「大阪マルビル」の建替え決定!万博期間中は敷地をバスターミナルとして活用、その後に新ビルを着工【2030年春竣工予定】


大和ハウス工業と大阪マルビルは2022年5月13日付けのニュースリリースで、大阪駅前のランドマークタワーとして親しまれてきた「大阪マルビル」を建て替えると発表しました。

「大阪マルビル」は1976年に竣工した大阪でも最古参に分類される超高層ビルの1つで、その円筒形のユニークな形状から大阪のランドマーク的な存在として長らく親しまれてきました。しかし、竣工後50年近くが経過し、建物・設備の老朽化や周辺施設との競争力の低下が課題となっており、より質の高い商品・サービスを提供し、大阪の新たなランドマークとなりうる施設として刷新する為、建替えが決定しました。

【出展元】
「大阪マルビル」を建て替えます

 

 

さらに高層化しオフィスや大型ホールを設置



 

「大阪マルビル」は、「大阪第一ホテル」を中心として、飲食店や物販店舗など35テナントで構成されていますが、施設の刷新とともにこれまでになかった新たな機能が付加されます。建替え計画は、地上30階建て、高さ約123mの現状建物から高層化する予定で、多目的に利用できる大型ホールや、高機能オフィスの設置など、賑わい創出の場、文化交流の場としての役割が付加されます。

建替え後もマルビルの名前を残し、建物の形にも『丸』を残し、発信力ある建物にする方針で、2025年の大阪・関西万博の開催期間中はバスターミナルとして敷地を貸し出す予定となっています。

 

 



ビルオタとしては、『シン・マルビル』がどの程度高層化されるのか?気になる所です。新ビルはホテルに加え、高機能オフィスが導入されるので1フロア毎の面積が今よりも広くなる事が予想されます。新ビルの指定容積率が大阪梅田ツインタワーズサウスと同じ2000%まで緩和出来れば、延べ床面積64,800㎡程度(現:マルビルは41,069.4)の超高層ビルが建設可能となります。

大阪国際空港(伊丹)高さ制限回答システムによると、大阪マルビル付近の制限高(海抜高)は約192m、国土地理院地図によると海抜は0.6mとなっており、法律上は高さ190m程度の超高層ビルの建設が可能です。ただし、敷地面積がそれほど広くない事や、高機能オフィスを導入する事や、容積率を目一杯緩和しても6.5万㎡程度までしか拡大出来ない事から、ビルの高さは150〜160m強になるのではないでしょうか。

 

現:大阪マルビルの施設概要



 

所 在 地

大阪府大阪市北区梅田1丁目920

ホテル客室数

460室(宴会室5室、レストラン1)  ※客室は10階から29

テナント数

35店舗(2022513日現在)

開業年月日

1976年(昭和51年)416

建物工期

1973年(昭和48年)1016日~1976年(昭和51年)331

敷地面積

3,244.62㎡(981.498坪)

延床面積

41,069.4㎡(12,423.4坪)

階  数

地下4階 地上30階 塔屋3階 (一部地上6階)

高  さ

124m(塔屋部分含む)

直  径

30mの円筒形ビル

竣  工

1976年(昭和51年)331

主要構造

S造(鉄骨造)、一部SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)

設計・施工

フジタ工業株式会社(現:株式会社フジタ)