リッツ・カールトン京都(The Ritz-Carton Kyoto)は、京都市中京区の鴨川沿い、二条大橋畔に所在する外資系ラグジュアリーホテルです。大阪、東京、沖縄に次いで国内4ヶ所目のリッツカールトンとして2014年2月に開業しました。
計画地は、江戸時代の豪商・角倉了以の屋敷跡で、周囲に公家や宮屋敷が立ち並んでいた、東山三十六峰を一望する風光明媚な地として知られる場所です。
以前には、藤田観光が「ホテルフジタ京都」を営業していましたが、2006年に積水ハウスが土地・建物を取得し、2011年に「ホテルフジタ京都」としての営業を終了。その後、積水ハウスが中心となって新ホテルを企画・開発し、マリオット・インターナショナルの最高級ブランドホテル「リッツ・カールトン京都」が開業しました。
【出展元】
→リッツカールトン京都(公式)
→マリオットホテルグループの最高級ブランド 「ザ・リッツ・カールトン京都」2月7日(金)開業
▼外観、共用部、プールなどはコチラをご覧下さい!
鴨川を愛でる「ゆとり」のある客室
リッツカールトン京都宿泊記、Part2は客室・朝食編です。
今回宿泊したお部屋は・・・
グランドデラックスカモガワリバービュー:55㎡!
ボトムの部屋をポイントで予約しましたが、マリオットボンヴォイ・プラチナエリート特典で3段階のアップグレードとなりました。
最近の京都のホテルは、最繁忙期の紅葉の季節に加え全国旅行支援の影響があり、非常に高稼働で宿泊費が高騰しています。その為、週末などの繁忙日のUPGは期待薄でしたが、予想外のアップグレードとなりました。今回は、宿泊日が金曜日〜土曜日だったので、少し客室残にゆとりがあったのでしょうか?
「グランドデラックスカモガワリバービュー(55㎡)」は、鴨川と東山三十六峰の美しい眺望が楽しめるリッツ京都の魅力を堪能できるお部屋です。和洋折衷のインテリアデザインは文句無しに素晴らしい。
客室レイアウト
出展:リッツカールトン京都 公式サイト
グランドデラックスカモガワリバービュー(55㎡)の客室レイアウト図です。エントランス側からウエットエリア、ベッドルーム、窓際には縁側をイメージしたリビングスペースがあります。エントランスから直進した廊下沿いにミニバーコーナーがあるのが珍しいです。
客室の全景です。写真右手前には衣装ケースがあり、その上に『急須』が置かれていました。
窓側を見通した様子です。リッツカールトン京都では、インテリアの品質を維持する為の軽微なリニューアル『ソフトリノベーション』が実施されました。この部屋はソフトリノベーション済みとの事で、カーペットやクッションが変更されています。
ベッドの奥側から入り口側を見た様子です。
ベッドの様子です。幅134cm × 長さ203cm × 高さ63cm 2台が置かれていました。
このベッド、メチャクチャ寝心地が良くで驚きました!
ウェスティンホテルの「ヘブンリーベッド」に負けない素晴らしい寝心地が楽しめます。
ベッドサイドのアンビエントライト。ベッドボードの木彫りの模様と合わさって伝統芸術作品の様な美しさがありました。
ナイトパネルの様子です。デザインはカッコイイのですが、ボタン類が多すぎて最後まで使いこなす事が出来ませんでした。UIという観点から見ると今ひとつ・・。
大人が寝転がれるソファー
ソファーはベッドの対面に置かれていました。三人掛け程度の大きさがあり、デイベッドとして寝転がる事が出来ます。
クッションは西陣織。伝統文化を感じる繊細な造り込みを実際に使うことで体感できます。
縁側をイメージしたリビングスペース
窓際には縁側をイメージしたリビングスペースがあります。鴨川を愛でながら、ユッタリとした時間を過ごすことが出来る極上のスペースです。
縁側コーナーの様子です。大きな丸テーブルはインルームダイニングにも余裕で対応できそうです。また、窓側には飾り棚があり盆栽が置かれていました。京都を感じさせる演出ですね。
縁側(リビングスペース)から見たか鴨川側の眺めです。かつて、この地で“平安貴族が東山から昇る月を愛でた”という歴史になぞらえ、可能な限り大きくとった窓から、京都の風景を朝から夜まで楽しむ事が出来ます。
縁側が心地よすぎて、かなりの時間をここで過ごしました。
チェアセットとベッドの位置関係はこんな感じです。
テレビは縁側の壁面にあります。サイズは47インチほどで若干小さめのサイズでした。
テーブルにはウェルカムフルーツがありました。お味は、まあまあ・・・でした(笑)
飾り棚に置かれた盆栽。リッツカールトン京都は、館内に居ながら京都を感じる事が出来る「演出」が随所にあります。
盆栽が置かれた飾り棚には、電電コンセントとUSB給電ポートがありました。そのほかにも、棚の中にブルーレイプレーヤーがあり、持参したディスクを再生する事が出来る様です。
これらのアイテムは客室デザインに対して異質な存在に映る為、デザインを崩さない様に「隠す収納」が徹底されていました。
定番のスライドスクリーンも
縁側から居室を見た様子です。ベッド、ソファー、チェアー、それぞれかなりの大きさがあるのですが、客室面積が55㎡もあるので、さすがにゆとりがあります。
また、居室とウエットエリアはスライドスクリーンで、状況に応じて仕切る事が出来ます。
スライドスクリーンを締めるとこんな感じです。写真左奥は玄関に繋がる廊下で、途中にミニバーコーナーがあります。
ウエットエリア
ウエットエリアの様子です。全体的に漆塗りの重箱を連想させる華やかなデザインです。
洗面台はダブルボウル。洗面台下部にある赤の差し色が効いています。ここでも『隠す収納』が徹底されており、ゴミ箱などが目だない様に配置されていました。
ボウルは陶器で趣がありますが、浅いので水はねに注意が必要です。
中央の鏡に液晶テレビ(18.5インチワイド)が埋め込まれており驚きました。
アメニティ類は漆塗りの小箱に入れられていました。
アメニティ類はこんな感じです。英国「アスプレイ」のバスアメニティ、「京都しゃぼんや」によるハンドメイドのソープとバスソルトなどが人気です。
続いてバスルームの様子です。仕切りは全面ガラス張りでスケスケで開放感抜群です。
バスルーム内の様子です。壁にはエンボス加工された、立体的な「桜の花」があしらわれていました。
桜の花びらをアップで見た様子です。灯りに照らされて陰影が強調されさらに美しいです。
バスルーム内からドレッサー側を見た様子です。浴室内にスピーカーがあり、防水リモコンを浸かってバスタブに浸かりながらテレビを見る事が出来ます。
バスルームの床面は「すのこ」が置かれていました。メンテナンス大変そうですが、暖かみを感じるので良かったです。
バスタブの様子です。大人2名が並んで入れるほどの広さがあり、極上のバスタイムを過ごす事が出来ました!
ミニバー・コーナー
続いてはミニバーコーナーの様子です。上の写真はエントランス付近から客室側を見た様子です。左がバスルーム、真ん中の部分はバスルーム側がドレッサー、反対の廊下側がミニバーコーナーとなっています。
客室側からエントランス側を見た様子です。廊下にそってミニバーコーナーがある、珍しいレイアウトです。
ミニバーコーナーの備えはこんな感じです。最高級カリフォルニアワインの代名詞「オーパスワン」がありました。YouTuberが「オーパスワン」がある所は高級!みたいな事を言っていると聞きました。
さすがはリッツカールトン、という所でしょうか。
ネスプレッソマシンとミネラルウォーター。
驚いた事に、最初からネスプレッソマシンに「水」が入っていました!!
これなら直ぐにドリップコーヒーを楽しむ事ができます。
これまで色々なホテルに宿泊しましたが、最初から水が入っている事は一度もありませんでした。リッツは衛生面から考えて、手間が掛かっても、入室直前に入れてくれたのだと思います。とても細かな箇所ですが、気づかいに気付く事で、さらに感動する事ができました。オーパスワンよりも、こっちの方が10倍凄いと思います。
リッツカールトン京都、やるなぁ・・・!!
冷蔵庫はこんな感じです。
隠す収納を徹底。トイレの場所が解らない!!
こちらはクローゼットの様子です。メチャクチャ広い訳ではありませんが充分な広さがありました。
ハンガーは、型崩れしにくい様な上等そうな物(語彙力)が沢山ありました。
クローゼットの隣には大きな姿見がありました。そしてこれがトイレの扉だと解るまで暫く時間がかかりました。
先ほども書きましたが、リッツカールトン京都の客室は、トータルデザインを崩す様な生活感のある物は極力隠す事を徹底しています。でも、トイレの場所が解らないのはやり過ぎかもしれませんね(笑)
大きな姿見を開けるとトイレがありました。そして、トイレ内に緊急連絡用の内線電話が置かれている事に驚きました。トイレは体調が悪くなったりして倒れ込む事が考えられるからだと思います。
リッツカールトン京都、ここまでやるのか・・・!イタリアレストラン「ラ・ロカンダ」での朝食
一晩あけて、翌朝は1階にあるイタリアレストラン「ラ・ロカンダ」で朝食を頂きました。
レストランフロアには、明治41年に建てられた藤田財閥の創始者、藤田伝三郎の京都別邸だった「夷川邸」が移築されました。歴史的価値のある和の空間とイタリア料理という粋な組み合わせが堪能できます。
移築された「夷川邸」の説明文です。
枯山水を望む縁側の様子です。
文明開化を楽しむ人々を追体験出来る様な『異空間』が広がっていて本当に驚きました。
「夷川邸」はプライベートルームとなっており、別途4万円〜で予約する事が出来ます。個人旅行で追銭するには厳しいプライスかもしれませんね・・・。
素材から高品質を感じる食事
朝食はブッフェ形式ではなくセットメニューとなっていました。好きな卵料理を上記リストから選択できます。
リッツカールトン京都といえば『ピエールエルメのクロワッサン』!かなりの大きさがあり2個でお腹いっぱいになりました。美味しいのですが、意外に繊細な感じではなく、外国人向けの大味といった印象でした。。
エッグベネディクトはこんな感じです。結構美味しかったですが、W大阪には敵わないかも(笑)
『ピエールエルメ』のフレンチトースト。こちらは絶品で、かなり美味しかったです!
最高級ホテルのもてなし。スタッフの気づかいに感動!
以下は、食レポではありませんが、感動した出来事があったので、ご紹介したと思います。
今回の朝食の時。妻が少し食べすぎて気分が悪くなってしまい『少し歩いて気分転換してくる』と行ってテーブルを離れて移動すると、さりげくスタッフが近づき声がけしてくれました。普通に移動しただけなのに何故気分が悪くなったと気づいたのか?ちょっとミステリアスな感じです。
『せっかくの食事が勿体なく申し訳ない』という妻に気遣いの言葉を掛けつつ『お部屋までお持しますのでお休みしてからお召し上がりください』との提案。
卵料理は衛生面でお包み出来ませんがご一緒に客室迄お持ちすることは出来ます。少しお休みになられてからお召し上がり下さい。との案内を頂きました。そして、急遽インルームダイニングに変更してもらい、時間を追い得てから頂く事が出来ました。
スタッフが変化に気づき、自ら声かげして、提案を行い、実行する。言うのは簡単ですが中々出来ないことだと思います。リッツカールトンの凄さを実感した出来事でした。本当にありがとうございます。
まとめ
初めて宿泊したリッツカールトン京都。リッツカールトンというブランドに気構えていましたが、普通に快適に過ごす事が出来ました。鴨川沿いの最高の立地に美術館の様な贅を尽くした館内。華を感じられる和洋折衷の客室は快適その物で、特に縁側スペースは居心地が良かったです。予想外に寝心地が良いベッドにも驚きました。
リッツカールトン京都は2014年オープンでもう少しで10年が経過する事になります。最新鋭のラグジュアリーホテルは、客室の使い勝手がさらに進化しており、照明のコントロールや水廻りの導線など、使い勝手の面でリッツ京都が負け始めている事は否めません。
しかし、リッツ京都の神髄は、一級品のハードに加え、プロフェッショナルな接客にあります。ハードは広い敷地にお金を掛けて新築すれば凄い物を作る事が出来ますが、接客はそうは行きません。レストランでのエピソードの通り、リッツ京都では、ハードとソフト(接客)が合わさった本当の意味でのラグジュアリーホテルを体感する事が出来ました。
皆様も機会があれば、リッツカールトン京都で「ミステリアスな接客」を体験してみては如何でしょうか・・!
<良い点>
・圧倒的リッツカールトンブランド。「泊まった事がある」と一生、話題にできる。
・鴨川を望む最高の立地。館内に居ながら京都を感じられる
・美術館の様な美しい館内と華を感じるデザイン
・非日常感と落ち着きを感じる客室
・居心地が良すぎる縁側スペース。ここは素晴らしい。
・大人2名が入れそうな広いバスタブ
・目配り気配りを感じるプロフェッショナルな接客
・高級感のある芸術的なプール。併設されたサウナも最高に良かった
<悪い点>
・価格と釣り合わない内容。1泊10万円なら納得できるが繁忙期20万円超は無理
・立地が良い半面、敷地が狭く、フォーシーズンズ京都の様な開放感は無い
・確かに美味しいと思うが、感動するレベルではない食事。
・ホテルザ三井京都に質感で負けている客室。使い勝手も三井の方が上
リッツカールトン京都
施設名称:ザ・リッツ・カールトン京都(The Ritz-Carlton, y Koto)計画名称:(仮称)京都鴨川二条ホテル
所在地 :京都市中京区鴨川⼆条⼤橋畔
構造:RC造、⼀部SRC造
階数:地上4階、地下3階
客室数 :134室
駐⾞台数:72台(内、機械駐⾞ 台(内、機械駐⾞67台)
延床⾯積:24,682,89 ㎡ (7,467坪)
敷地⾯積:5,937,28 ㎡ (1,796坪)
建築⾯積:4,598,23 ㎡ (1,391坪)
建築主 :積⽔ハウス株式会社
設計者:⽇建設計
客室・パブリックデザイン :レメディオス・デザインスタジオ
レストランデザイン :デザインスタジオ・スピン
内装設計 :イリア
庭園デザイン :野村勘治
施工者:大林組
着工:2011年12月
竣工:2013年10月
開業:2014年02月