報道各社は、JR西日本が兵庫県明石市に大規模な新幹線の車両基地を計画していると伝えました。リニア大阪延伸を見越したダイヤ増発に加え、近年多発する豪雨や南海トラフ地震などの災害に備える危機管理対策の為に計画されているとの事。山
陽新幹線の大規模な車両メンテナンス基地は博多総合車両所しかなく、一部区間が不通になった場合は車両の融通が制約されます。新基地が整備されれば柔軟なダイヤ運用が可能になります。計画地は山陽新幹線とJR神戸線にはさまれた明石市魚住町内の農地です。候補地は、兵庫県の「千年に一度」の大雨想定による河川洪水で、ほとんどが50センチ未満か浸水が想定されない区域です。車両基地は5m程度の盛り土を予定し、水没を防ぐ計画です。
【出展元】→明石車両基地、災害時に利点 JR西の新幹線計画
山陽新幹線に直通する九州新幹線さくら
山陽新幹線は、大規模メンテナンス基地が博多総合車両所しかなく運用効率に問題がある事に加え、根本的な車両の留置余力が逼迫している為、増発がままならない状態です。同社の屋台骨といえる山陽新幹線にリミッターが掛かっている状態は非常にまずいです。JR西日本の成長戦略を考えると、明石の新車両基地は非常に重要な計画といえます。
東海道・山陽新幹線を一体で経営していた国鉄時代は、摂津市の鳥飼基地で両新幹線とも運用できましたが、分割民営化で鳥飼基地は東海道新幹線を経営するJR東海の単独所有になり、山陽新幹線を経営するJR西日本は終点の福岡基地だけになって車両配備などの運営が難しかったのでしょう。リニアが新大阪まで開通すると、東海道、山陽の相互乗り入れがぐんと減ることが予想されるので、JR西日本としては大阪側に単独で使える車両基地がどうしても必要となるのでしょう。