奈良市内のJR関西本線で2021年度から鉄道の高架化工事が始まります。奈良県は高架区間に設置する新駅と駅近くに整備する京奈和自動車道(仮称)奈良ICを生かしたまちづくりを進める方針を打ち出しており、奈良市と連携して市南部の拠点開発に取り組みを進めます。2021年1月28日に県とJR西日本が鉄道高架化に関する工事協定を締結しJRが仮線工事を始めます。新駅部を除く工事費は131億円を予定しています。
【出展元】→八条・大安寺周辺地区まちづくり基本構想について
→(仮称)奈良インターチェンジ周辺まちづくり計画 基本構想
→西日本旅客鉄道関西線奈良・郡山間高架化事業における弾直有道床化工事について
高架化されるのは大和路線奈良駅の南側で、大安寺踏切北側から中八条踏切南側までの延長1880m(奈良市大森町~八条4)。両踏切に加え、南大安寺、八条の計4カ所の踏切が撤去されます。JR線の東側に設ける仮線(上下線)部の用地買収はほぼ終えており、2021年度から仮線路の整備に着手。仮線に切り替え後、本線の軌道を撤去し、高架本体工事を進めます。
新駅については、高架化工事が進んだ段階で整備に着手するとの事です。認可時の事業期間は2021年度までですが、現在、事業期間を延ばす手続きが進められています。
奈良市が2016年3月に作成したIC周辺まちづくり(約32.3ha)の基本構想では新駅の両側に駅前広場を設置し、東側にホテルや商業施設、観光施設、スポーツ・レクリエーション拠点などを誘致。その周辺に住宅ゾーンを設ける構想です。西側はリハビリテーション施設やデイケア施設などを集め、健康福祉機能を位置づけられました。
2017年6月には奈良県と市が協働して八条・大安寺周辺地区まちづくり基本構想を策定、まちづくり懇話会や同ワーキングを設置してまちづくりのコンセプトや事業化に向けた検討を進めています。人工知能(AI)などを用いたAIタウンの構想があり、2021年度に基本構想を策定し、2022年度に事業計画をまとめる予定です。県と市では県内初のICと鉄道駅の結節による県内の周遊性の向上を図る方針です。
「JR新駅周辺地区」における奈良 ・奈良市とJR西日本が連携協定を締結
JR西日本は2016年5月18日には発表したニュースリリースで、JR奈良駅と郡山駅の間に新駅を設置し、奈良県・奈良市との間で、新駅周辺地域と鉄道が共生し、地域と鉄道との持続的な発展に関して、連携と協力に関する協定を締結したと発表しました。新駅は郡山駅から約3.0km、奈良駅から約1.8kmの地点に設けられます。近くには済生会奈良病院や、奈良県立奈良朱雀高等学校が立地しています。これに伴い大和路線の線路も一部高架化されるとの事です。
【出典元】
→「JR新駅周辺地区」における奈良県、奈良市と西日本旅客鉄道株式会社との連携協定締結について
【連携協定の趣旨】
①「JR新駅周辺地区」のまちづくりの核となる都市施設である「西九条佐保線の平面 道路化・JR関西本線の高架化・新駅設置」について、平成27年11月27日に都市計画 変更を終え、平成28年度より新規に事業がスタート
③このタイミングにおいて、県・奈良市・JR西日本での連携体制を一層強化し、JR 新駅を中心とした当該地区の持続的なまちづくりの推進に向けて、事業のキックオフを行うもの
【連携協定締結の位置づけ】
◆「奈良県と奈良市のまちづくりに関する包括協定」(H27.1.23締結)の対象地区と なっている「八条・大安寺周辺地区」の一部である「JR新駅周辺地区」において、 JR西日本も含めた3者が連携して行う、まちづくりに係る基本的な取組み事項を 定める。
【連携事項】
(1)JR奈良駅と郡山駅間に設置するJR新駅およびその周辺の整備に関すること。
(2)JR新駅を中心としたまちづくりやアクセス環境整備に関すること。
(3)JR新駅周辺地区を中心とした観光振興に関すること。
(4)JR新駅の利便性・快適性向上および利用促進に関すること。
(5)JR新駅周辺地区の安全・安心の確保および災害対策に関すること。
2024年5月の様子
現地の様子です。前回の取材が2023年1月だったので、約1年4ヶ月ぶりの撮影です。JR西日本は2024年4月13日の夜間に、奈良駅~郡山駅間の高架化事業(延長1880m)で、線路を仮線に切り替える工事を実施、仮線に切り替えられました。写真右が仮線、左が既設線です。今後は既設線を撤去し、高架橋を構築します。
奈良駅方面の仮線の様子です。
天王寺方面の仮線の様子です。
撮影ポイントを変えて新駅予定地付近の様子です。
反対側の様子です。少しつづインフラ整備が行われています。
新駅西側の様子です。
ジワジワと工事が進んでいる大和路線・大和郡山〜奈良間の高架化工事。奈良県は2028年度の完成を目指しています。
2023年1月の様子
現地の様子です。前回の撮影が2022年2月だったので、約1年振りの取材です。
久々に現地を取材すると、高架化に向けた仮線の設置工事がかなり進んでいて驚きました。
仮線に敷設されるPC枕木がズラリとならんでいます。
仮設線を見通した様子です。この写真は天王寺方面を見ています。早くも架線柱が立てられており、想像以上に工事の進みが早いです。
アップで見た様子です。現在線を仮設線に移転させ、跡地に高架橋と新駅を設置する流れとなります。
こちらは奈良駅側の様子です。既に線路が敷かれているではありませんか!メチャクチャ工事が早いですね。
最後は奈良方面をアップで見た様子です。
2022年2月の様子
現地の様子です。前回の撮影が2021年8月だったので、約6ヶ月振りの取材です。
現地に掲示されていたパネルを撮影しました。施工箇所はこんな感じですが、この工事はJR大和路線の高架化ではなく、それに関連する『大和北道路奈良IC中地区改良工事』でした。工事内容は構造物撤去、仮施工で、擁壁工の支持地盤の安定の為に行う地盤改良工事となっています。工期は2021年2月〜2022年3月末までです。
京奈和自動車道を構成する「大和北道路」の工事ですが、大和路線の高架化と新駅建設にも密接に関わってくる工事といえます。
新駅はこの辺りに設置される予定です。
高架化工事に向けて仮線の構築が始まるのでしょうか?PC枕木が山積みされていました。
大阪に向けて疾走する大和路快速。
田んぼを貫く様に新しい用水路?が作られていました。
最後は工事西端付近の様子です。
2021年8月の様子
現地の様子です。取材時には工事前に行われる埋蔵文化財調査が行われていました!
新駅部分の様子です。近い将来、このあたりに高架の新駅が設置されます。
高架化工事の着工に向けて迂回路が設置されていました。
済生会奈良病院と絡めて見た様子です。
最後は郡山方面を見た様子です。このあたりに京奈和道の奈良インターが設置される予定です。
JR西日本/大和路線奈良~郡山間高架化で仮線切り替え、上下線同時に夜間工事(建設工業新聞)
https://www.decn.co.jp/?p=162761
JR西日本は13日夜、奈良県との工事協定に基づき進めている関西本線(大和路線)奈良駅~郡山駅間の高架化事業(延長1880メートル)で、線路を仮線に切り替える工事を実施した。利用者や周辺住民への影響を低減するため、上下線同時に一晩で切り替えを行った。約600人の作業員が軌道や架線などを移設し、14日未明に作業を完了。通常ダイヤ通りの始発列車運行にこぎ着けた。
大安寺・なら南 とか絶対にやめてほしいですね。歴史が刻んできた地名ですから敬意を表していく姿勢は当然です。もう「ひらがな」書きとか、観光客誘導みたいな副名称はお腹一杯です。
新駅は大安寺駅とかになるんでしょうかね。JR西日本だから東日本みたいな事はしないと思うんですが。
大安寺踏切も除去されるということは、その奈良駅寄りの高架スロープ部分も壊して完全に連続立体交差にするんですね。費用ケチって「奈良駅出発~スロープで地上に降りる~新設スロープですぐ高架に上がる~高架新駅」って流れになったら嫌だなぁと思っていたので朗報です。
ようやくと言ったところですが…まぁ奈良なので…
京奈和自動車道、いつまで経っても完成しませんしねぇ。
畠田付近の拡幅も、この程度の事に何十年かかっているのかと言う感じ。