪牛カレー」「松坂牛重」の3種がありました。その他にも、しまかぜ弁当、ビールなどのアルコール類、コーヒー、ケーキ、しまかぜグッズなどが販売されています。支払いは現金の他に交通系ICカードが利用可能ですが、JR系の決済端末が採用されている為、ICOCAは使えますが、PiTaPaは使用できません。

 

【出展元】
しまかぜ>車内メニュー

 


車内に設置されていたメニューです。この他にもソフトドリンクやケーキ類、グッズなどバラエティ豊かな品揃えでした。

 

 

 


海の幸ピラフ。パエリア風の味付けでした。

 

 

 


松阪牛カレー。ホテル風の味付けで普通に美味しいです。

 

 


松阪牛重。味は良いですが、ちょっとボリューム不足かな。

 

 

1階席は隠れ家的なスペースでワクワク感あり!


こちらは1階の様子です。ソファタイプの独立した席が6席あります。隠れ家的な雰囲気があり、ちょっとした秘密基地感覚が味わえます。

 

 

 


2階席よりも大ぶりのソファ席でユッタリ度はこちらが上でした。圧迫感を軽減させる天井のデザインが秀逸です。

 

 

 


カウンターテーブルの様子です。カーテンの柄や照明器具がレトロ感覚満点です。

 

 

 

 

 


1階奥には液晶テレビと空気清浄機が設置されています。

 

 


座席のアップです。

 

 

 

他の交通機関には無い「ゆとり、癒やし、楽しみ」を提供



現代は効率性とスピードを追い求め、サービスを受ける側も提供する側も余裕をそぎ落とした、ソリッドなサービス内容に収斂しつつあります。

しまかぜは、効率化とスピードを追求する時代に逆行するかの如く真逆のアプローチで、他の交通機関には無い「ゆとり、癒やし、楽しみ」を提供する事で付加価値を生み出しプレミアム感の醸成に成功しました。2020年の令和の時代に一私鉄がカフェ車両を定期運行している事は賞賛に値すると思います。

 

 

 



特集の1回目にも書きましたが、しまかぜは車両単体で収益を上げる事が難しい、採算を度外視した普通なら有り得ない特急電車です。近鉄が開発してきた伊勢志摩エリアのホテルや観光施設など自社グループトータルでの収益を考える事で実現できた特別な特急電車と言えると思います。今でも予約する事が難しいほどの人気を集ていますが、乗る価値がある本当に素晴らし車両でした。

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