
北大阪急行電鉄は2016年12月5日(月)に、ホームでの事故対策として同社の3駅にホームドア(可動式ホーム柵)を設置すると発表しました。以前から設置工事の状況をレポートしてきましたが、本日2017年9月9日(土)より千里中央駅のホームドアの使用が始まりました!
【関連記事】
→御堂筋線ー心斎橋駅の可動式ホーム柵(ホームドア)が供用開始!
→千日前線ー南巽駅で設置工事が行われている可動式ホーム柵(ホームドア)
→大阪駅の6・7番線に設置されたホームドア(可動式ホーム柵)が使用開始!
→JR京都線ー高槻駅の新快速専用ホームで日本初となる実用運用の「昇降式ホーム柵」が稼働開始!
→京都市営地下鉄ー烏丸線に設置された可動式ホーム柵(ホームドア)の状況

北大阪急行ー千里中央駅で供用が始まった可動式ホーム柵(ホームドア)ですが、実は大手を含め関西私鉄各社で始めての設置となります。

千里中央駅に設置された、可動式ホーム柵(以下、ホームドア)の様子です。JR西日本とも大阪市営地下鉄のモノとも異なる雰囲気です。それもそのはず、このホーム柵は「株式会社京三製作所」製では、同社のホームドアが関西の民鉄採用されるのは初めての事です。
同社の ホームドア(可動式ホーム柵)は、大きなドア透過部やスライド式非常脱出口を備えている他、 地上側に設置するセンサにて車両の定位置停止検知などを行い、可動式ホーム柵 の自動開閉を実現しています。これにより、地上-車上間の情報伝送(トランスポンダ)装置 が不要となり、地上設備だけのシンプルなシステムとなっている所が大きな特徴です。
【出典元】
→株式会社京三製作所>北大阪急行電鉄 千里中央駅の可動式ホーム柵を受注いたしました(PDF)
→北大阪急行電鉄>当社線 3 駅に「可動式ホーム柵」を設置します(PDF)

【北大阪急行電鉄のホームドア設置計画の概要】
1.設置駅
千里中央駅(島式ホーム 1番線・2番線) ※京三製作所が受注
桃山台駅 (島式ホーム 1番線・2番線)
緑地公園駅(相対式ホーム 1番線・2番線)
2.仕 様
・開口部 2,600mm ・腰高タイプの可動式ホーム柵(固定部ホーム床面から約1,320mm)
3.全体工程(予定)
千里中央駅 平成29年 1月工事着手 ~ 平成29年 9月末竣工予定
桃山台駅 平成29年 6月工事着手 ~ 平成30年 3月末竣工予定
緑地公園駅 平成29年 6月工事着手 ~ 平成30年 3月末竣工予定

ホームドアユニットの様子です。ピクトグラム含め非常にシンプルな作りに見えます。可動部に対してユニットがコンパクトなのもこのホームドアの特徴です。

女性専用車両付近のホームドアユニットの様子です。

視覚障害者向けの点字表示の様子です。

ホームドアユニットを真横から見た様子です。

センサーユニットのアップです。スーパーマーケットのPOSの様な感じのセンサーですね。

可動式ホーム柵を円滑に運用するには、ホームに設置されたドアと車両のドアの位置を正確に合わせる必要があり、先に全駅にホーム柵が導入された、千日前線では全車両に自動列車運転装置(ATO)、定位置停止装置(TASC)が設置されました。可動式ホーム柵導入後の千日前線の電車は乗務員が乗車していますが、電車の運転に伴う一連の動作(加速→走行→停車)は自動化され、タイムロスが極小化されています(それでも到達時刻がびましたが)。
御堂筋線の心斎橋駅と天王寺駅も可動式ホーム柵が設置さえれていますが、これはパイロットケース的な意味合いが強く、自動列車運転装置(ATO)、地上施設側の対応「定位置停止装置(TASC)は導入されずに、フルマニュアルでの運用となっています。その為、2015年3月1日から朝ラッシュ時の最初運転間が2分15秒毎→2分30秒毎に伸びています。
 北大阪急行ー千里中央駅のホームドアもマニュアル運用なので、ドアーの開閉から出発まで結構タイムロスがあります。
 ホームドアの端には車掌さん用のモニターが3画面、安全確認用のシグナルが設置されていました。

電車が出発する時の手順は天王寺・心斎橋駅と同じです。まず車両側の乗降ドアーが閉まり、それからホームドアが稼働します。

車両の乗降ドアーが閉まり、ホームドアが動き出しました。

開口部が大きいので閉まるまで若干時間がかかります。

閉まりました!

ようやく電車が出発しました。スローシャッターで取ると時速300km/h位出ている様に見えますね。

ついに千里中央駅で供用が始まったホームドア。終点の折り返し駅なので余裕時間が有るため、ホームドア設置によるタイムロスは影響が無いですが、中間駅でのタイムロスは過密ダイヤの御堂筋線にとっては相当厳しいと思います。全駅設置には自動列車運転装置(ATO)、地上施設側の対応「定位置停止装置(TASC)の導入が必須です。これが導入されれば、千日前線の様にホームドアと車両の乗降ドアーが同時に開閉するのでタイムロスは最小限で済みます。ただ、このシステムを導入するには全ての車両を対応させる必要があるので、10系を3000系で全て置き換えた上で新20系も全てリニューアル改造する事になります。
					
