J2リーグ所属のいわきFCは、新たなホームスタジアム「IWAKI STADIUM LABO(仮称)」の建設地を、福島県いわき市の小名浜港エリアに選定したと発表しました。開業時期は、東日本大震災から20年の節目にあたる2031年シーズンを予定しており、地域創生と復興を象徴する拠点として大きな期待が寄せられています。
小名浜の海辺に広がるスタジアム構想
建設予定地は、小名浜港に隣接する約28,000㎡の県有地で、現在は緑地と駐車場として利用されている場所です。周辺にはアクアマリンふくしま、イオンモールいわき小名浜、いわき・ら・ら・ミュウといった観光施設が集積しており、スタジアムの整備によって観光回遊性の向上と地域のにぎわい創出が期待されます。
新スタジアムはJ1ライセンス取得に必要な1万人規模の収容人数を想定しており、スタンドと一体化した5階建ての複合施設も計画。商業・飲食・学習・イベント機能などを取り込むことで、試合のない日でも人が集う“日常的に開かれた場”を目指しています。
「学び」と「創造」の場としてのスタジアム
仮称に用いられている「LABO(ラボ)」は、単なる競技施設ではなく、“学び”“つながり”“創造”をキーワードに据えた空間構想を示しています。敷地の約3分の1には多目的広場が整備され、地域の子どもたちの遊び場やイベント会場として開放。公共性を重視した開かれた都市空間の形成を目指します。
この構想は、いわきFCが進める「IWAKI GROWING UP PROJECT」の一環であり、クラブは市民やユース世代の意見を反映する「スタジアムボイス」収集活動も実施。ハード整備にとどまらず、地域とクラブが共に育てるプロジェクトとして推進されているのが特徴です。
地域経済への波及効果と課題

新スタジアムへの期待は、地域の観光・商業施設からも高まっています。「新たな人の流れが小名浜に生まれる」「サポーターによる地域消費の拡大に期待」など、交流人口の増加が経済の起爆剤になるとの声も聞かれます。
一方で、課題も浮き彫りになっています。最寄りのJR泉駅からスタジアム予定地までは約4kmと距離があり、アクセス整備は急務です。シャトルバスの導入や道路整備、公共交通との連携強化に加え、現在敷地にある約800台分の駐車スペースの代替手段も必要とされます。
Jリーグ基準への対応と今後の動き
いわきFCは現在、Jリーグの施設基準の例外規定によりJ1クラブライセンスを取得していますが、今後の本格的なJ1参入に向けては、新スタジアムの整備が不可欠です。Jリーグ規定により、2025年6月末までに計画提出、2027年6月末までに着工が求められており、今後の動向が注目されます。
スタジアム構想は、2023年に発足した市民や有識者約20人による「スタジアム検討委員会」によって議論されてきたものであり、今後は設計や予算などの詳細を詰めたうえでJリーグへの正式な計画提出を予定しています。
震災20年の節目に、新たなまちづくりの象徴を
本プロジェクトは単なるスポーツ施設整備にとどまらず、復興・創造・学びといった地域の未来を象徴する都市づくりの試みとして位置づけられています。いわきFCの大倉智社長は「地域創生のモデルケースとして全国に広がることを願っている」と述べており、スタジアムの完成は、いわき市のランドマークとして全国から注目を集める起点となりそうです。
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