2021年7月14日に「国際金融都市OSAKA推進委員会」第2回幹事会が行われ、大阪府・市が取り組む「国際金融都市構想」の実現に向けた戦略素案が明らかになりました。今回の幹事会では、戦略策定の趣旨、世界の潮流と日本(大阪)の状況などの環境分析を踏まえ、重視すべき視点から「金融をテコに発展するグローバル都市」と「金融のフロントランナー都市」という2つの都市像を掲げて取り組む事が提案されました。この2本柱で世界の金融ハブを目指す構想です。
【出展元】→国際金融都市OSAKA 戦略骨子素案(たたき台)
「金融をテコに発展するグローバル都市」は、アジア・世界の活力を呼び込み、フィンテック活用で国内外から資金調達し関西のスタートアップを支援。「金融のフロントランナー都市」では環境や社会課題解決への貢献を重視するESGファイナンスなど先進的な金融機能対して先駆けた取組みで世界に挑戦する事が提案されました。
また、構想実現のため重点的に取り組む項目として、ベンチャー企業および地域活性化のための資金調達の支援、ESGファイナンス先進地域に向けた取組み、エッジの効いた先駆的な金融商品・市場の形成、金融サービスに関する規制の緩和に向けた働きかけ、金融分野における高度人材の育成などが上げられました。
取組期間は、短期(2025年大阪・関西万博まで)、中期(2030年)の期間を設定し、都度レビューして、 その時の情勢を計画に反映しつつ、最終年度(2050年 世界/日本 :カーボンニュートラル目標年度)を見据えて、長期に取り組むを想定しています。今後は、9月上旬をめどに戦略の骨子を固め、詳細な実施策を加えた最終案を2022年春までに策定。22年度から具体的な実行に移す計画です。
国際金融都市構想は国が推進する施策の一つで、大阪のほか、東京都と福岡県が名乗りを上げています。大阪のめざす国際金融都市像
1:世界の活力を呼び込み「金融をテコに発展するグローバル都市」
◆基本的考え方
・ 地域の発展のため、大阪・関西万博などを契機としたまちづくり
・イノベーション推進やスタートアップの成長に向 け、国内外から投資が流入・循環することが必要。
・ また、自然災害等を見据えた補完的役割を通じた金融のレジリエンス(強靭化)向上のほか、金融リテラシー向 上などを通じた国内市場の活性化が必要
◆めざす姿の具体的なイメージ
・スタートアップ等へのフィンテックなどを活用した多様な資金調達により成長を支援するエコシステムの拠点
・日本の金融機能におけるレジリエント(強靭)な都市
・金融リテラシーが高く投資が活発な都市
重点取組
(1)魅力的なまちづくりに向けた金融面からの推進
(2)ベンチャー企業および地域活性化のための多様な資金調達方法の支援
(3)レジリエンス向上のためのデュアルオペレーション
(4)国内の金融市場の活性化
2:先駆けた取組みで世界に挑戦する「金融のフロントランナー都市」
◆基本的考え方
・金融において大阪・関西らしいエッジの効いた取組みを通じ、企業や人を惹きつける求心力を高めることが重要。
・デリバティブやESGファイナンスの特定分野などにおける先駆けた取組みや金融サービスにおいてこれまでになかった取組みが展開されることが必要。
◆めざす姿の具体的なイメージ
・エッジの効いた金融商品の開発によるアジアにおける先駆的なデリバティブの拠点
・ESGファイナンスの先進都市
・革新的な金融社会実験・実装が可能となる都市
重点取組
(1)エッジの効いた先駆的な金融商品・市場の形成
(2)ESGファイナンス先進地域に向けた取組み
(3)金融サービスに関する規制の緩和に向けた働きかけ
(4)金融分野における高度人材の育成
3:共通する取組み
(1)海外との連携
(2)情報発信・プロモーション
(3)海外から企業・人を惹きつける取組み
(4)外国人にとっても魅力的な住環境の整備
(5)大阪府市による先駆けたインパクトのある取組み
国際金融都市の実現 には長期間の取組みが必要
「育む」:自らの魅力を高めていく
「呼び込む」:国内外他地域から呼び込んでくる
「支える」:「育む」、「呼び込む」ための基盤整備
※今後、取組みを検討する際に、柱立て、実施主体、時間軸などについて整理・精査。
◆世界の国際金融都市は、長い金融の歴史がバックグラウンドにあるため、国際金融都市の実現 には長期間の取組みが必要。
◆最終年度(2050年 世界/日本 :カーボンニュートラル目標年度)を見据えて、 短期(2025年大阪・関西万博まで)、中期(2030年)の期間を設定し、都度レビューして、 その時の情勢を計画に反映す
次世代のPanasonicやダイキンに相当する「ユニコーン」を生み出せるか
大阪がシンガポールや上海とガチンコ勝負出来る金融都市になる事は、現在の日本国内の法制度では正直な所、まだ難しいと思います。しかし、次世代の産業を産み育てる為には、金融面でのバックアップ体制は不可欠で、その視点から見ると、今回の構想は非常に重要な意味を持ってきます。
大阪の次なる成長戦略は、ポストコロナを見据え、他都市に先駆けてインバウンドへの取り組みの再構築を行い、世界的なIRを実現させ国際観光都市としての世界的な地位を盤石にする事、大阪万博開催をテコに都市再開発を推進し海外のハイレベル人材を受け入れる受け皿を造り、交通インフラ整備を行い利便性を向上させる事、国際的な競争力を持つ中小企業や、スタートアップを支援する事で、これらの企業を、Panasonicやダイキン工業に続くような、次世代の大阪を担うユニコーン企業に育成する事、産業・企業を育てる為の金融システムを構築する事です。大阪国際金融都市構想を成功させる為に、今回発表された素案を実現するための詳細な実施策が必要です。これから議論が深められ作戦会議が難度も行われると思いますが、カッコイイお題目を並べるよりも、出来るだけ小さく、出来るだけ具体的に動ける作戦を考えて欲しいと思いました。
ほとんど中身がなく、言葉だけ「レジリエンス向上のためのデュアルオペレーション」とか「エッジの効いた先駆的(同じ意味のダブリ表現です)」など、下手にカタカナを乱用しただけの無意味な作文です。「都度レビューして、 その時の情勢を計画に反映す」も意味が分かりません。
本当にこれから具体的に何をするのか? 何も伝わってきません。
やってる感だけの幹事会にはがっかりしました。
このブログの名称 再都市化に大阪がいよいよ取り組みだしたのは喜ばしい。
1970年頃から世界的に石油危機による製造業の衰退で大都市が衰退しだしたが、その一方で再都市化に取り組み東京、NY、ロンドンはグローバル都市として大繁栄した。
1990年から大都市の工業的発展様式から情報的発展様式への転換に対応して東京は情報都市、金融都市、中枢管理都市に転換したから大発展した。もちろん政府の後押しがあり、金融機関も総動員してベンチャーも一般企業本社も東京へ集め、更に外資系も東京に立地させた。
それとは逆に製造業を追い求めた大阪は長期衰退に入った。太田知事が堺にシャープの工場を誘致して大自慢したのは典型的な時代錯誤の大馬鹿で衰退が止まるわけがない。
東京の後追いとはいえUSGの誘致は正解で大阪の過去の街づくりや建造物と相まってインバウンドが急伸して2015年位からようやく再都市の機運が見えてきた。
大阪の再都市化は本格的にはIRが出来て以降だろうが、目指す方向はグローバル観光ビジネス金融都市というところか。※目安は大阪市として過去の人口を抜き去ること。
幸いにも梅田周辺に富裕層向けマンションが林立しそうだし、高学歴専門技術職が集中して富裕層を形成しそうである。金融都市として成功すればお笑い一辺倒からも自然と脱却する。
但し保守的な大阪である、財界やマスコミ、中小企業が障害とならないことを祈りたい。