阪急電鉄と西宮市、尼崎市の3者は2022年11月1日に、阪急神戸線武庫之荘駅〜西宮北口駅間に新駅設置に関して基本合意書に署名しました。新駅は武庫川に架かる武庫川橋梁にホームを設けます。新駅によって、周辺人口の増加や隣接駅の混雑緩和につなげる。想定事業費は約60億円を見込んでいます。
武庫之荘駅―西宮北口駅間は約3.3kmと阪急神戸線の中でも最も長く、新駅の設置構想は昭和初期から検討されてきました。「他事業に比べて優先順位が低い」として消極的だった尼崎市が2013年から検討会に加わり、協議が前進しました。3者は今後、駅の配置や規模に加え、国庫補助の採択を見据えた整備費の負担方法などについて協議を行います。2025年に国に補助金利用を申請し、その後設計や着工に進む計画です。
【出展元】→神戸新聞>「80年越しの悲願」阪急・武庫川新駅の設置決まる 尼崎、西宮両市、人口千人増 「遅くとも10年以内」
→朝日新聞>阪急神戸線、武庫川の橋梁上に新駅設置へ「10年以内に実現したい
→日経新聞>阪急電鉄、武庫之荘―西宮北口間に新駅 10年以内に
新駅の想定事業費は約60億円で、駅舎や駐輪場などの鉄道施設に55億円、周辺整備に5億円の事業費を見込む。およそ3分の1ずつを国の補助、阪急電鉄の負担でまかない、残りの3分の1を西宮市と尼崎市で負担する。人口増加によって、西宮市で年間2億円、尼崎市で年間1.2億円の税収増が期待できる目論見です。
これまでの経緯
阪急電鉄神戸線の西宮北口〜武庫之荘駅間で設置が検討されている「武庫川新駅(仮称)」について、西宮市と尼崎市、兵庫県、阪急電鉄でつくる検討会は2021年9月3日に、事業の具体化に向けた検討に入ることで4者が合意したと発表しました。
西宮・尼崎市境は川の中央にあり、2013年から4者が検討会を重ねてきました。尼崎市は財政難などから新駅設置に対して消極的な立場を取っていましたが「一定の投資効果が見込める」と姿勢を転換。地元の強い要望がある西宮市は「実現への大きな一歩」としています。
【出展元】→(仮)武庫川周辺阪急新駅に関する検討について
武庫川新駅は、武庫之荘駅から約 1.6km、西宮北口駅から約 1.7kmの位置に設置されます。武庫川橋梁上付近で河川の上空にホームが設けられる予定で、現在の橋梁が建設された際に新駅設置のスペースが確保されています。駅は2面2線で改札口は両岸2箇所に設置。可動式ホーム柵、各種ホーム保安設備等備え、エレベーター、エスカレーター等移動円滑化設備が設置されます。
公表された報告書によると、事業費は駅舎や駐輪場に約55億円、周辺道路整備に約5億円の計約60億円規模の見通しで、今後、国との交渉次第で「社会資本整備総合交付金」を活用できる可能性があると想定、負担割合については、国から3分の1の補助金を得らた場合、残り3分の2を両市と阪急で折半することになると見込んでいます。
試算によると、開業すれば半径1kmロ圏内の人口は両市とも千人近く増え、年間税収も西宮市で約2億円、尼崎市で約1億2千万円増増加する見込みです。これらを踏まえ、4者が「地域の課題解決に新駅は有効」との考えで一致しました。
今後の検討課題・調整事項
1:河川上への鉄道施設(ホーム等)設置および工程等に関する河川協議の深度化
2:既設鉄道橋脚等の耐震補強の必要性
3:周辺整備と繋がる駅施設(改札やコンコース内通路などの利用者動線等)の規模
阪急神戸線ー武庫川新駅(仮称)
位置:武庫之荘~西宮北口駅間 武庫川橋梁上付近 (武庫之荘駅から約 1.6km、西宮北口駅から約 1.7km)ホ ー ム:2面ホーム
改 札 口:2箇所(両岸)設置
安全対策設備:可動式ホーム柵、各種ホーム保安設備等
その他設備:エレベーター、エスカレーター等移動円滑化設備
想定乗降客数:22,623人/日
事業費:約60億円
2面2線?、と思ったけど、こういう配置なんですね。
阪神武庫川駅と同様の構造ですね。